コロナ禍での企業の異業種人材受け入れ実態を調査
異業種から最も人材を受け入れているのはコンサルティングで、2020年から2021年で約40%アップ 外食、旅行は、ビジネスのオンライン化を背景に、インターネットやITからの人材受け入れを強化
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:大浦 征也)は、コロナ禍での各業種における企業の異業種人材の受け入れ実態を調査し、結果をまとめましたのでお知らせいたします。なお本調査は、2020年1月~12月末と2021年1月~12月末までの間に「doda」経由で異業種転職に成功したビジネスパーソンのデータをもとに算出しています。
■調査サマリー 過去4年間(2018年から2021年)の企業の異業種人材の受け入れ推移 【全体】新型コロナをきっかけに減少した企業の異業種人材の受け入れは、景気の回復とともに上向き傾向に ・2018年から2019年にかけて増加した異業種からの受け入れは、新型コロナ感染拡大後の2020年に減少したものの2021年には14.3ポイント伸び、コロナ前の2018年の水準にまで回復 コロナ禍(2020年と2021年)での企業の異業種人材の受け入れ実態 【業種別①】異業種人材の受け入れ上昇率ランキング ・1位は「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」で約40%アップ -DX推進等におけるIT戦略コンサルニーズの高まりを背景に、課題解決力を持つ人材を異業種からも 積極採用 ・2位は「インターネット・広告・メディア」で約30%アップ -ビジネスのオンライン化が進む中で人員充足を目的に、異業種からの人材の受け入れを強化 【業種別②】外食では新規出店、旅行・宿泊では業態変革やホテルの新規開業を担う人材を異業種から積極採用 ・「外食」は、「インターネット・広告・メディア」からの採用を約4.6%アップ ・「旅行・宿泊・レジャー」は、「IT・通信」からの採用を約4.5%アップ ・「外食」、「旅行・宿泊・レジャー」は、「建設・プラント・不動産」からの採用をそれぞれ 約3.4%、約4.0%アップ -Webマーケティングや販促強化、外食店やホテルの新規出店・開業などに向け、異業種人材の 受け入れを強化 |
- 解説:【全体】企業の異業種人材の受け入れは回復傾向に
これには大きく分けて2つの理由があると考えられます。1つ目は、新型コロナの影響により多くの企業が業態変革を試みており、従来採用していなかった属性の人の採用も増やしているため、異業種から積極的に人材を受け入れているケース。例えば、実店舗での営業が当たり前だったアパレルは、EC事業を強化するべく、EC運営を担える人材を異業種から採用する動きが活発化しています。
2つ目は、新型コロナにより労働力不足に拍車がかかった特定の業種が、異業種から積極的に人材を受け入れているケース。例えば、コロナ禍でデータ活用やDX推進のニーズがこれまで以上に高まり、IT人材の獲得競争はますます激しくなっています。そこで企業は業種問わずIT人材を受け入れる、さらには未経験者も受け入れ教育していく方針に、徐々に変わりつつあります。
- 解説:【業種別①】異業種受け入れが最も伸びたのはコンサルティングで、約40%増
IT系の戦略コンサルタントの充足に向け、「課題解決力」を持つ人材を異業種からも積極採用
コロナ禍の2020年から2021年で、異業種からの人材の受け入れが最も伸びたのは「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」で、約40%増加しました。DX推進や業務等のデジタル化に伴うIT戦略コンサルティングのニーズが、これまでにない高まりを見せています。そのため、特にIT系コンサルタントの充足に向け、コンサルタントに求められる「課題解決力」を持つ人材を、経験業種問わず、異業種からも積極的に採用していると考えられます。
次に伸び率が高かったのは「インターネット・広告・メディア」で、約30%増加しました。ビジネスのオンライン化が進む中で、Webマーケティングや販促などのニーズが増しています。こうしたニーズの高まりを背景に、事業規模拡大に向けて、異業種からの受け入れを含む多様な人材の採用を行っていると考えられます。特に「IT・通信」の中でも、SIerに分類される企業で働くエンジニアはキャリアや年収アップを見込み、インターネット系企業へ転職することも多く、異業種受け入れの比率が高まったと考えられます。
コロナ禍で関心が高まったメディカル系の「医療品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス」は、異業種からの受け入れが約15%伸びました。各社2021年秋口より景気の回復、病院への訪問規制の緩和等を受け、これまで止めていた営業系の採用を一気に再開。その反動から同業種からの採用だけでは追い付かず、異業種からの受け入れも強化していると想定されます。
- 解説:【業種別②】外食、旅行は、コロナ禍での新たなビジネス展開やアフターコロナに向け、異業種人材を積極採用
新型コロナの影響を大きく受けた「外食」、「旅行・宿泊・レジャー」は、新しいビジネススタイルの導入や、新規事業への参入を余儀なくされました。それに伴い、異業種人材を積極的に採用しています。
「外食」は、「インターネット・広告・メディア」からの採用を約4.6%アップさせました。「外食」は、コロナ禍でサービスのオンライン化が進みました。それに伴い、Webマーケティングや販促ニーズが増加したことが背景にあるといえるでしょう。さらに、コロナ禍でも一定業績が安定していた大手外食チェーンの新規出店により、「建設・プラント・不動産」からの採用が約3.4%アップしました。大手外食チェーンは以前よりお持ち帰りやデリバリーを行っていたことから、コロナ禍での消費者の行動変容にも対応ができ、且つお家時間の増加に伴いフードデリバリー市場が急激に成長したため、新規出店を行う余力があったと考えられます。
「旅行・宿泊・レジャー」は、「IT・通信」からの採用を約4.5%アップさせました。旅行業界ではコロナ禍での行動自粛中、各社、オンラインツアーの展開等を進めていました。それに伴い、IT人材の採用に力を入れていたと想定されます。さらに、「建設・プラント・不動産」からの採用が約4.0%増加し、主に宿泊業の土地開発や設計などで人材ニーズが高まりました。この背景には、国内観光に少しずつ復活の光が見え始めたことや、今後の外国人観光客の受け入れ解禁など、中長期的な今後の商機を見据えてホテルの新規開業に踏み切っていることがあると考えられます。
<調査概要>
2020年1月~12月末と2021年1月~12月末までの間に、「doda」経由で異業種転職に成功したビジネスパーソン
■解説者プロフィール doda編集長 大浦 征也(おおうら せいや)
2002年、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。一貫して人材紹介事業に従事し、法人営業として企業の採用支援、人事コンサルティングなどを経験した後、キャリアアドバイザーに。担当領域は、メーカーやIT、メディカルやサービス業等多岐にわたり、これまでにキャリアカウンセリングや面接対策を行った転職希望者は10,000人を超える。
その後、複数事業の営業本部長、マーケティング領域の総責任者、事業部長などを歴任。2017年より約3年間、doda編集長を務め、2019年10月には執行役員に。2022年7月、doda編集長に再就任。転職市場における、個人と企業の最新動向に精通しており、アスリートのセカンドキャリアの構築にも自ら携わる。社外では、公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル(SHC) 理事、一般社団法人日本人材紹介事業協会 理事にも名を連ねる。
■転職サービス「doda」について< https://doda.jp/ >
「doda」は、「はたらく今日が、いい日に。」をスローガンに、転職サイトや転職エージェント、日本最大級のdoda転職フェアなど、各種コンテンツで転職希望者と求人企業の最適なマッチングを提供しています。
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