Salesforce、従業員サポートの効率を向上する「Agentforce for HR Service」を発表

※本記事は2025年5月6日に米国で公開されたSalesforce Launches Agentforce for HR Service to Make Employee Support Easy for Everyoneの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
Agentforce for HR Serviceによる、AIエージェントとService Cloudの従業員向けサービス機能の人事業務への拡張により、従業員はパーソナライズされた回答を得たり、自分自身で手続きに対応できるようになり、業務に追われがちな人事部門の、より戦略的な業務への集中を実現
Salesforceの人事チームでは、Agentforce for HR ServiceとEmployee Portalの活用により、96%という高い自己解決率を実現。AIによる回答生成も加わり、HR担当者による対応もさらに迅速に
Salesforceでは、従業員がSlackやEmployee Portal上でAIエージェントとの会話を通じて、従業員プロフィールの更新、有給休暇の申請、給与振込口座の変更などを簡単に行える機能を提供
従業員は、余計な手間をかけずに本来の仕事に集中できる、スムーズでわかりやすい人事対応を求めています。しかし実際は、人事関連の手続きは複雑でストレスの多いものになりがちです。たとえば、有給休暇の申請といった簡単な手続きを行うために、複数のシステムを行き来し、人事部に連絡を取るなど、貴重な時間を浪費しています。特に、人事担当者の90%(英語)がすでに業務過多の状況にある中では、大きな課題となっています。こうした状況の中、AIエージェントはまさに救いとなる存在です。実際、AIエージェントが本格的に導入されれば、最高人事責任者(CHRO)は従業員の生産性が平均で30%向上し、人件費が19%削減されると見込んでいます。
こうした背景からSalesforceは本日、AIを活用した新機能「Agentforce for HR Service」を発表しました。これは、人事チーム向けのEmployee Portalと管理画面を備えた人事サービスソリューションであるHR Serviceに直接組み込まれる新たなAI機能群です。Agentforce for HR Serviceでは、AIエージェントが対応可能な業務カテゴリを網羅したトピック群と、各業務を実行するための具体的な手順やツールであるアクション群が、あらかじめ用意されています。これらはカスタマイズ可能で、従業員が自ら疑問を解決し、手続きを完了できるだけでなく、人事部の業務効率を高め、より多くの従業員への対応や複雑な課題への集中を可能にします。
Agentforce for HR Serviceを使うことで、従業員は普段使い慣れたSlackやEmployee Portal上で、人事に関するよくある手続きを会話ベースで簡単に行えます。これにより、チケット申請や規定文書の検索、複数システムの操作といった煩雑さから解放されます。このAIエージェントは、企業のデータ、ナレッジ記事、ポリシーに基づいて動作し、主要な人事情報システム(HRIS)や人材管理システム(HCM)と連携しており、以下のような業務に対応します:
-
パーソナライズされた回答の提供:従業員データと企業ポリシーをもとに、個別の状況に応じた回答を提示します。たとえば「ゴールドの法人カードは申請できますか?」といった問いにも、その従業員の職務や勤務地、ナレッジベースに登録された法人カードのポリシーと照らし合わせて、適切に従業員の資格を判断します。
-
人事プログラムの進捗管理:上司から割り当てられた従業員向けプログラムの進捗を、従業員自身が容易に確認できるようにします。これらのプログラムは各従業員のキャリアの進行状況に併せて設計されており、研修動画や書類提出など、オンボーディングや育児休暇などの節目に応じたプログラムの進捗を可視化し、未完了のタスクを強調表示して期限の遅れを防ぎます。
-
HRケースの管理:休職申請や給与の不備などに関する問い合わせや申請内容の管理を容易にします。従業員が「最近の申請状況は?」と聞けば、文脈がなくても該当ケースを特定し、会話形式で進捗を返答します。
-
プロフィール情報の更新:従業員が自然言語で住所・電話番号・姓の変更などを指示するだけで、HRシステム上の情報を自動で更新し、手間なく処理を完了します。
-
休暇申請の管理:有給休暇、病気休暇、祝日、育児休暇などの申請・取消・残日数を会話形式で確認することが可能です。ナレッジベースに基づく自然言語での質疑応答とポリシー準拠の処理を実現します。
-
給与振込口座の更新:別システムにログインすることなく、給与振込口座情報の閲覧・編集ができます。Slack上でAgentforceに口座情報を伝えるだけで、自動的にその情報を人事システムに反映し、設定を完了させることができます。
-
経費精算の提出と追跡:社内規定に基づく払い戻しの確認、レポートの進捗確認、経費レポートの作成・提出までも自動化し、事務作業の負担を軽減します。
-
人事担当者へのエスカレーション:複雑または個人的な内容に対しては、HR Service Consoleを通じて人事担当者へスムーズに引き継ぎます。たとえば「身内の不幸」などセンシティブな表現を検知した場合には、人事部へエスカレーションを行うことで、担当者がより深い共感と配慮をもって対応できるようにします。

Agentforceは人事担当者向けのHR Service Consoleに統合されており、従業員対応を行う人事チームの業務も効率化します。
-
リアルタイムでの回答生成:会話の文脈とナレッジベース(英語)に基づき、人事担当者向けに推奨返信や要約を自動生成します。たとえば、従業員が社内規定に準拠していない教育費の申請を行った場合でも、Agentforceがポリシーの要点をまとめ、従業員への返信案を作成し、条件を満たした段階でマネージャーへの承認依頼を自動送信します。
-
