SSBJ対応、CFO主導はわずか12.7%対象企業等の約半数が開示開始時期も未定、「サステナビリティ2026問題」が浮き彫りに

Booost、CFOおよび実務責任者を対象に「SSBJ基準の開示対応に関する意識・実態調査」を実施

Booost株式会社

 大手企業で2年連続シェアNo.1*1の「サステナビリティERP*2」を提供し、非財務情報を財務インパクトとして可視化し、経営判断・資本市場対話に活かす企業価値経営*3を支援する、サステナビリティ×AIカンパニー Booost株式会社(東京都品川区、代表取締役:青井宏憲、以下 当社)は、「SSBJ基準の開示対応に関する意識・実態調査」の結果を公表いたします。本調査は、当社が企画に協力し、一般社団法人日本CFO協会が実施したものであり、SSBJ基準の適用対象企業、または今後対象となり得る企業のCFOおよび実務責任者(経理・財務、サステナビリティ、IR、経営企画部門等の責任者)110名を対象としました。

 本調査では、SSBJ基準への対応が上場企業にとって、重要課題として認識されつつある一方で、SSBJ基準についての理解や開始時期の具体化等、CFOライン(CFOを中心に、財務・経理、経営企画、IR、開示・内部統制などを担う部門・責任者)の推進体制整備が途上にある実態が明らかになりました。 

<調査サマリー>

・SSBJ基準の概要を把握していない層が約55%と過半数を占める。  

・SSBJ対応を重要課題と認識する企業は48.5%に達する一方、取締役会レベルで方針合意済みの企業は16.4%。

・CFOラインが主導している企業は12.7%にとどまり、サステナビリティ部門主導が30.9%で最多。

・実務上の最大論点は「データ収集」であり、グループ会社まで含めた開示体制が整備済みの企業はわずか6.7%。

・非財務KPIと財務影響を結び付ける定量モデルを構築済みの企業は20%未満。

■ 調査実施の背景

 SSBJ基準に基づくサステナビリティ情報開示は、2027年3月期から、まず時価総額3兆円以上のプライム上場企業を対象に義務化が開始され、その他の時価総額区分についても段階的な義務化が見込まれています。これにより、従来は任意開示として統合報告書やサステナビリティレポート等で開示されてきたサステナビリティ情報の多くが、有価証券報告書における法定開示の対象となります。


 また、有価証券報告書の株主総会前開示に向けた動きも進んでいます。金融庁は2025年3月、全上場会社に対して、投資家が株主総会前に有価証券報告書を確認できるよう配慮することを要請しており、株主総会の3週間以上前の提出が最も望ましいとしています。これにより、企業は、非財務情報やその財務的影響についても、より早期に算定・確定する体制が求められています。

<有価証券報告書開示 早期化イメージ>

  さらに、2026年7月21日に公開された、コーポレートガバナンス・コード(2026年改訂版)を踏まえ、サステナビリティ情報を形式的な開示にとどめず、中長期的な企業価値向上や資本市場との対話に資する情報として、経営・財務と接続して説明する重要性が高まっています。

 こうした背景を受け、当社は実質的な「開示元年」となる2026年現在において、SSBJ基準への対応状況や課題を可視化し、CFOラインに求められる役割や推進体制のあり方を明らかにすることを目的として、本調査を企画・提案いたしました。

調査概要

調査名   :「SSBJ基準の開示対応に関する意識・実態調査」

調査実施:一般社団法人日本CFO協会
企画協力:Booost株式会社

調査対象:SSBJ基準の適用対象となる、または今後対象となり得る企業の
               CFO/経理・財務部門・サステナビリティ/IR/経営企画部門等の責任者

回答数   :有効回答110名

調査期間:2026年3月16日~4月10日

調査方法 :Web アンケート

調査結果

1. SSBJ基準の概要を把握していない層が54.5%、CFOラインにおける「重要性」判断にも大きなばらつき

  SSBJ基準への対応に関する理解度は、明確な二極化が見られました(図表2を参照)。「要求事項を説明できる」レベルで十分に理解している層は10.6%にとどまり、「概ね理解している(概要を把握)」が34.8%と合わせても全体の45.4%にすぎません。他方、「一部のみ理解」が27.3%、「ほとんど理解していない」が13.6%、「分からない/回答できない」13.6%を合計すると、概要把握に至っていない層が54.5%と過半を占めます。基準が最終化してから時間が経過したいまも、実務責任者のリテラシーには相応の温度差がみられます。

