クラウドファンディング最新動向2025年6月:AI×生活改善のガジェットが多数登場、実用性とデザイン性の両立が支持を集める

ガジェットが約30%を占め、ゲーム・地域支援系プロジェクトで数千人規模の支援も

株式会社LEAGUE

株式会社LEAGUE(本社:東京都武蔵野市)が運営するクラウドファンディング専門メディア・CF NEWSは、2025年6月に紹介したクラウドファンディングプロジェクトの分析レポートを発表しました。

本レポートでは、各プロジェクトのジャンル、支援総額、支援者数、リターンの特徴などのデータを集計・分析し、6月における人気ジャンル、資金調達状況、成功プロジェクトの傾向を明らかにしています。

調査会社:株式会社LEAGUE

調査方法:CF NEWSの記事にて取り扱ったクラウドファンディングプロジェクトを集計・分析

調査期間:2025年6月1日 〜 2025年6月30日

調査結果サマリー

  • プロジェクト件数が多いジャンル:ガジェット系、美容・ファッション系

  • 平均支援総額が高いジャンル:ガジェット系、ゲーム系

  • 支援者数が高いジャンル:ガジェット系、社会貢献・地域支援系

ジャンル分析

AI×生活改善のガジェットが最多シェア

ジャンル別プロジェクト件数割合(2025年6月)

CF NEWSが2025年6月に紹介した全90件のプロジェクトを分析したところ、ガジェット・家電系プロジェクトが約3割を占め、最多となりました。

特にAIやIoTなど先端技術で日常生活の質を向上させる製品が高い支持を集めており、例えば翻訳や議事録作成に対応するTESS GIFT社のAIスマートマウス、会議中にリアルタイムで文字起こしや要約を行うことができるviaim AIイヤホン&レコーダー、150種類の言語を瞬時に通訳するWeimaimai Technology社のイヤホンといった「AI×生活改善」を軸としたガジェットが目立ちました。

美容・ファッション系(13%)、食品・飲料系(9%)アウトドア系(7%)、健康・フィットネス系(7%)など複数のジャンルがバランスよく登場し、プロジェクトの多様性が見られました。

また、日本発・伝統系、スポーツ系は各数件と割合は小さいものの、独自色の強いプロジェクトが展開されています。

夏の快適性ニーズが後押し|睡眠・冷却グッズの成功

6月の特徴として、夏に向けた快適性を追求するプロダクトが大きな支援を集めました。

寝苦しい夜を解消するための冷感寝具プロジェクトがその代表です。


例えば独自素材で“2秒で寝落ち”すると評された冷感シーツ「ヒツジのいらないシーツ®」は支援総額3,362万円・支援者2,900人超を集め、同シリーズの「ヒツジのいらない枕カバー®」も約2,243万円・2,200人超の支援を獲得しています。

さらに、電源不要で持ち運べるポータブル冷蔵庫「365FReeezDesign」は2,700万円の調達に成功するなど、暑さ対策・熱中症予防に役立つアウトドア用品も人気を博しました。

これらのプロジェクトはいずれも夏本番を前にしたニーズの高まりを捉え、猛暑でも快適に過ごすためのソリューションとして支持を集めたと言えます。気候変動による暑さの深刻化を背景に、睡眠の質向上や省エネ冷却グッズへの関心が一層高まっています。

エンターテインメント:熱心なファンが数千人規模の支援を動員

ゲームやアニメなどエンターテインメント系プロジェクトでは、熱心なファンコミュニティがクラウドファンディングを盛り上げました。

オンラインゲームの思い出を後世に残す「ミドガR」思い出アーカイブ化プロジェクトは、サービス終了を惜しむファンの支持により約5,700万円もの資金を集め、支援者数2,300人超の大型プロジェクトとなりました。

また、人気ホラーゲーム原作の「『殺戮の天使』10周年記念 “真田まこと展”を本気で開催したい!」プロジェクトも約4,500万円、2,400人以上の支援を獲得し、コンテンツ愛好者の熱意が資金調達を後押ししています。

