世界で初めて非接触電気検査を採用したウェハを製造
エレクトロニクス分野の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的
半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、プロー
ブを使用せずに電気検査した半導体ウェハの製造に、世界で初めて成功したこと
を発表しました。STの革新的かつ高度な検査技術は、ウェハ上に並んだ回路への
接続として電磁波を使用し、RFID(Radio Frequency Identification)IC等を
含むウェハを検査することができます。非接触電気検査には、歩留まりの向上、
検査時間の短縮、製品コストの低減といった潜在的なメリットがある他、RF回路
を実際のアプリケーションに近い条件で検査することができます。
STのAlberto Pagani、Giovanni Girlando、Alessandro Finocchiaro、および
カターニャ大学のGiuseppe Palmisano教授による研究開発プロジェクト
「UTAMCIC (UHF TAG Antenna Magnetically Coupled to Integrated Circuit)」
の成果であるこのEMWS(Electro Magnetic Wafer Sort)技術は、2010年12月に
パリで開催されたCartes and IDentification 2010の「生産・試験」カテゴリで、
「Sesames Award」を受賞しています。
EMWSはEWS(Electrical Wafer Sort)が進化したもので、最終的にパッケージン
グされた製品の組立・検査を行う前のウェハ製造工程における最終段階になり
ます。この段階で加工済みウェハには、ダイと呼ばれる同一の回路がアレイ状に
配置されています。通常のEWSでは、ATE(Automatic Test Equipment)に接続
されたプローブ・カードが各ダイの上に移動し、顕微プローブがダイ上のテスト・
パッドに接触します。その後、ATEによる検査でダイが完全に機能することを
確認し、機能しないダイはパッケージング前に廃棄されます。
最近開発されたEMWSは、ATEが発生させた電磁波を各ダイに内蔵された超小型
アンテナが受信し、電源供給・通信を行います。この方法により、ダイ上の
テスト・パッド数が減少するため、ダイが大幅に小型化されます。消費電力の
高い製品を検査する際はプローブで電力を供給する必要がありますが、消費電力
の低い製品は、STの新技術(1)により完全に非接触な検査が可能です。
Test R&D / コンペティティブ・インテリジェンス担当のAlberto Paganiは、
次の様にコメントしています。「検査技術の飛躍的な発展は、STの品質問題ゼロ
への取り組みの成果を示すもので、特にSTの低消費電力RF製品を採用している
お客様にメリットを提供します。非接触検査では検査範囲が広がり、RF回路、
アンチ・コリジョン・プロトコルおよび内蔵アンテナをお客様のアプリケーショ
ンと同じ動作条件で検査するため、品質と信頼性が大幅に向上します。」
非接触モードでは検査の並列度が向上するため、非接触検査によって検査時間が
大幅に短縮されます。さらに、標準的な接触検査で時々発生するパッド損傷が
無くなるため、歩留りが向上します。
(1)技術情報
STの非接触EMWS技術は、特許取得済みの電磁濃縮・拡散と呼ばれる手法を用いて
います。これは、一緒に接続された2個以上のアンテナからなる受動構造を利用
し、「電磁レンズ」として機能する直列共振を発生させます。電磁レンズは、
大きな表面からの電磁エネルギーを小さな表面(1個のダイなど)に濃縮させる
か、あるいは小さな表面からのエネルギーを大きな表面に拡散させます。検査
装置に内蔵することができる電磁濃縮・拡散器により、ダイと外部システム
(ATEなど)の間の通信距離を少なくても1桁延ばすことができます。さらに、
RFID等の超低消費電力製品では、濃縮した電磁エネルギーによってダイに直接
給電し、完全に非接触な検査を行うことができます。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体
ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な
技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォ
リオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、
マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の
追随を許さないリーダーとなることを目指しています。2010年の売上は103.5億
ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com
◆ お客様お問い合わせ先
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
STマイクロエレクトロニクス(株)
MMSグループ
