台風シーズンの肌トラブル実態調査|約7割が「天気が崩れる前に肌荒れ・蕁麻疹」を経験、気圧変化と肌不調の関係を皮膚科医が解説

気圧低下時の肌トラブル対策と受診の目安を300名調査から読み解く

医療法人社団鉄結会

【結論】本調査のポイント 

結論から言うと、台風の前に肌が荒れるのは気のせいではありません。気圧の急激な変化は自律神経のバランスを乱し、皮膚のバリア機能低下や血管の拡張・収縮を引き起こすことで、肌荒れや蕁麻疹の原因となり得ます。対策としては、気圧変化の予測アプリを活用した事前の保湿強化や、症状が繰り返す場合は皮膚科での相談が推奨されます。

・68.7%が「天気が崩れる前に肌の調子が悪くなった経験がある」と回答

・気圧変化時の肌トラブルで最も多いのは「かゆみ・蕁麻疹」で42.3%

・症状が出ても「特に対策をしていない」人が54.0%と過半数を占める

用語解説

■ 気象病(気象関連症状)とは

気象病とは、気圧・気温・湿度などの気象条件の変化によって引き起こされる、または悪化する身体症状の総称である。頭痛、めまい、関節痛のほか、皮膚症状(肌荒れ・蕁麻疹・アトピー性皮膚炎の悪化など)も含まれ、特に気圧の急激な低下時に症状が出やすいとされる。

■ 蕁麻疹(じんましん)とは

蕁麻疹とは、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり(膨疹)、強いかゆみを伴う疾患である。通常24時間以内に跡を残さず消退するが、繰り返し出現することが多い。原因はアレルギー、物理的刺激、ストレス、自律神経の乱れなど多岐にわたり、気圧変化も誘因の一つとして知られている。

■ 皮膚バリア機能とは

皮膚バリア機能とは、皮膚の最外層である角層が外部刺激(乾燥・紫外線・細菌など)から体を守り、体内の水分蒸発を防ぐ働きのことである。このバリア機能が低下すると、肌荒れ・乾燥・炎症・感染症にかかりやすくなる。自律神経の乱れや気温・湿度の変化によってもバリア機能は影響を受ける。

気圧変化による肌トラブルの症状別特徴と対処法

症状タイプ

特徴

主な原因

セルフケア

受診目安

かゆみ・蕁麻疹

突発的に発症、24時間以内に消退が多い

自律神経の乱れによるヒスタミン放出

冷却、抗ヒスタミン薬(市販)

繰り返す場合、呼吸困難を伴う場合

肌荒れ・乾燥

カサつき、ごわつき、化粧のりの悪さ

バリア機能低下、湿度変化

保湿強化、刺激の少ないスキンケア

改善しない場合、炎症を伴う場合

赤み・ほてり

顔面を中心に赤みが出る

血管拡張、血流変化

クールダウン、刺激回避

持続する場合、酒さが疑われる場合

ニキビ・吹き出物

数日後に出現することも

皮脂分泌の乱れ、ストレス

清潔保持、適切な洗顔

炎症が強い場合、繰り返す場合

既存症状の悪化

アトピーや湿疹の悪化

免疫バランスの変化

処方薬の継続、保湿

コントロール不良時

※一般的な目安であり、個人差があります。

皮膚腫瘍・皮膚外科治療を専門とする医療法人社団鉄結会アイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、台風シーズンを前に「気圧変化と肌トラブルの関係」に関する実態調査を実施しました。調査結果をもとに、皮膚科医の視点から気象と肌の関係、そして適切な対処法について解説いたします。

調査背景

台風シーズンになると「天気が崩れる前に肌の調子が悪くなる」「気圧が下がると蕁麻疹が出る」といった声が多く聞かれます。近年、気象病への関心が高まる中、皮膚症状と気象条件の関係についても注目が集まっています。しかし、「気のせいでは」と自己判断し、適切な対処をしないまま症状を繰り返している方も少なくありません。当院では、皮膚科医として多くの患者様の肌トラブルに向き合う中で、気象変化と肌症状の関連性を実感してきました。本調査は、気圧変化による肌トラブルの実態を明らかにし、適切な対処法と受診の目安を広くお伝えすることを目的として実施しました。

調査概要

調査対象:過去1年以内に肌荒れや蕁麻疹などの肌トラブルを経験したことがある全国の20〜60代の男女

調査期間:2026年8月17日〜8月26日

調査方法:インターネット調査

調査対象人数:300名

調査結果

【調査結果】約7割が「天気が崩れる前に肌の調子が悪くなった経験がある」と回答 

設問:天気が崩れる前(台風接近時、低気圧通過時など)に、肌の調子が悪くなった経験はありますか?