従業員データの一元化:あらかじめ構築されたMuleSoft連携により、HRシステムから従業員データを取り込み、HR Service Console上で閲覧・更新が可能になります。これにより、Agentforceと人事担当者の双方が、迅速かつパーソナライズされた対応に必要な情報を常に把握できるようになります。
「Agentforce for HR Service」の仕組み
Agentforce for HR Serviceは、AIと自然言語処理(英語)を活用し、従業員からの質問の意図を正確に把握します。SalesforceのData Cloudが、従業員プロフィールなどの構造化データと、社内ポリシーやナレッジ記事、PDFなどの非構造化データを統合し、Agentforceの応答の精度を支える基盤を構築します。そのうえで、Agentforceの中核を担うAtlas Reasoning Engineが統合された情報を分析し、最適なアクションを実行します。これにより、従業員の課題を迅速に解決へと導きます。
Salesforceの視点:Salesforce Service Cloud EVP 兼 GM、キシャン・チェタン (Kishan Chetan)は、次のように述べています。「今後5年で、人事部門の業務は人とAIエージェントの協働が主流になると、実に8割の人事責任者が予測しています。Salesforceはあらゆる業界でこの「デジタル労働(英語)」の変革をリードしており、Agentforceのスキルとアクションを人事関連業務にも拡張しました。限られたリソースの中でもリクエスト対応の迅速化と従業員サポートの拡張を実現し、すべての従業員が業務の流れの中で、素早くパーソナライズされた支援を受けられる環境を提供します。これにより、従業員体験の向上と、逼迫する人事部の生産性向上の両立を可能にします」
Salesforce社内におけるAgentforce for HR Serviceの活用事例
Salesforceの人事部は、Agentforce for HR Serviceの最初の導入企業(Customer Zero)として、その効果をいち早く体感しています。
-
Agentforce for HR ServiceはSlackおよびEmployee Portal上での活用により、従業員のウェルビーイング補助の対象プログラム確認、福利厚生を選択・更新する期間中のサポート、異動プロセスの案内など、幅広いHR関連業務を効率化します。従業員の理解度向上と人事部の業務負荷軽減を両立しています。
-
Employee PortalはAgentforceと連携しており、年間約1,000万件にのぼる検索を処理し、96%の問い合わせを人事部を介さずに自己解決しています。
-
HR Service ConsoleにAgentforceを統合することで、従業員データやエンゲージメント履歴、ケース情報を一元的に把握可能に。人事担当者はAIの支援を得ながら、ケースの検索、要約、返信、解決をスピーディに行うことができます。
SalesforceのCustomer Zeroとしての視点:Salesforce プレジデント兼最高人事責任者(CPO)、ナタリー・スカルディーノ(Nathalie Scardino) は、次のように述べています。 「未来の働き方は、人とAIエージェントの共存(英語)です。Salesforceでは『Customer Zero』として、自社の実践を通じてAgentforceの可能性を証明し、顧客の未来を切り拓いています。私たちのチームは日々AIエージェントと協働しており、その結果、生産性が向上し、従業員はよりインパクトの大きい業務に集中できるようになりました」
アナリストの視点:Valoir社 プリンシパルアナリスト Rebecca Wettemann(レベッカ・ウェッテマン)氏は、次のように述べています。「人事部門も他部門と同様に、限られたリソースの中でより高い成果が求められています。AgentforceとHR Serviceを組み合わせることで、人事担当者は従業員情報やケース履歴を一元管理でき、対応の効率化とサポートの拡張が実現します。従業員もAIを搭載したポータルを通じて自ら課題を解決できるため、余計な手間を省いて業務に集中できるようになり、人事部門にとどまらず、組織全体の生産性向上が期待されています」
提供時期:
-
Agentforce Platform、Employee Portal、HR Service Consoleは提供を開始しております。
-
Employee PortalおよびSlackにおける「Agentforce for HR Service」のトピックおよびアクションは、2025年6月提供開始予定です。
詳細情報:
-
SalesforceがAgentforceを人事およびITサービスにどのように活用しているかについては、こちら(英語)。
-
HR Serviceに関するValoirレポートは、こちら(英語)。
-
HR Serviceについてのデモ動画は、こちら(英語)。
Salesforceについて
Salesforceは、あらゆる規模の企業がAIを活用してビジネスを再構築できるよう支援します。企業向けとして初となるデジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforceは、Customer 360アプリケーション、Data Cloud、Einstein AIとシームレスに統合し、制限のない労働力を実現します。これにより人とAIエージェントが連携し、信頼性の高い単一のプラットフォームでビジネスを成功に導くことができます。詳細は salesforce.com/jp をご覧ください。
Salesforceのコーポレートサイトにある「ニュース&インサイト」では、日本向けの最新情報をご紹介しています。詳細は、salesforce.com/jp/news/ をご覧ください。
本プレスリリースやその他のプレスリリース、または公式に言及されている未提供のサービスや機能は現在利用できないものであり、予定通りに、または全く提供されない可能性があります。お客様は、現在利用可能な機能に基づいて購入をご判断くださいますようお願いいたします。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 商品サービス
- ビジネスカテゴリ
- システム・Webサイト・アプリ開発
- ダウンロード