TEL: 03-5783-8240 FAX: 03-5783-8216
半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、プロー
ブを使用せずに電気検査した半導体ウェハの製造に、世界で初めて成功したこと
を発表しました。STの革新的かつ高度な検査技術は、ウェハ上に並んだ回路への
接続として電磁波を使用し、RFID(Radio Frequency Identification)IC等を
含むウェハを検査することができます。非接触電気検査には、歩留まりの向上、
検査時間の短縮、製品コストの低減といった潜在的なメリットがある他、RF回路
を実際のアプリケーションに近い条件で検査することができます。
STのAlberto Pagani、Giovanni Girlando、Alessandro Finocchiaro、および
カターニャ大学のGiuseppe Palmisano教授による研究開発プロジェクト
「UTAMCIC (UHF TAG Antenna Magnetically Coupled to Integrated Circuit)」
の成果であるこのEMWS(Electro Magnetic Wafer Sort)技術は、2010年12月に
パリで開催されたCartes and IDentification 2010の「生産・試験」カテゴリで、
「Sesames Award」を受賞しています。
EMWSはEWS(Electrical Wafer Sort)が進化したもので、最終的にパッケージン
グされた製品の組立・検査を行う前のウェハ製造工程における最終段階になり
ます。この段階で加工済みウェハには、ダイと呼ばれる同一の回路がアレイ状に
配置されています。通常のEWSでは、ATE(Automatic Test Equipment)に接続
されたプローブ・カードが各ダイの上に移動し、顕微プローブがダイ上のテスト・
パッドに接触します。その後、ATEによる検査でダイが完全に機能することを
確認し、機能しないダイはパッケージング前に廃棄されます。
最近開発されたEMWSは、ATEが発生させた電磁波を各ダイに内蔵された超小型
アンテナが受信し、電源供給・通信を行います。この方法により、ダイ上の
テスト・パッド数が減少するため、ダイが大幅に小型化されます。消費電力の
高い製品を検査する際はプローブで電力を供給する必要がありますが、消費電力
の低い製品は、STの新技術(1)により完全に非接触な検査が可能です。
Test R&D / コンペティティブ・インテリジェンス担当のAlberto Paganiは、
次の様にコメントしています。「検査技術の飛躍的な発展は、STの品質問題ゼロ
への取り組みの成果を示すもので、特にSTの低消費電力RF製品を採用している
お客様にメリットを提供します。非接触検査では検査範囲が広がり、RF回路、
アンチ・コリジョン・プロトコルおよび内蔵アンテナをお客様のアプリケーショ
ンと同じ動作条件で検査するため、品質と信頼性が大幅に向上します。」
非接触モードでは検査の並列度が向上するため、非接触検査によって検査時間が
大幅に短縮されます。さらに、標準的な接触検査で時々発生するパッド損傷が
無くなるため、歩留りが向上します。
(1)技術情報
STの非接触EMWS技術は、特許取得済みの電磁濃縮・拡散と呼ばれる手法を用いて
います。これは、一緒に接続された2個以上のアンテナからなる受動構造を利用
し、「電磁レンズ」として機能する直列共振を発生させます。電磁レンズは、
大きな表面からの電磁エネルギーを小さな表面(1個のダイなど)に濃縮させる
か、あるいは小さな表面からのエネルギーを大きな表面に拡散させます。検査
装置に内蔵することができる電磁濃縮・拡散器により、ダイと外部システム
(ATEなど)の間の通信距離を少なくても1桁延ばすことができます。さらに、
RFID等の超低消費電力製品では、濃縮した電磁エネルギーによってダイに直接
給電し、完全に非接触な検査を行うことができます。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体
ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な
技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォ
リオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、
マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の
追随を許さないリーダーとなることを目指しています。2010年の売上は103.5億
ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com
◆ お客様お問い合わせ先
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
STマイクロエレクトロニクス(株)
MMSグループ
TEL: 03-5783-8240 FAX: 03-5783-8216
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像