RAGとナレッジグラフ活用で暗黙知の形式化・技術伝承の加速へ ジヤトコ株式会社がRAG実用化サービス「SAT」を採用
ストックマーク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:林 達、以下:ストックマーク)が提供するRAG実用化サービス「Stockmark A Technology(以下:SAT)」が、ジヤトコ株式会社(本社:静岡県富士市、代表取締役社長:佐藤 朋由、以下:ジヤトコ)に採用されました。
「SAT」の機能を通して、ジヤトコが長年蓄積してきた膨大な設計ナレッジや技術文書といった知的資産の形式知化を推進します。これにより属人化しがちな暗黙知を全社で活用できる仕組みを構築し、開発プロセスの革新と円滑な技術伝承の実現を支援します。

導入の背景
「技術と情熱でモビリティの可能性を拡げる」をコーポレートパーパスに掲げ、トランスミッション技術で世界をリードしてきたジヤトコは、自動車産業における電動化時代の到来という大きな転換期を迎えています。
この変化を新たな成長機会と捉え、既存事業の深化と新しい事業領域の開拓に挑戦する中で、イノベーション技術開発部では、過去の技術資産や設計ノウハウといった属人化している暗黙知を、全社の誰もが活用可能な形式化されたナレッジへと転換する仕組みづくりが急務となっていました。
また、製品そのもののイノベーションだけでなく、仕事の進め方を変革する「プロセスイノベーション」を牽引することが、同社の重要な経営戦略の一環となっています。
生成AIの台頭により、ジヤトコでは既に生成AIとRAGを活用した「自動設計プラットフォーム」の構築に着手しておりましたが、既存の取組みだけでは、設計情報などの複雑な情報や、図表やグラフが多く用いられたドキュメントからの適切な回答を抽出することに課題を感じておられました。
これらの課題を解決するために、図・画像を含む複雑なデータや、形式の異なるデータを正確に構造化し、専門知識を含む言葉の意味や、概念同士の繋がりを結びつける独自ナレッジグラフを構築することが可能な「SAT」を採用頂きました。
導入の目的・課題・期待
【導入目的】
・長年蓄積された設計ナレッジや技術文書をAIで効果的に活用し、
開発プロセスの革新と円滑な技術伝承を実現するプラットフォームを構築。
・当社が保有する「構造化によるRAGの高精度化」や「ナレッジグラフ構築」技術により、
自社での検証では困難だった図表を多く含む複雑な設計文書からの高精度な情報抽出を実現。
・将来的な「自動設計プラットフォーム」構想の実現に向け、
その根幹となるナレッジデータベースを構築。
【従来の課題】
・設計ナレッジの多くが文書化されず、個人の経験や記憶に依存するなど、
属人化された情報となっていた。
・過去の資料を探しても必要な情報が見つからず、担当者を探してヒアリングするなど、
非効率なコミュニケーションが発生していた。
・経験豊富なベテラン層の定年退職を控え、
彼らが持つ暗黙知が失われることへの強い危機感があった。
・「システムズエンジニアリング」の導入によりドキュメントが体系化された一方、
情報量が膨大になり、人間が手動で情報を探し出すことが困難になっていた。
【導入による期待】
・従来のキーワード検索では見落としがちだった情報間の「関係性」を
ナレッジグラフで可視化・活用し、関連情報を網羅的に抽出することで開発の手戻りを削減。
・「故障現象」と「原因」といった因果関係を明確に捉えることで、故障分析を高度化し、
将来的な製品品質の向上に貢献。
・RAGの応答精度や判断根拠が可視化されることでブラックボックス性を解消し、
技術者が安心して利用できる信頼性の高いシステムを構築。
・ジヤトコが持つ製造業の知見と、当社が持つデジタルの知見を掛け合わせ、
新たなイノベーションを創出。
ジヤトコにおける「SAT」導入事例の詳細は下記よりご覧いただけます。
http://sat.stockmark.co.jp/cases/jatco/
ジヤトコ株式会社 コメント
常務執行役員 開発部門担当 田中 寛康 様
私たちの部署は、電動化時代におけるイノベーション創出というテーマに取り組んでいます。その実現には、過去の膨大な技術資産をいかに活用するかが鍵となります。特に、数年後に定年を迎えるベテラン層の知見という貴重な財産を失う前に、全社で共有できる形にしなければならないという強い危機感がありました。「SAT」は、この課題を解決し、私たちが目指す「プロセスイノベーション」と、将来的な「自動設計プラットフォーム」構想の実現に不可欠な技術だと確信しています。
イノベーション技術開発部 主管 中崎 勝啓 様
ジヤトコでは、以前からベクトル検索を用いたRAGの活用を試みていましたが、単語の類似度だけでは、図や表を多用する私たちの設計文書の複雑な文脈をAIに理解させることは困難でした。ストックマーク社の「ナレッジグラフ×RAG」というアプローチは、まさに私たちが求めていたものです。情報同士の因果関係を捉え、RAGのブラックボックス性を解消できる点に大きな可能性を感じています。製造業で培った私たちの強みとストックマークの技術、この化学反応によって新たなイノベーションを生み出していけることを楽しみにしています。
ストックマーク担当者 コメント
PaaS Division / Project Manager 片桐 大輝
ジヤトコ様と初めてお話をさせていただいた際に伺った、皆様の「技術伝承」に対する強い想いと危機感を今でも鮮明に覚えております。
特に、ご自身でRAGの検証を進められた上で、「単語の類似度を追うだけでは、図やグラフに込められた設計者の意図までは汲み取れない」という、非常に的確で本質的な課題をお持ちでした。そのお話をお伺いし、情報同士の関係性を構造化する『SAT』のナレッジグラフ技術が、必ずお役に立てる場面だと確信しました。
日本のものづくりを支えるジヤトコ様のパートナーとして、この重要なプロジェクトの第一歩に携われることを、心から嬉しく思います。現場の皆様が持つ貴重な財産を未来に繋ぐ架け橋となれるよう、全力でサポートさせていただきます。
「SAT」について

