「2024年問題」から1年、荷主がドライバーに“選ばれるˮ時代へ。

Hacobu、トラックドライバー1271名に実態調査

Hacobu

データの⼒で物流課題を解決する株式会社Hacobu(ハコブ、本社:東京都港区、代表取締役社長CEO 佐々⽊ 太郎、以下「Hacobu」)は、『「2024年問題」から1年。トラックドライバーの働き⽅に関する実態調査』と題したリポートを発⾏したことをお知らせいたします。

本リポートは、全国のトラックドライバー1271名を対象に、2025年3⽉3⽇から3⽉7⽇の5⽇間にわたり、「2024年問題」以降の拘束時間や運転時間などの働き⽅や労働環境、荷主の対応についての変化を明らかにすることを⽬的として実施し、その結果をまとめました。

本調査では、「2024年問題」以降も依然として⻑時間拘束や荷待ち時間の⻑さが深刻であることが分かりました。1⽇あたりの平均荷待ち時間については、過半数が1時間以上を経験し、仕事で最も負担に感じることとして「荷待ち時間の⻑さ」が第1位に挙げられています。

また、注⽬すべき点として、ドライバーが荷主について積極的に声を上げていることが明らかになりました。とりわけ「荷待ち時間の⻑さ」や「付帯作業の多さ」に関する業務改善要望が顕著です。これは、深刻化するドライバー不⾜の中で、ドライバーや運送会社に“選ばれるˮ荷主と、そうでない荷主の差が、今後拡⼤していくことを⽰唆する結果ともいえます。ドライバーに配慮した受け⼊れ体制を整えることが、荷主にとってますます不可⽋となるでしょう。

本調査リポートのダウンロードはこちらから>>

https://hacobu.jp/form/document-wp-truck-driver-survey-2025/

調査実施の背景

2024年4⽉より、ドライバーの時間外労働に上限が設けられた、いわゆる「2024年問題」が到来し、物流は⼤きな転換点を迎えました。

この問題を取り巻く制度改正は、ドライバーの⻑時間労働を是正し、持続可能な物流体制を構築することを⽬的としたものですが、その⼀⽅で輸送能⼒の不⾜の深刻化といった新たな課題も浮上しています。

さらに同年5⽉には、「物流総合効率化法(物流効率化法)」および「貨物⾃動⾞運送事業法」の改正法も公布されました。これらはいずれも、物流の効率化と適正取引の実現を通じて、現場の⽣産性向上と持続可能性の両⽴を⽬指す制度的な後押しとなるものです。

しかしながら、物流の最前線に⽴つドライバーからは、荷待ちの発⽣や付帯作業の過多など、制度と実態との間にギャップが存在するという声が寄せられていました。

本調査は、「2024年問題」から1年を経た今、ドライバーの働き⽅や意識にどのような変化が⽣じているのかを明らかにし、持続可能な物流の実現に向けた⼀助とすることを⽬的に実施しました。

調査結果トピックス

1.「2024年問題」から1年経過も、⻑時間の荷待ちが続く - 改善を実感できないドライバーが過半数

1⽇あたりの平均荷待ち時間について、「1時間〜2時間未満」が最多(38.5%)だったが、「2時間以上(15.6%)」を合わせると過半数が1時間以上の荷待ちを経験していることがわかった。

また、2024年4⽉以降の荷待ち時間の変化について、「⼤幅に短くなった(7.7%)」「やや短くなった(39.7%)」を合わせても改善を実感しているドライバーは半数未満に留まった。「2024年問題」から1年が経過した今も、ドライバーにとっては⼗分な改善が感じられていない実態が浮き彫りとなった。

2.ドライバーの最⼤のストレス要因は「荷待ち時間」- 負担軽減が急務

仕事で負担に感じることとして、「荷待ち時間が⻑い(49.9%)」が最多の回答となった。次いで、「給与が労働に⾒合わない(42.2%)」「付帯作業が多い(41.1%)」と続いた。ドライバーにとって「荷待ち時間の⻑さ」が最も⼤きなストレスとなっていることが明らかになった。⻑時間の荷待ちは、ドライバーの拘束時間の超過にもつながるため、デジタル技術や予約受付システムなどの活⽤により、さらなる荷待ち時間の削減が求められる。

3.半数の荷主が改善に取り組んでいる

「荷待ちを減らすための取り組みを⾏っている荷主はどの程度あると感じるか」という質問に対して、「多い(6.9%)」、「少しある(44.0%)」を合わせると、全体の半数が、荷主の荷待ち削減に向けた取り組みを実感していることがわかった。

4.待機場所の確保と待ち時間短縮が最優先課題 - ドライバーが望む具体的改善策

荷主の対応で改善してほしい点について質問したところ、1位が「待機場所の確保(63.0%)」、続いて「待ち時間の短縮(60.1%)」と、いずれも6割超と⾼い数字となった。

5.ドライバーが、荷主について積極的に声を上げている

本設問では、ドライバーが荷主について声を上げていることが明らかになりました。「荷待ち時間が⻑い(62.6%)」や「付帯作業(荷下ろし‧検品‧仕分け等)が多すぎる(51.9%)」等の業務改善要望が顕著です。続いて「受け⼊れ態勢が悪い(38.6%)」「予約‧配⾞の融通がきかず、スケジュールが組みにくい(25.8%)」といった意⾒も上がった。

