東京都美術館 新館長の就任について

2021年10月1日より、東京都美術館館長として高橋明也氏(前三菱一号館美術館館長)が就任することとなりました。
国立西洋美術館主任研究官、学芸課長を経て、三菱一号館美術館の初代館長を務めるなど、美術に関する知識はもとより、美術館について豊かな経験と見識を有し、芸術文化活動に多大な貢献をしてこられた高橋明也氏。東京都美術館は、高橋新館長とともに、これからも「アートへの入口」として、人びとの「心のゆたかさの拠り所」となることを目指してまいります。

東京都美術館 新館長 高橋明也東京都美術館 新館長 高橋明也

高橋明也氏メッセージ ~東京都美術館館長就任にあたって~

思えば1972年の春、隣接する東京藝術大学に入学して以来、私と上野の森との関係はほぼ半世紀近くになります。1980年からは同じ公園内の国立西洋美術館に奉職し、そこで26年余りを過ごしたこともあり、東京都美術館は日々目にする大変身近な存在でした。記憶の中にある岡田信一郎設計の旧館、さらに1975年に開館した前川國男の手になる新館のいずれの建物も美しく非常に印象的でしたし、当時の同世代の学芸員の方々とも親しく接することができました。また、所蔵作品を基にした意欲的な企画展の数々や他にあまり例を見ない充実した美術館図書室などにも刺激を受けました。1996年には、日本初の大規模なオルセー美術館所蔵品展の第一弾「モデルニテ―パリ・近代の誕生 オルセー美術館展」が東京都美術館で催され、その日本側監修に携わったのも、今考えれば何かのご縁だったかもしれません。

またこれまで私自身、西洋美術館本館(ル・コルビュジエ設計)や、昨年まで14年間を過ごした丸の内・三菱一号館美術館の煉瓦造りの建物(ジョサイア・コンドル設計)、そして文部省在外研修員として2年近くを送ったオルセー美術館準備室の建物(ヴィクトル・ラルー設計、ガエ・アウレンティ改修)など、素晴らしい建築空間の中で仕事に従事してきました。その意味ではこの度、東京都美術館の魅力的な建築と共に新たな未来と対峙できるのはまことに幸甚です。

佐藤慶太郎という、先見性をもった実業家の寄付により創建された東京都美術館は、わが国最初の公立美術館という輝かしい歴史を有し、間もなく2026年をもって開館100周年を迎えます。佐藤が掲げた「公私一如」の社会貢献の精神をこれからも途絶えることなく持ち続けながら、このコロナ禍後の新しい時代に即応した美術館を作っていくことが、我々に課せられた使命でしょう。しかし、それが今後具体的にどのような形をとっていくにせよ、常に時代と共にあって前進すると同時にこれまでの歴史をしっかりと見直してゆくという、一見矛盾するような二つの営為が美術館というものの根本的要件です。そのことを強く自覚しながら、皆さんと共に歩みたいと考えています。

プロフィール
高橋 明也(たかはし あきや)

1953年 東京都生まれ
1980年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。国立西洋美術館 研究員
1984年 文部省在外研究員として渡仏、パリのオルセー美術館開館準備室 客員研究員(1986年まで)
1988年 国立西洋美術館 主任研究官
2005年 同 学芸課長
2006年 三菱一号館美術館初代館長(2020年まで)
2010年 フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受章
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