これらのケースでは「思い出を残したい」「作品世界を体験したい」というファンの強い想いが支援原動力となり、エンタメ系クラウドファンディングの可能性を示しました。

地域・文化支援プロジェクトの台頭

一方で、社会貢献・地域支援系のプロジェクトも大きな注目を集めています。

6月には、伝統産業や地域を支える試みが数多く登場し、多数の支援者を獲得しました。

例えば、和歌山の梅農家を救う「【大凶作】歴史的ひょう被害。傷ついた梅を救済して、日本の梅を次世代に繋ぎたい。」プロジェクトでは、7,900人以上もの支援者が集まり、約3,800万円の資金調達に成功しています。

また、日本産ワイン用ブドウの苗木生産を支援する「日本ワインの未来を救え!世界基準の「ワイン苗木」原木園を設立へ」プロジェクトも約3,200万円を集めるなど、地場産業や伝統文化の継承を目的とした取り組みに対し幅広い共感が寄せられました。

さらに、老舗寿司店の新店舗立ち上げや地域の猫の保護活動支援など、地域密着型のプロジェクトも支援が拡大しています。

これらは支援単価こそ高額ではないものの、多くの人々から少しずつ資金を募ることで目標を達成しており、クラウドファンディングが地域コミュニティや伝統文化の応援手段として定着しつつあることを示しています。

支援金分析

支援金額はプロジェクトにより大きく差があります。

ジャンル別支援総額(2025年6月)

ジャンル別に総支援総額を比較すると、ガジェット系が平均約2.4億円と突出していました。次いでゲーム系、社会貢献・地域支援系が約1億円となりました。

平均するとプロジェクト1件あたり約940万円ですが、中央値は約500万円台となっており、1,000万円以下の中規模プロジェクトが多数派です。一方で1,000万円を超える大型調達案件も複数見られ、上位プロジェクトが全体平均を押し上げています。

この傾向は前回のプレスリリースと同様に、少数の大成功プロジェクトがある一方、概ねは数百万円規模に落ち着くという二極化が続いています。

ガジェット系では、ChatGPT連携の録音イヤホン「HiDock」が約4400万円、スマートタグ内蔵充電器「Boomtag Car Charger」が約2500万円などヒット作が平均値を押し上げています。

一方、支援額が比較的小さいジャンルも明らかになりました。スポーツ系は平均約170万円、食品・飲料系は平均約330万円、日本発・伝統系は平均約400万円、健康・フィットネス系も平均約460万円程度に留まっています。

これらのジャンルはプロジェクト規模が小さめかつニッチな需要に応えるものが多く、支援総額も抑えめとなる傾向です。ただし、こうした分野でも独自性の高いプロジェクトがしっかりと目標を達成しており、小規模でも着実な支援獲得がみられました。

支援者数分析

ジャンル別総支援者数(2025年6月)

支援者数は、商品単価やファン層の広がりによって大きく異なりますが、千人以上の支援者を集めるプロジェクトが複数登場したのが6月の特徴です。

支援金額、支援者数ともにガジェット系は最多となりました。次いで社会貢献・地域支援系、そしてその他ジャンルが続きました。

ガジェット分野全体の支援者数合計は2.3万人を超え、全ジャンル中圧倒的な支援者数となりました。

ゲーム系はプロジェクト数こそ少ないものの、1件あたりの平均支援者数が2,000人を超えており、その熱量の高さが際立ちます。

一方、支援者数が100人未満のプロジェクトも散見され、高額なプレミアム体験や一点物のリターンを扱うケースでは支援者が絞られる傾向があります。実際、13人の支援者で約170万円を集めた、屋形船にて高級鮨コースを提供する「僅か8席、極上なエクスクルージブ空間の屋形船。 銀座「鮨 むらやま」監修」のように、少人数でも単価の高いリターンで目標達成する例も見られました。

このように支援者数と支援額は必ずしも比例しないことがクラウドファンディングの特徴と言えます。

リターン(支援特典)の特徴と傾向

調査したプロジェクトでは、魅力的なリターン設計が支援を集める重要なポイントとなっています。6月も多くのプロジェクトで共通して見られたリターンの傾向は以下のとおりです。

早期割引・限定特典

多くのプロジェクトで早期支援者向けの割引価格や限定特典が設定されていました。

一般販売予定価格より20~30%程度安く提供する早期割引は定番となっており、ガジェットやファッション系プロジェクトでも「先着○名限定○割引」といったリターンが目立ちます。