これらの「問題のある荷主について、経営者や配⾞担当に業務改善要望や仕事を受けない等の対策を相談していますか?」という問いに対しては、「数回相談したことがある(38.6%)」と「度々相談している(15.0%)」を合わせると、過半数のドライバーが、⾃社の経営者等に業務改善要望を伝えていることがわかった。

調査を終えて─Hacobuの考察─

今回の調査では、「2024年問題」以降も依然として⻑時間拘束や荷待ち時間が深刻であることが明らかになりました。1⽇あたりの平均荷待ち時間について、過半数が1時間以上の荷待ちを経験しており、仕事で負担に感じることの第1位も「荷待ち時間が⻑い」という結果となりました。

⼀⽅で、働き⽅が「変化した」と感じるドライバーが半数近くおり、⾏政施策や企業努⼒によって改善の兆しが⾒え始めているのも事実です。具体的には、「予約受付システムが導⼊されて荷待ち時間が減った」「2024年4⽉以降は休暇がとりやすくなった」という肯定的な声も上がっています。とはいえ、収⼊減を懸念する声は根強く、運賃体系や付帯作業の対価への課題、時間管理の厳格化による労働負担の増加など、依然として解決すべき問題も少なくありません。

また、注⽬すべき点として、ドライバーが荷主について積極的に声を上げていることが明らかになりました。とりわけ「荷待ち時間の⻑さ」や「付帯作業の多さ」に関する業務改善要望が顕著です。これは、深刻化するドライバー不⾜の中で、ドライバーや運送会社に“選ばれるˮ荷主と、そうでない荷主の差が、今後拡⼤していく可能性があることを⽰唆する結果となりました。

つまり、荷待ち時間の短縮や荷受け環境の改善に前向きな荷主は、ドライバーや運送会社からの⽀持を集め、持続可能な物流を維持しやすくなるでしょう。対照的に、ドライバーの労働環境改善に取り組まない荷主は、ドライバーから⽀持を得られず、結果的に“ものが運べないˮリスクに直⾯する可能性があります。この変化はまだ序章に過ぎませんが、今後、荷主とドライバーの関係性が⼤きく変わる転換点に差し掛かっていることは間違いありません。荷主がドライバーに“選ばれるˮためには、ドライバーに配慮した受け⼊れ体制の構築が不可⽋です。デジタル技術や予約受付システムの導⼊を推進し、運⾏の効率化を図るとともに、ドライバーの負担を軽減する取り組みを加速させることが、鍵となるでしょう。

実際に、先⾏して取り組んでいる荷主企業の例として、株式会社J-オイルミルズは、ドライバーに選ばれる⼯場を⽬指し、物流DXを推進しています(参考記事:在庫保管効率の改善で、外部倉庫費⽤を削減!DX推進で、パートナーが「⾏きたくなる⼯場」を⽬指す株式会社デンソーは、予約受付システムを活⽤し、荷待ち削減に加え、ドライバーの⼼理的負担を軽減しました(参考記事:デンソー、MOVO Berth で輸送ダイヤの最適化を実現。ドライバーの⼼理的負担軽減とグループ全体の輸送効率化を推進)。

今後、荷主がドライバーの負担軽減にどのように向き合うかによって、物流の未来は⼤きく変化すると考えられます。今回の調査結果が、持続可能な物流を⽬指すための、⼀助となれば幸いです。

調査概要

調査タイトル:「2024年問題」から1年。トラックドライバーの働き⽅に関する実態調査
調査主体:株式会社Hacobu
調査期間:2025年3⽉3⽇〜3⽉7⽇の5⽇間
有効回答数:1271名
調査⼿法:全国のトラックドライバーを対象に、Hacobuの会員登録者を中⼼にインターネット調査を実施

調査範囲:本調査は特定の運⾏に限定せず、回答者の担当する全ての業務が対象
画像や調査データを引⽤される際は、出典元URL(https://hacobu.jp/news/14378/)を必ずご記載ください

Hacobuについて

商号:株式会社Hacobu

URL:https://hacobu.jp/

設⽴:2015年6⽉30⽇

本社:〒108-0014東京都港区芝5丁⽬29番11号G-BASE⽥町4階
代表:代表取締役社⻑CEO 佐々⽊ 太郎
事業内容:クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」シリーズと、物流 DXコンサルティング「Hacobu Strategy(ハコブ‧ストラテジー)」を展開。 5年連続シェアNo.1(※1)のトラック予約受付サービス「MOVO Berth」、動態管理サービス「MOVO Fleet」、配⾞受発注‧管理サービス「MOVO Vista」、⽣産‧販売‧在庫管理サービス「MOVO PSI」などのクラウドサービス、ドライバーの働き⽅を変えるスマートフォンアプリ「MOVO Driver」の提供をしています。データを武器に、企業間物流の最適化を⽀援します。

※1 出典 デロイト トーマツ ミック経済研究所『スマートロジスティクス‧ソリューション市場の実態と展望【2024年度版】』https://mic-r.co.jp/mr/03240/バース管理システム市場の売上⾼および拠点数におけるシェア

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会社概要

株式会社Hacobu

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URL
https://hacobu.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区芝5-29-11 G-BASE田町4階
電話番号
050-5358-8885
代表者名
佐々木太郎
上場
未上場
資本金
38億円
設立
2015年06月