  また、CFOラインにおけるSSBJ対応の位置づけについては、「財務報告と同等に重要(経営の最重要事項の一つ)」が18.2%と「重要(企業価値・資本市場対応の観点で優先度が高い)」が30.3%を合計し、合計48.5%が高い優先度に位置付けています。(図表3を参照)。一方で「中程度(他テーマとのバランスで進める)」が25.8%、「低い(当面は最小対応でよい)」が13.6%、「重要性を判断できない(情報不足)」が12.1%で、これらを合計すると、SSBJ対応を明確に「重要」と位置づけきれない層が半数を超えます。

 【示唆】SSBJ対応は、制度理解や重要性認識の段階から企業間で差が生じており、今後はサステナビリティ部門だけでなく、経営・財務部門も含めた共通認識の形成が求められます。

 

2.SSBJ対応について、取締役会レベルでの方針議論は16.4%、CFO主導はわずか1割

 SSBJ対応方針に関する取締役会・経営層での議論状況を見ると、「取締役会レベルで方針合意済み」と回答した企業が16.4%、経営会議レベルで協議・検討中と回答した企業も16.4%にとどまりました(図表4)。一方で、「実務レベルで検討中」が36.4%、「まだ具体的な協議は行っていない」が30.9%を占めており、多くの企業で実務検討が先行する一方、経営レベルでの意思決定や方針整理は発展途上であることがうかがえます。

 また、SSBJ対応の中心的な役割を担う部門については、「サステナビリティ部門」が30.9%で最多となり、「現時点では未整理」と回答した企業も12.7%存在します(図表5)。さらに、本来主導すべきCFOラインの関与状況は「CFOが責任部門でない」というケースが87.3%を占め、財務情報との接続や企業価値への影響説明が求められる中、CFOラインの関与のあり方は今後の重要な論点の一つになると考えられます。

【示唆】SSBJ対応を実務部門のみで進めるのではなく、CFOラインや経営層が早期に関与し、責任体制や意思決定プロセスを明確にすることが、開示品質の向上において重要となります。

3. 約50%がSSBJ開示の開始時期を確定できていない実態、最大の課題はデータ収集

 有価証券報告書でのSSBJ開示開始時期については、「2026年発行(自主開示を含む)」が10.9%、「2027年発行」が14.5%、「2028年発行」は10.9%、「2029年以降発行」が14.5%となりました。一方で、「未定」が23.6%、「分からない/該当なし」が25.5%となり、合計して49.1%を占めました(図表6)。SSBJ適用対象となる企業においても、CFOが自社の開示初年度を具体的に確定できておらず、対応方針やスケジュールの具体化が今後の課題であることがうかがえます。


 また、直近3か月の重点的な取り組み(複数回答)については、「データ収集範囲・定義の確定」が42.2%で最も多く、「開示項目のギャップ分析」が37.8%、「社内役割分担の整理」が37.8%で続きました。一方で、「特に具体的な進展はない」と回答した企業も24.4%存在しており、SSBJ対応の進捗状況には企業間で差が生じていることが分かります。

 さらに、SSBJ対応において最も負荷が大きい領域として挙げられたのは、「データ収集(グループ会社・サプライチェーン等)」で40.0%と他項目を上回りました(図表8)。続いて、「リスク・機会の定量化(将来影響の見積り)」が33.3%、「データ品質・内部統制(証跡、監査・保証対応)」が31.1%、「基準解釈・KPI定義(他基準との整理を含む)」が28.9%、「人的リソース不足(専門性・工数)」が26.7%となっています。

 自由記述では、グループ会社や海外拠点を含むデータ収集体制の構築や、Scope3データの取得・品質管理、非財務情報に関する内部統制の整備、さらには将来的な保証対応に関する不確実性を課題として挙げる声が多く見られました。特に、グループ全体でのデータ品質の担保や保証実務への対応に対して懸念を抱く企業が多く、SSBJ基準への対応においては、単なる開示準備にとどまらず、全社的なデータガバナンス体制の構築が求められていることがうかがえます。