「何度もある」「数回ある」を合わせると68.7%にのぼり、約7割が気圧変化と肌不調の関連を体感していることが明らかになりました。これは決して「気のせい」ではなく、多くの人が経験している現象であることを示しています。

【調査結果】最も多いのは「かゆみ・蕁麻疹」で42.3%、次いで「肌荒れ・乾燥」が28.7% 

設問:気圧が変化する時期(台風接近時など)に経験したことのある肌トラブルはどれですか?(複数回答可・主なもの1つ選択)

気圧変化時の肌トラブルとして最も多かったのは「かゆみ・蕁麻疹」で、4割以上が経験しています。蕁麻疹は自律神経の乱れによってヒスタミンが放出されやすくなることで発症しやすくなるため、気圧変化との関連が強いと考えられます。

【調査結果】54.0%が「特に対策をしていない」と回答、適切な対処法が知られていない実態が浮き彫りに 

設問:気圧変化による肌トラブルに対して、何か対策をしていますか?

半数以上が対策を講じていないことが判明しました。一方で皮膚科を受診している人はわずか7.0%にとどまり、多くの方が「一時的なもの」と考えて我慢していることがうかがえます。繰り返す症状には専門的な対処が必要な場合があります。

【調査結果】「関係があることを知らなかった」人が38.7%、正しい知識の普及が課題 

設問:気圧変化と肌トラブルの関係について、どの程度ご存知でしたか?

「知らなかった」が38.7%と最多で、「詳しく知っていた」はわずか8.0%でした。気象病として頭痛やめまいは知られていても、皮膚症状との関連はまだ広く認知されていないことがわかります。

【調査結果】62.3%が「生活に何らかの支障があった」と回答、QOLへの影響が明らかに 

設問:気圧変化による肌トラブルが起きた際、どの程度生活に支障がありましたか?

「かなり支障があった」「やや支障があった」を合わせると62.3%となり、6割以上の方が日常生活に何らかの影響を受けていることがわかりました。仕事や外出への影響、メイクができないなどの声も多く、見過ごせない問題といえます。

調査まとめ

本調査により、約7割の方が「天気が崩れる前に肌の調子が悪くなった経験がある」ことが明らかになりました。最も多い症状は「かゆみ・蕁麻疹」で42.3%、次いで「肌荒れ・乾燥」が28.7%でした。しかし、54.0%が「特に対策をしていない」と回答し、皮膚科を受診している人はわずか7.0%にとどまっています。気圧変化と肌トラブルの関係を「知らなかった」人も38.7%おり、正しい知識の普及と適切な対処法の周知が必要であることが示唆されました。62.3%が生活への支障を感じていることからも、「一時的なもの」と放置せず、繰り返す場合は専門家への相談を検討することが重要です。

医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師

皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、気圧変化による肌トラブルは決して「気のせい」ではなく、医学的に説明できる現象です。今回の調査で約7割の方が経験していることが示されましたが、これは私の臨床現場での実感とも一致しています。

 

気圧が急激に低下すると、私たちの体は自律神経のバランスを崩しやすくなります。特に副交感神経が優位になることで、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されやすくなり、蕁麻疹やかゆみが生じやすくなります。また、血管の拡張・収縮のコントロールが乱れることで、顔の赤みやほてりが出ることもあります。

皮膚のバリア機能も気象条件の影響を受けます。気圧の変化に伴う湿度や気温の変動は、角層の水分保持能力に影響を与え、肌荒れや乾燥を引き起こします。特にアトピー性皮膚炎などの基礎疾患がある方は、気象変化による症状の悪化を経験しやすい傾向があります。

重要なのは、これらの症状が「一時的だから」と放置しないことです。繰り返す蕁麻疹は慢性蕁麻疹に移行することがあり、早期に適切な治療を開始することで症状のコントロールが容易になります。また、「気圧変化のせい」と思っていた症状が、実は別の皮膚疾患の初期症状である可能性もあります。

日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドラインでも、6週間以上続く蕁麻疹は慢性蕁麻疹として専門的な治療が推奨されています。気圧変化をきっかけに症状が出やすい方は、その傾向を把握し、事前の対策と適切なタイミングでの受診を心がけていただきたいと思います。

 

【エビデンス】日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドラインでは、蕁麻疹の誘因として物理的刺激、ストレス、疲労などが挙げられており、気圧変化による自律神経の乱れもこれらの誘因に関連すると考えられています。皮膚科医としての臨床経験では、気象変化と症状の関連を訴える患者様は少なくなく、適切な治療と生活指導により症状のコントロールが可能なケースが多いと実感しています。