こうした特典によりプロジェクト開始直後の支援が加速し、目標達成に向けた勢いを生み出しています。

体験型・参加型リターン

一部プロジェクトでは、通常の商品提供に加えて体験イベントや参加型のリターンが用意されていました。

伝統工芸や食品・酒類のプロジェクトでは、支援者限定の工房見学・ワークショップ、試食会・試飲会への招待、製品開発への意見募集、さらには支援者の名前刻印やエンドロール掲載といった特典も見受けられます。

また、ゲーム系プロジェクトでは制作への参加権やオリジナルグッズ制作といったリターンが用意され、支援者がプロジェクトに深く関わる仕組みが創出されています。

こうした体験型リターンは支援者に「自分もプロジェクトの一部になっている」という満足感を提供し、より強いコミュニティの形成につながっています。

ブランド・企業とのコラボ特典

ブランドコラボレーションによる限定リターンも注目されました。

他企業や有名ブランドと提携し、コラボ限定商品や特別サービスをリターンとして提供するケースです。

例えば、全国農業協同組合連合会(JA全農)と沖縄の老舗酒造がコラボした「JA全農×久米仙酒造|日本の食用米で造る沖縄発オールライスウイスキー」プロジェクトでは、クラファン限定の特別瓶や熟成体験イベントが用意され、話題を集めました。

また、睡眠領域のスタートアップと共同開発したアイテムや、著名デザイナーとのコラボバッグなど、企業・ブランドの信頼感と話題性を取り入れたリターン設計が支援の後押しにつながっています。

支援者にとってはここでしか手に入らないプレミア感があるため、ファン層の心を掴む有効な手法となっています。

セット購入割引・まとめ買い

ガジェット系プロジェクトを中心に、複数個セットでの割引販売も有効でした。2個セット以上のまとめ買いリターンを用意し、1個あたりの価格を下げることで支援のハードルを下げる手法です。

人気ガジェットでは5個セットを通常より大幅割引したプランが用意され、グループや家族での購入ニーズを取り込みました。

また、食品系でも定期便セットや食べ比べセットなどを割安で提供し、支援者のまとめ買い意欲を刺激しています。

こうしたセット割引はプロジェクトの客単価と支援総額の向上に寄与し、プロジェクト側・支援者側双方にメリットのある施策と言えます。

2025年6月の傾向と今後の展望

2025年6月は、AIを取り入れた“生活改善型ガジェット”が主流化しつつあり、プロジェクトの実用性とデザイン性(世界観やライフスタイル提案)双方に共感して支援する傾向が強まりました。

日々の課題をテクノロジーで解決する製品が多くの支持を集めており、今後もこの流れは続くとみられます。

特に、家事・健康・快適性といった領域で利便性と魅力的なデザインを両立したプロダクトが引き続き登場し、ユーザーの支持を得ていくでしょう。

また、エンタメや地域支援といった分野では熱量の高いファンやコミュニティがクラウドファンディングを成功に導くケースが増えており、7月以降もイベントやコンテンツの節目に合わせたファン参加型プロジェクトが活発化すると予想されます。

クラウドファンディングは単なる資金調達にとどまらず、共感と参加による新しいマーケティング手法として浸透してきており、企業・クリエイター側もこれを積極的に活用する動きが一層強まるでしょう。

来月以降も、季節需要にマッチした商品やテクノロジーの進化を取り入れたプロジェクト、そして地域・文化を支える試みから目が離せません。

クラウドファンディングの最新情報や成功事例について、さらに詳しく知りたい方は、クラファン専門メディア・CF NEWSをご覧ください。業界の最新動向や注目プロジェクトについて、常に最新の情報を提供しています。

会社名:株式会社LEAGUE

代表者:代表取締役 武智 翔太郎

本社所在地:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目8番4号 i-office吉祥寺

設立:2020年4月

事業内容:小売・卸事業、販売代行業、コンサルティング業

URL:https://league-jp.com/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


関連リンク
https://cfnews.jp/
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社LEAGUE

8フォロワー

RSS
URL
https://league-jp.com
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目8番4号 i-office吉祥寺
電話番号
050-5050-2391
代表者名
武智翔太郎
上場
未上場
資本金
50万円
設立
2020年04月