【示唆】開示開始時期やデータ収集体制の整備が途上にある企業も多く、今後は保証対応や内部統制も見据えたデータ収集・管理体制の構築が求められます。

4. 非財務情報と企業価値の接続は未成熟、定量モデル構築済みは2割未満

 SSBJ対応による開示が企業価値(資本コスト、株価評価、ステークホルダーからの信頼等)に与える影響については、見解が分かれる結果となりました(図表9)。「短期(1年以内)にも影響する」が6.7%、「中長期(1~3年)で影響する」が20.0%、「長期(3年以上)で影響する」が20.0%となり、合計46.7%が企業価値への影響を見込んでいます。一方で、「現時点では判断できない」が28.9%と最も多く、「影響は限定的だと思う」が15.6%、「分からない/該当なし」が8.9%となり、合計53.4%が影響を見極められていない、あるいは限定的と捉えていることが分かりました。

    
 また、非財務KPIと財務影響を結び付ける取り組みについては、「全社レベルで定量モデルを構築済み」と回答した企業は6.7%、「主要テーマについて定量化している」が13.3%、「一部テーマで試行している」が17.8%にとどまりました。一方で、「定性的な説明に留まっている」は35.6%となっており、多くの企業が財務影響の定量的な説明に向けた取り組みの途上にあることが分かります。また、「今後3年以内に非財務KPIの財務的影響を説明できる状態を目指す必要がある」との認識については、「必須」が13.3%、「必要性は高い」が22.2%となり、合計35.5%がその必要性を認識していました。重要性を理解しながらも、具体的な実装が十分に進んでいない状況がうかがえます。

 非財務KPIと財務影響を結び付ける上での課題について尋ねたところ、「因果関係の仮説設計(何が財務に効くか)」が37.8%で最多となりました(図表10)。続いて、「財務影響モデル化指標の接続(KPI→PL/BS/CFへの落とし込み)」「将来シナリオの設定(前提、外部データ)」「社内の合意形成(部門間、経営層)」「開示ストーリー(投資家に伝わる説明)」がそれぞれ28.9%で並びました。

 一方で、「データ不足」は22.2%、「データ品質」は15.6%にとどまっており、単なるデータ収集や整備だけでなく、サステナビリティ課題と企業価値との関係性をどのように説明するかというロジック設計やストーリー構築に、多くの企業が課題を感じていることが明らかになりました。

 【示唆】非財務情報を単に開示するだけでなく、財務影響や企業価値との関係性を説明し、経営判断や資本市場との対話に活用できる状態へと高めていくことが重要となります。

■ Booost株式会社 代表取締役CEO 青井 宏憲からのコメント

 今回の調査で明らかになったのは、SSBJ対応の課題が、基準に沿った開示対応にとどまらないということです。より本質的な課題は、サステナビリティ情報を誰が責任を持って管理し、企業価値向上に活用していくのかが、まだ十分に定まっていない点にあります。

 有価証券報告書の株主総会前開示や、コーポレートガバナンス・コード改訂の議論も進む中、企業には、サステナビリティ情報をより早期に、かつ企業価値との関係性を説明できる形で整備することが求められます。だからこそ、SSBJ対応はサステナビリティ部門だけで完結するものではなく、「CFOラインが主導し、経営層を巻き込んで全社的に推進すべき重要な経営課題」だと考えています。

 Booostはこれまで提唱してきた「サステナビリティ2026問題」の解決に向け、企業の開示対応と、データ活用を通じたSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の実現をより一層支援してまいります。

■ 本調査資料に関するお問い合わせ先

本調査の完全版をご希望の方は、以下のフォームよりお問い合わせください。
お問い合わせの詳細の欄に、「CFOアンケート調査希望」とご入力ください。

※SSBJ基準への対応やbooost Sustainabilityに関するご相談も、同フォームより受け付けています。


サステナビリティ2026問題の解決を目指す「日本をSX先進国へ」プロジェクト

 現在、多くの企業がサステナビリティ関連財務情報の開示義務化にあたり、着手遅れや危機感の不足から、このままでは企業価値の低下につながってしまう懸念のある状態である「サステナビリティ2026問題」に直面しています。この問題を乗り越え、日本企業のSX推進や企業価値向上を通じたグローバルでのプレゼンス向上を目指すために、当社は2024年11月に「日本をSX先進国へ」プロジェクトを立ち上げました。

 本プロジェクトでは、現場の実務担当者と経営層(エグゼクティブ)それぞれに向けたイベントや支援施策を並行して展開しています。
「日本をSX先進国へ」プロジェクトサイト(賛同企業募集中)

Booost株式会社について

 Booost株式会社は、非財務情報を財務的影響として可視化し、経営判断・資本配分・資本市場対話に活かす「企業価値経営」*3の実装を支援するサステナビリティ×AIカンパニーです。当社は「Sustainability drives Scalability.」を掲げ、サステナビリティを企業の新しい成長原動力と位置づけ、非財務情報を企業価値向上に直結する経営資本へ変えていくことを目指しています。

