【鳥羽商船高専】第11回高校・高専気象観測機器コンテストで最優秀賞、代表理事特別賞を受賞

独立行政法人国立高等専門学校機構鳥羽商船高等専門学校(三重県鳥羽市 校長:和泉 充 以下「鳥羽商船高専」)情報機械システム工学科白石研究室と北原研究室に所属する学生たちは、令和4年12月18日(日)に開催された第11回高校・高専気象観測機器コンテストにおいて、最優秀賞と代表理事特別賞を受賞しました。
  • 気象観測機器コンテストについて
 高校・高専観測機器コンテストは、一般財団法人WNI気象文化創造センター(代表理事:宮部二朗)が主催する気象リテラシーの向上を目的としたコンテストです。このコンテストは、従来の発想にとらわれないアイデアによって気象観測機器を製作・検証し、その技量を競います。
 今年度は、21校39作品が参加し、鳥羽商船高等専門学校情報機械システム工学科の白石研究室の「苺愛~ICHIGOAI~」最優秀賞を、北原研究室の「小規模養殖業者のためのプランクトン計測システムⅡ」代表理事特別賞を受賞しました。

 
  • システム概要と今後の展望について:苺愛〜ICHIGOAI〜
 最優秀賞を受賞した白石研究室の「苺愛〜ICHIGOAI〜」は、温室やハウス内の環境情報を取得し条件に合わせてかん水装置、換気扇、循環扇、炭酸ガス発生機を制御することで、新規就農者のように農業経験が少ない方の労働負担を減らし、就農者を支援するために開発されたシステムとなります。
 このシステムのポイントは4つあり、①自動制御により、夏場などに温室内での労働負担の軽減を図ること、②光合成の最大化(日射量、炭酸ガス濃度、温度、湿度、水)により収量、品質の向上を図ること、③ハウス内環境(特に夜間の土壌湿度)の最適化で、根腐れや葉の病害発生抑制を図ること、④炭酸ガス発生機、換気扇、循環扇を連動させ換気扇稼働時に燃料等の効率的利用を図ることとなります。このシステムは三重県伊勢市二見町のN農園イチゴハウスにおいて、2022年11月9日から現在(2023年2月)に至るまで稼働しており、実証試験として実際にイチゴ栽培を継続中です。
 選考委員の方から、「完成度が高く、商品化できる程の価値の高いシステム。炭酸ガス濃度にも注目していた点が良かった。就農者が減ってきている中、自動化システムによる就農支援という将来の農業のひとつの姿を見ることができた。」というコメントをいただきました。システム開発者も、「今回、実際にイチゴ栽培で生計を立てていらっしゃる方のイチゴハウスで継続使用するシステムを構築することで、その責任の重さとソフトウェア開発の大変さを実感していたので、いただいたコメントが大変嬉しかったです」とのことです。
 今後は、2月中に農園を管理されている方に受賞報告を行い、同時にシステムのアップデートを予定しています。具体的には、無停電電源装置の追加やシステム障害時に自動でシステムの再起動を行う機能の追加を行う予定です。また、年度内には日射量が一定以上になった場合にかん水を追加で行う場合にSNS等に通知する機能の追加を予定しており、継続的にシステムの改良を進め商品化・事業化の可能性を検討していきたいと思っています。
 

システム概要システム概要

 
  • システム概要と今後の展望について:小規模養殖業者のためのプランクトン計測システムⅡ
  代表理事特別賞を受賞した北原研究室の「小規模養殖業者のためのプランクトン計測システムⅡ」は、低コストのプランクトン測定器で、養殖業の環境改善と発展に寄与することを目指して開発されたシステムです。
 本校・鳥羽商船高専は、リアス式海岸からなる三重県南部地域に位置しております。この地域では、穏やかな波と気候を背景に、マダイ・カキをはじめとした養殖業が栄えてきました。その養殖事業者の抱える大きな問題として”赤潮”や”水質汚染”を原因とした漁獲量の減少があります。しかし、赤潮の原因となる植物プランクトンの計測機は高額なのに加え、測定した値の記録や活用の技術も発達していません。そこで、導入にかかる時間・値段を抑え、植物プランクトン及び温度、濁度、塩分濃度の量を自動で測定するプランクトン計測機の開発を試みました。
 選考委員の方から、「オリジナリティと実用性があり、また、地域の特性を解決しようとする視点が非常に良かった」とコメントをいただきました。
 今後は実用化に向けて改良を進め、年度内には本校のポンツーン(浮桟橋)にて実際の海での防水性、耐久性、太陽光発電による電源確保などを確認する試験観測を開始します。その後、養殖用の筏に設置し、実際の海中での実証実験を行っていく予定です。
 

システム概要システム概要

 
  • 鳥羽商船高等専門学校について

鳥羽商船高等専門学校 外観鳥羽商船高等専門学校 外観

 明治の六大教育家の一人、近藤真琴を校祖とする鳥羽商船高等専門学校は、明治8年(1875年)9月に現在の東京都港区浜松町に航海測量習練所として創基し、その分校として、明治14年(1881年)8月20日に三重県鳥羽町に鳥羽商船黌として創立された。その後、私立、市立、県立などの変遷を経て、昭和42年(1967年)6月に国立鳥羽商船高等専門学校となった。令和7年(2025年)には創基150周年を迎えます。
 「進取・礼譲・質実剛健」を教育理念とし、世界と地域で活躍する、科学的思考を持つ高度な技術者を育成し、令和4年9月現在で7千人を超える卒業生・修了生を輩出しています。
 

【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校
所在地:三重県鳥羽市池上町1番1号代表者:和泉 充
設立:1881年
URL:https://www.toba-cmt.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関


【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
鳥羽商船高等専門学校 総務課総務係
TEL:0599-25-8000
e-mail:soumu-soumu@toba-cmt.ac.jp

~2022年度、高等専門学校制度は創設60周年の節目を迎えました~
https://www.kosen-k.go.jp/Portals/0/60th/

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ビジネスカテゴリ
農林・水産学校・大学
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会社概要

URL
https://www.kosen-k.go.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都八王子市東浅川町 701-2
電話番号
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代表者名
谷口 功
上場
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資本金
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設立
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