気圧変化時の事前対策

・天気予報や気圧予測アプリを活用し、気圧低下のタイミングを把握する

・気圧が下がる前から保湿を強化し、バリア機能を高めておく

・十分な睡眠と規則正しい生活で自律神経のバランスを整える

・アルコールや刺激物の摂取を控え、血管への負担を軽減する

症状出現時の対処法

・蕁麻疹やかゆみには、患部を冷やすことで一時的に症状を和らげられる

・市販の抗ヒスタミン薬は応急処置として有効だが、使用は一時的に

・掻きむしらないよう注意し、爪を短く整えておく

・症状が24時間以上続く場合や、呼吸困難を伴う場合は速やかに受診

皮膚科受診を検討すべきサイン

・気圧変化のたびに症状が繰り返し出現する

・市販薬でコントロールできなくなってきた

・症状の範囲が広がってきた、または症状が強くなってきた

・日常生活や仕事に支障が出ている

髙桑 康太(たかくわ こうた)医師

皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当

 

専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科

・ミラドライ認定医

 

臨床実績(2024年時点、累計)

・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上

・腋臭症治療:2,000件以上

・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上

 

略歴

・2009年 東京大学医学部医学科 卒業

・2009年 東京逓信病院 初期研修

・2012年 東京警察病院 皮膚科

・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科

・2019年 アイシークリニック 治療責任者

 

監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

よくある質問(Q&A)

Q1. 台風の前に肌が荒れるのは本当に気圧と関係があるの?

A. はい、気圧の急激な変化は自律神経を乱し、肌荒れや蕁麻疹の原因になり得ます。

今回の調査では68.7%の方が「天気が崩れる前に肌の調子が悪くなった経験がある」と回答しています。気圧が低下すると自律神経のバランスが乱れ、ヒスタミンの放出が促進されたり、皮膚のバリア機能が低下したりすることで、肌トラブルが起きやすくなります。これは医学的にも説明できる現象です。

Q2. 気圧変化で蕁麻疹が出るのはなぜ?

A. 気圧変化による自律神経の乱れがヒスタミンの放出を促進し、蕁麻疹を引き起こすと考えられています。

調査結果では、気圧変化時の肌トラブルで最も多かったのが「かゆみ・蕁麻疹」で42.3%でした。気圧が急に下がると副交感神経が優位になり、肥満細胞からヒスタミンが放出されやすくなります。これが皮膚の血管を拡張させ、かゆみや膨疹を引き起こします。

Q3. 気圧変化による肌トラブルの対策は何がある?

A. 事前の保湿強化、自律神経を整える生活習慣、気圧予測アプリの活用が効果的です。

調査では54.0%が「特に対策をしていない」と回答していますが、対策をしている方の中では「保湿を強化している」が22.3%と最多でした。気圧変化の前から保湿を強化しバリア機能を高めること、十分な睡眠で自律神経を整えること、気圧予測アプリで事前に備えることが推奨されます。

Q4. 気圧変化による肌荒れで皮膚科を受診すべきタイミングは?

A. 症状が繰り返す場合、24時間以上続く場合、生活に支障が出ている場合は受診をおすすめします。

調査では62.3%が「生活に何らかの支障があった」と回答している一方、皮膚科を受診している人はわずか7.0%でした。蕁麻疹が6週間以上続く場合は慢性蕁麻疹として専門的な治療が必要です。また、呼吸困難を伴う場合は緊急性が高いため、すぐに医療機関を受診してください。

Q5. 気象病としての肌トラブルは治療で改善できる?

A. はい、適切な診断と治療により、多くの場合症状のコントロールが可能です。

気圧変化と肌トラブルの関係を「知らなかった」人が38.7%いましたが、この関連性を理解した上で治療に臨むことで、予防的なアプローチも可能になります。皮膚科では、症状に応じた抗ヒスタミン薬の処方や、スキンケア指導、生活習慣のアドバイスを行い、気象変化に負けない肌づくりをサポートしています。

放置のリスク

・繰り返す蕁麻疹を放置すると慢性蕁麻疹に移行し、治療が長期化する可能性がある

・掻き壊しにより二次感染を起こしたり、色素沈着が残ったりするリスクがある

・「気圧のせい」と思い込み、他の皮膚疾患の早期発見・治療が遅れる可能性がある

・QOL(生活の質)の低下が継続し、メンタルヘルスにも影響を及ぼす場合がある

こんな方はご相談ください|受診の目安

・気圧変化のたびに肌トラブルが繰り返し発生する

・蕁麻疹が24時間以上消退しない、または6週間以上続いている

・市販薬では症状がコントロールできなくなってきた

・かゆみや肌荒れで睡眠や仕事に支障が出ている

・蕁麻疹とともに息苦しさや唇の腫れがある(緊急受診)

クリニック案内

アイシークリニックの特徴

・土日祝日も診療可能で、平日忙しい方にも通いやすい診療体制

・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院展開で、アクセス至便な立地

・皮膚科・形成外科の両面から総合的な肌トラブルのケアを提供

・当日予約・当日診療に対応し、急な症状にも柔軟に対応可能

アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 One-葵ビル2階

アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階

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業種
医療・福祉
本社所在地
東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階
電話番号
03-6276-3870
代表者名
高桑康太
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年09月