SSBJ基準に基づく有価証券報告書での非財務情報の開示義務化等を背景に、投資家・規制当局からの期待が高まるなか、サステナビリティを経営の中核に据え、企業価値へ直結させることが不可欠になっています。一方で、多くの企業では、関係部門が多岐にわたり調整が進まない、開示要件を経営戦略や財務戦略とどう結びつけるかが不明確であるなど、サステナビリティ対応を経営判断に接続するうえでの課題に直面しています。 

 また、規制上の経過措置を最大限利用した“ミニマム開示”にとどまった場合、投資家からの評価は限定的となり、企業価値に大きな差が生じる可能性があります(サステナビリティ2026問題*4)。当社では、時価総額1兆円企業を想定した試算として、ミニマム開示とIFRS ISSBに準拠したフル開示では、時価総額に最大1,300億円規模の差が生じる可能性を示しています。

 こうした課題を解決するため、2年連続シェアNo.1*1のサステナビリティERP*2「booost Sustainability」を中核に、非財務情報を財務インパクトやリスク・機会として可視化し、経営判断・資本配分・資本市場対話に活用するための基盤を構築し、企業価値経営を支援しています。これにより、サステナビリティ情報は「開示する情報」から、財務インパクトを伴う経営資本へと進化し、CFO、経営会議、取締役会、IRが企業価値向上のために活用できる情報基盤となります。

 Booostは、サステナビリティとAIの力で日本企業の企業価値経営を後押しし、国際競争力の強化と社会の持続的成長に貢献していきます。


<会社概要>

会社名: Booost株式会社

所在地: 東京都品川区大崎一丁目6 番4 号新大崎勧業ビルディング10階

設  立: 2015年4月15日

代表者: 代表取締役 青井 宏憲

資本金: 25億円(資本剰余金含む)/2026年3月末時点

事業内容: ・「booost Sustainability」の開発運営
              ・サステナビリティコンサルティングサービスの提供

コーポレートサイト:https://booost.inc/

booost及びBOOOSTは、Booost株式会社の登録商標です。

 

*1出典: ITR「ITR Market View:予算・経費・サブスクリプション管理市場2026」サステナビリティ情報管理ツール市場-年商5,000億円以上:ベンダー別売上金額シェア(2024年度・2025年度予測)

 

*2 サステナビリティERP「booost Sustainability」は、自社およびサプライヤーのサステナビリティ関連財務情報を管理する“統合型SXプラットフォーム”です。国際開示基準に準拠した環境、社会、ガバナンス等の1,200以上のデータポイントに対応したサステナビリティ関連情報の収集、集計を自動化し、リアルタイムでのモニタリングを可能にします。グローバルに対応したデータガバナンス機能を搭載しており、グループやサプライチェーンを含む組織において多階層の承認フローの実装が可能であるほか、第三者保証等にも対応すべく設計したプラットフォームであり、サステナビリティ関連情報の開示に向けて発生する各業務を効率化・最適化する機能をフェーズ毎に包括的に提供しています。提供開始以降、計95カ国以上、約6,500社197,000拠点以上(2025年12月時点)に導入されています。

 

*3 企業価値経営:社会の持続可能性と企業の持続的成長を同期化させるサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の考え方を前提に、サステナビリティ情報・分析データを「経営資本」として扱い、財務インパクトやリスク・機会として可視化し、経営判断・資本配分・資本市場対話に活用することで、企業価値向上につなげる経営のあり方を指します。なお、本リリースでは、サステナビリティ対応を“開示業務”にとどめず、企業価値向上に直結する“経営変革”として捉える観点から、「企業価値経営」という表現を用いています。

 

*4 「サステナビリティ2026問題」とは

サステナビリティ情報の開示義務化にあたって、多くの企業で着手が遅れており、その危機感も不足しているため、このままでは企業価値の低下につながってしまう懸念がある状況のことです。当社では2026年までにサステナビリティデータを経営へ利活用できる体制を構築することの重要性を提唱しています。

(日本をSX先進国へプロジェクト:https://booost-tech.com/2026sx

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情報通信
本社所在地
東京都品川区大崎1-6-4 新大崎勧業ビルディング10F
電話番号
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代表者名
青井宏憲
上場
未上場
資本金
25億円
設立
2015年04月