「SAT」は、企業の複雑なデータを即時に業務へ適応できるAIプラットフォームです。テキストだけでなく、画像・図表・概念図など複雑な構成のビジネスデータを多機能AI(マルチモーダルLLM)が抽出し構造化。
構造化データから、従来型AIの限界を打ち破る“プロフェッショナルな業務”を再現する「Agentic RAG」の実現が可能です。
・「SAT」公式サイト:https://sat.stockmark.co.jp/
「SAT」の特徴


特徴①:複雑な構成のデータを簡単かつ高精度に構造化
ビジネスシーンで頻繁に用いられている、図や表を含むあらゆる形式で構成された、複雑かつ膨大な量のドキュメントを、簡単にテキスト抽出し、検索可能なデータ形式に変換することができます。
特徴②:ナレッジグラフの自動生成
構造化されたデータベースから概念同士の関係性を理解したナレッジグラフを自動生成します。これにより組織固有の専門性が高い知識でも正しく検索・回答生成が可能になります。
特徴③:RAGシステムの検証や、継続的な改善が実現可能
構造化されたデータベース、自動生成されたナレッジグラフに対して、質問・回答の検証を実施できます。これにより組織のRAGシステム構築を加速し、対象のドキュメントが増加しても、簡単に構造化や検証が可能となり、RAGシステムの検証・改善継続的に実現します。
ストックマーク株式会社について
ストックマーク株式会社は「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用し、多くの企業の企業変革を支援しています。
製造業向けAIエージェント「Aconnect」及び、あらゆるデータを構造化し企業の資産に変える「SAT」を運営しています。さらに、企業特化生成AIの開発や、独自システムの構築も支援しています。
会社名 :ストックマーク株式会社
所在地 :東京都港区南青山一丁目12番3号 LIFORK MINAMI AOYAMA S209
設立 :2016年11月15日
代表者 :代表取締役CEO 林 達
事業内容:最先端の生成AI技術を活用した、
企業のナレッジマネジメント・生成AIの業務適用を支援するサービスの開発・運営
URL :https://stockmark.co.jp/
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