専門性の高い“暗黙知”を形式知化する生成AI基盤開発へ 製造業特化のマルチモーダルAI基盤を開発
~国内の生成AI開発力強化プロジェクト「GENIAC」の第3期に採択~
ストックマーク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:林 達、以下:ストックマーク)は、経済産業省およびNEDOが実施する国内の生成AIの開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC」の第3期に採択されました。
この度の採択を受け、ビジネスシーンにおいて各所に点在する「暗黙知」の抽出・形式知化を実現する『“暗黙知”を抽出する業界特化のドキュメント読解基盤モデル』の開発を実施いたします。

事業概要
本開発事業では、日本の基幹産業である製造業に特化したマルチモーダルAI基盤の開発を行います。当社はこれまで、ビジネスシーンで活用される図表やレイアウト構造を含む創造性の高いドキュメントの読解のためのマルチモーダル基盤モデルの開発を行なってきました。本事業では、これらをさらに発展させ、製造業特有の表現や仕様などの特徴を持つ複雑なドキュメントの読解が可能な基盤モデルの開発を目指します。
製造業では、実験・研究レポート/設計資料/製品マニュアル/仕様書/業務フロー図といった、業界特有の複雑なドキュメントが日常的に用いられており、このような専門性の高いドキュメントを読解可能なマルチモーダルAI基盤の開発することで、業務の効率化やナレッジの有効活用が期待されます。
なお、製造業に特化することで「製造業固有の常識や知識」「独自の作法や背景/文脈」「思考プロセス/勘所など習熟度に依存した属人的な知識」など、ビジネスシーンにおいて各所に点在する「暗黙知」の抽出・形式知化を目指します。
当社では、基盤モデルの開発ノウハウに加え、製造業を中心としたエンタープライズ企業300社からのフィードバックを得て、8年間蓄積してきたビジネスデータと、構造化技術を活用することにより、ビジネス現場でも信頼できる基盤モデルを開発してまいります。なお、本事業の開発期間は、約6か月間を想定しております。
※GENIAC採択結果公表ページ:https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100397.html
開発研究の背景
生成AI時代の今、企業におけるドキュメントワークの効率化・高度化を目的とした、生成AIの活用ニーズは急速に高まっています。
そのような中、ビジネスで扱われる多くの文書には、テキストだけでなく複雑な図表やレイアウト構造が含まれており、LLMなどの従来のテキスト処理技術では正確な理解や活用が困難でした。
近年では、マルチモーダル生成AIが発展してきており、ドキュメントからの質問応答や要約といったタスクでは実用的な精度を実現しつつあり、実際に一部の企業では社会実装も始まっております。
マルチモーダル生成AIにより、今後、ドキュメントの高度な理解と柔軟な活用が可能となり、企業のドキュメントワークの生産性向上や新たな価値創出の加速が期待されています。
その一方で、現在主流となっているマルチモーダル生成AIの多くは、一般的な画像や文書を対象とした汎用型の設計であり、特定業界に多く点在する業界特有の文書や、人が見ても情報の把握に時間がかかる情報密度の高い業務文書に対しては、性能に限界があります。
加えて、製造業では明確に整理されていない経験や知見である「暗黙知」の継承や活用が課題の一つになっています。
本事業では、「暗黙知」をはじめとした、汎用型の設計では解決が困難な課題を解決するため、製造業のドキュメント理解に特化した、マルチモーダルAI基盤モデルの開発を行うことで、製造業における複雑な業務文書の理解・活用を可能にし、将来的には社内ドキュメントからの「暗黙知」の抽出を目指した生成AI基盤技術の構築を目指します。
また、本事業における開発を通して、様々な業界に特化した基盤モデル構築のノウハウを確立することも目指します。
当社の生成AI社会実装に関する実績
ストックマークは、AI領域のリーディングカンパニーとして、7年間独自に収集したビジネスデータ基盤、国内最大級の独自LLM開発を用いた生成AI基盤、日経225の3割が導入するプロダクト基盤の3つの基盤を軸に、ビジネス領域における生成AIの社会実装を支援しております。
生成AI基盤開発においては、公開当時の国産モデルでは最高性能を誇る日本語特化LLM「Stockmark-2-100B-Instruct-beta」の開発や、GPT-4oを上回るドキュメント読解性能を持つ世界最高水準のマルチモーダル基盤モデル「Stockmark-2-VL-100B」を開発し、公開しております。
生成AI基盤を作り、プロダクト活用までを完結させているからこそ持ちうるノウハウや、顧客とのPoCを通じて得た社会実装ノウハウをもって、当共同研究を行ってまいります。
【参考】
パナソニックHDとストックマーク、
国内最大規模(1000億パラメータ)の独自日本語LLM「Panasonic-LLM-100b」開発で協業
URL:https://stockmark.co.jp/news/20240702
保有技術と社会課題のマッチングで生成AIによる有望な新製品案が10件以上
日本ガイシ株式会社による生成AIを活用した用途探索の中間報告
URL:https://stockmark.co.jp/news/20250521
取締役CTO 有馬 幸介のコメント

この度の採択を受け、日本の基幹産業である製造業の発展に貢献できることを大変嬉しく思います。
国内の多くの製造業では、人手不足が深刻化する中、熟練技術者の知見といった「暗黙知」の継承が喫緊の課題となっています。
我々が開発する製造業特化のマルチモーダルAIは、図表や専門図面を含む多様なドキュメントを深く理解し、この課題解決の鍵となります。
本プロジェクトを通じて、日本の製造業が持つ貴重な知識資産を次世代に繋ぎ、新たな価値創造を加速させることで、国際競争力の強化に貢献してまいります。
ストックマーク株式会社について
ストックマーク株式会社は「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用し、多くの企業の企業変革を支援しています。
製造業向けAIエージェント「Aconnect」及び、あらゆるデータを構造化し企業の資産に変える「SAT(Stockmark A Technology)」を運営しています。さらに、企業特化生成AIの開発や、独自システムの構築も支援しています。
会社名 :ストックマーク株式会社
所在地 :東京都港区南青山一丁目12番3号 LIFORK MINAMI AOYAMA S209
設立 :2016年11月15日
代表者 :代表取締役CEO 林 達
事業内容:最先端の生成AI技術を活用した、
企業のナレッジマネジメント・生成AIの業務適用を支援するサービスの開発・運営
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