【攻めのDX実態調査2025】変革進行も内製化にジレンマ、人材不足・認識ギャップ・実行の課題が鮮明に。経営と現場でビジョン浸透達成度20pt差。内製が多い企業のDX達成度は外部委託が多い企業に比べ低迷
攻めのDXに関与する大手企業の経営・管理職を対象に、重視度・達成度や、戦略・企画・実行の工程別課題、内製化・外部委託の実態などを調査

DX現場支援で顧客と共に社会変革をリードする株式会社メンバーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙野 明彦、東証プライム:2130、以下「メンバーズ」)は、ビジネス変革や新規事業開発など「攻めのDX」に関与する大手企業の経営・管理職301名を対象に、【攻めのDX実態調査2025】を実施しました。
※【攻めのDX実態調査2025】レポート詳細はこちら
(https://www.members.co.jp/download/148-dx-survey)
主な調査結果
①「ビジネスモデルの変革・新規事業(45.8%)」など攻めのDXが進行中
②90%超の企業で戦略・企画・実行工程の全てにおいてDX人材が不足。特に実行工程は「大幅に不足」が46.2%と他工程より深刻
③DX推進の際に重視する点について、経営層は「ビジョンと技術」、部長層は「人材リソース」、課長・主任層は現場主体でのDX推進に重要な「継続的な変化やプロジェクト推進」となっており、役職別の認識の違いが顕著
④「ビジョン」「経営コミットメント」「人材育成」について、現場である課長・主任層の達成度認識が低く、経営・部長層と認識にギャップが生じている。特にビジョンの浸透は、経営・部長層(約73%)と課長・主任層(50.9%)の間で20pt以上の差
⑤戦略・企画工程では、「内製が多い」が50%近くに達する。一方の実行工程では、他工程より外部委託割合が高い
⑥内製が多い企業のDXの達成度は、「人材育成(28.3%)」や「プロジェクト推進(36.3%)」など外部委託が多い企業に比べ相対的に低い
⑦外部委託先への満足度は、ほとんどの項目が4割に満たず全体的に低い。最も低いのは「費用対効果(24.9%)」
⑧外部委託先への不満足度上位の「知見・ノウハウ蓄積(24.6%)」、「組織連携・変革支援(24.5%)」から、内製体制構築への貢献に対する期待がうかがえる
詳細
①「ビジネスモデルの変革・新規事業(45.8%)」など攻めのDXが進行中
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「プロセス改善(67.4%)」、「ビジネスモデルの変革・新規事業(45.8%)」に関与している人が多い。

②90%超の企業で戦略・企画・実行工程の全てにおいてDX人材が不足。特に実行工程は「大幅に不足」が46.2%と他工程より深刻
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全工程において、「大幅に不足している」「やや不足している」が90%を超える。
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実行工程では「大幅に不足している」が46.2%と他工程より割合が多い。

③DX推進の際に重視する点について、経営層は「ビジョンと技術」、部長層は「人材リソース」、課長・主任層は現場主体でのDX推進に重要な「継続的な変化やプロジェクト推進」となっており、役職別の認識の違いが顕著
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経営層は「明確なビジョン・目標と共通認識(64.2%)」、「経営層のコミットメント(59.7%)」の重視度が高く、「自社データの効果的な活用(46.3%)」や「AIやクラウドなど最新技術の活用(41.8%)」といった技術的な面も他役職層に比べて高い。
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部長層は、「専門スキルを持った人材育成と採用(48.4%)」への重視度のみが他役職より高く、全項目の中で最も高い(ビジョン・共通認識と同率)。全体的に他の役職者よりも人材育成以外の重視度の低さが目立ち、ギャップが大きい。
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実行工程への関与が高い課長・主任層は、「継続的な変化・改善(49.1%)」や「迅速で柔軟なプロジェクト推進・アジャイル開発(38.2%)」など現場が主体となってボトムアップ型でDXを推進する際に重要な項目の重視度が他役職より高い。

④「ビジョン」「経営コミットメント」「人材育成」について、現場である課長・主任層の達成度認識が低く、経営・部長層と認識にギャップが生じている。特にビジョンの浸透は、経営・部長層(約73%)と課長・主任層(50.9%)の間で20pt以上の差
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重視度が最も高い「明確なビジョン・目標と共通認識」の達成度は経営層・部長層で約73%に対し、課長・主任層は50.9%と20pt以上の大きな差がある。また「経営層のコミットメント」も達成度は上位であるが、実行工程を担う層にかけて低下する(経営層82.1%、部長層75.8%、課長・主任層60%)。経営・部長層と現場層で認識ギャップが顕著。
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経営層と部長層は達成度の認識の傾向が比較的近いが、総じて部長層の方が達成度の認識が高く、評価にギャップが生じている。

⑤戦略・企画工程では、「内製が多い」が50%近くに達する。一方の実行工程では、他工程より外部委託割合が高い
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戦略・企画工程では「内製が多い」が5割近く(49.5%/46.8%)で、「外部委託が多い」は4分の1程度にとどまり(26.3%/23.3%)、内製体制の構築が進んでいる。
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実行工程においては「内製が多い(34.5%)」、「外部委託が多い(34.6%)」がほぼ同数で、他工程よりも外部委託割合が高くなっている。

⑥内製が多い企業のDXの達成度は、「人材育成(達成度28.3%)」や「プロジェクト推進(36.3%)」など外部委託が多い企業に比べ相対的に低い
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内製が多い層は、外部委託が多い層より達成度が低い。特に「専門スキルを持った人材育成と採用(28.3%)」の達成度が低い。
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また「迅速で柔軟なプロジェクト推進、アジャイル開発(▲18.8pt)」、「顧客中心の思考・設計(▲18.3pt)」、「AIやクラウドなど最新技術の活用(▲13.3pt)」といった実行工程に関する項目で達成に遅れが生じている。

⑦外部委託先への満足度は、ほとんどの項目が4割に満たず全体的に低い。最も低いのは「費用対効果(24.9%)」
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最上位の「常駐」以外は、やや満足を含めてもいずれも4割に満たない。また5段階において最も高い「満足」は、いずれの項目でも10%に満たない。
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DXにおいて重視度が高い「費用対効果」の満足度は24.9%と最も低く、不満足度(不満+やや不満)も30.3%と全項目の中で最も高い。
⑧外部委託先への不満足度上位の「知見・ノウハウ蓄積(24.6%)」、「組織連携・変革支援(24.5%)」から、内製体制構築への貢献に対する期待がうかがえる
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費用対効果以外で不満度が高い項目は、「自社内の知見・ノウハウの蓄積への支援(24.6%)」、「自社内の組織連携・変革に対する支援(24.5%)」。内製体制への貢献も求められていることがうかがえる。

提言
DX人材の不足が深刻な中、多くの企業においてDXの軸足がビジネスモデル変革や新規事業といった攻めの領域へ移行しつつあることが明らかになりました。一方で、DX推進における重視点や達成度についての役職間の認識ギャップや、外部委託が多い企業と比較し内製が多い企業ではDXの達成度が低いといった課題も浮き彫りとなりました。
今後さらに攻めのDXによる事業成長を加速させていくためには、内製体制の充実を図りつつ、その内製体制と一体となり中長期的に伴走支援する外部委託先との共創を模索していくことが重要となるでしょう。
問い合わせ先
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株式会社メンバーズ 広報・ブランディング室:
調査概要
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調査方法:アンケート調査
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調査対象:従業員数1,000人以上の大手企業において、攻めのDX推進に関与している経営者・役員、管理者層(本部長・部長、課長・主任/係長)
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サンプル数:301名
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配信期間:2025年3月10日(月)~3月13日(木)
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調査:株式会社メンバーズ
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分析・レポート作成:株式会社メンバーズ ポップインサイトカンパニー
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主な定義・前提
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DXの定義
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攻めのDX:データやデジタル技術を用いた、新規事業開発・ビジネス変革・CX(顧客体験)向上・大規模生産性向上などの取り組み
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守りのDX:データやデジタル技術を用いた、システム開発・コスト削減などの取り組み
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工程
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戦略工程(現状分析、ビジョン策定、ロードマップ策定)
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企画工程(要件定義、ソリューション選定、アイデア創出、PoC(概念実証)、実行計画策定)
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実行工程(開発・実装、導入・展開、継続的改善・グロース)
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属性
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経営層(経営者・役員クラスを選択した人)
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部長層(本部長クラス・部長クラスを選択した人)
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課長・主任層(課長クラス・主任/係長クラスを選択した人)
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メンバーズについて
メンバーズは、デジタル人材の伴走による企業へのDX現場支援事業を展開しています。企業のDXプロジェクトを成功に導くため、Web制作/UIUX、デジタルマーケティング、デジタルサービス開発、データ活用支援、脱炭素DXの事業領域において、高い専門スキルを持つデジタル人材が取引先企業のチームの一員として、上位戦略を理解し実行に落とし込みながら、現場での内製によるDX推進を伴走支援することが特徴です。企業のDX推進を一気通貫で伴走支援することで、取引先企業のDX投資のROI最大化に貢献します。
また、メンバーズではグループミッション「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」とVISION2030(2030年の目指す姿)「日本中のクリエイターの力で、気候変動・人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする」の下、 CSV(Creating Shared Value、共通価値創造)経営を実践しています。企業活動を通して社会課題の解決に貢献することを目指し、CSV経営を世の中に広めるとともに、メンバーズ自身が率先して実践するためさまざまな取り組みを実行しています。1995年設立。2025年6月に設立30周年。東証プライム上場。
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社名:株式会社メンバーズ
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所在地:東京都中央区晴海1丁目8番10号 晴海アイランドトリトンスクエアオフィスタワーX 37階(受付35階)
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代表者:代表取締役社長 髙野 明彦
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資本金:1,057百万円(2024年12月末時点)
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Webサイト:https://www.members.co.jp/
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SNS
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