【寒冷蕁麻疹調査】秋の寒暖差で7割が「肌の異変」を経験|症状が出ても受診率はわずか18.7%の実態

皮膚科医監修|10月の冷え込みで出る蕁麻疹の原因と受診の目安を300名調査で解明

医療法人社団鉄結会

【結論】本調査のポイント 

結論から言うと、寒いと蕁麻疹が出るのは「寒冷蕁麻疹」という皮膚疾患であり、急激な温度変化によって肥満細胞からヒスタミンが放出されることが原因です。寒冷蕁麻疹は適切な治療で症状をコントロールでき、主に皮膚科を受診すべきです。寒暖差によるかゆみはアレルギー反応の一種ですが、一般的な食物・薬物アレルギーとは異なり、物理的刺激が引き金となる「物理性蕁麻疹」に分類されます。

・秋の寒暖差で何らかの肌トラブルを経験した人は71.3%に達する

・寒冷蕁麻疹の症状があっても皮膚科を受診した人はわずか18.7%

・症状が繰り返し出現しても62.4%が市販薬や自然治癒で対処している

用語解説

■ 寒冷蕁麻疹とは

寒冷蕁麻疹とは、冷たい空気や水、物体との接触によって皮膚に蕁麻疹が生じる物理性蕁麻疹の一種である。急激な温度低下により皮膚の肥満細胞が刺激され、ヒスタミンなどの化学物質が放出されることで、赤み・膨疹・かゆみが生じる。症状は通常、冷気や冷水への暴露後30分以内に出現し、温まると数時間以内に消失することが多い。

■ 物理性蕁麻疹とは

物理性蕁麻疹とは、機械的刺激(圧迫・摩擦)、温熱、寒冷、日光、振動などの物理的な刺激が原因で生じる蕁麻疹の総称である。一般的な蕁麻疹が食物や薬剤などによって引き起こされるのに対し、物理性蕁麻疹は特定の物理的刺激が引き金となる点が特徴である。

■ ヒスタミンとは

ヒスタミンとは、肥満細胞や好塩基球に貯蔵されている化学物質で、アレルギー反応において中心的な役割を果たす。放出されると血管拡張、血管透過性亢進、神経刺激を引き起こし、発赤・膨疹・かゆみといった蕁麻疹の典型的な症状を生じさせる。

寒冷蕁麻疹と一般的な蕁麻疹の比較

比較項目

寒冷蕁麻疹

一般的な蕁麻疹

発症のきっかけ

冷気・冷水・寒暖差への暴露

食物・薬剤・ストレス等

症状出現のタイミング

冷刺激を受けてから数分〜30分以内

原因物質接触後数分〜数時間

好発時期

秋〜冬の寒暖差が大きい時期

季節に関係なく発症

症状の持続時間

温まると1〜2時間で消失することが多い

数時間〜24時間程度

再発しやすい状況

入浴後・エアコン使用時・屋外での冷風曝露

原因物質への再接触時

主な治療法

抗ヒスタミン薬の予防内服+寒冷刺激の回避

原因特定と除去+抗ヒスタミン薬

※一般的な目安であり、個人差があります。

医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、皮膚科・形成外科領域における専門的な診療を提供する医療機関です。このたび、秋の寒暖差が本格化する10月を前に、「寒冷蕁麻疹」に関する実態調査を全国300名を対象に実施しました。本調査では、寒暖差による肌トラブルの経験率や受診行動、症状への対処法について明らかにし、皮膚科医監修のもと正しい知識と受診の目安を解説します。

調査背景

10月に入ると朝晩の冷え込みが厳しくなり、日中との寒暖差が10℃以上になることも珍しくありません。この時期、「外出すると肌が赤くなる」「冷たい風に当たるとかゆくなる」といった症状を訴える患者様が増加します。しかし、これらの症状が「寒冷蕁麻疹」という医学的に診断可能な疾患であることを知らない方も多く、適切な治療を受けずに我慢している実態があります。本調査は、寒冷蕁麻疹の認知度向上と適切な受診行動の促進を目的として実施しました。

調査概要

調査対象:秋から冬にかけて肌トラブルを経験したことがある全国の20〜60代の男女

調査期間:2026年9月14日〜9月23日

調査方法:インターネット調査

調査対象人数:300名

調査結果

【調査結果】7割以上が秋の寒暖差で何らかの肌トラブルを経験 

設問:秋(9月〜11月)の寒暖差が大きい時期に、以下のような肌の症状を経験したことはありますか?(複数回答可)

秋の寒暖差で71.3%が何らかの肌症状を経験していることが明らかになりました。特に「肌が赤くなる・腫れる」「かゆみが出る」といった寒冷蕁麻疹の典型症状を訴える割合が高く、多くの方が寒暖差による肌への影響を実感していることがわかります。

【調査結果】「屋外で冷たい風に当たったとき」が最多で58.2%

設問:上記の症状が出た際、どのような状況で発生しましたか?(複数回答可)

寒冷刺激を直接受ける「屋外で冷たい風に当たったとき」が最も多く、次いで急激な温度変化が生じる「暖かい室内から寒い屋外に出たとき」が続きました。寒冷蕁麻疹は急激な温度低下が引き金となるため、これらの状況で症状が出やすいことが調査結果からも裏付けられています。

【調査結果】62.4%が医療機関を受診せず自己対処 

設問:寒暖差による肌トラブルが起きた際、どのように対処しましたか?

寒暖差による肌トラブルが起きても、皮膚科を受診した人はわずか18.7%にとどまりました。62.4%が「自然治癒を待つ」「市販薬で対処」という自己対処を選択しており、寒冷蕁麻疹が医療機関で診断・治療可能な疾患であることが十分に認識されていない実態が浮き彫りになりました。

【調査結果】寒冷蕁麻疹を「知らなかった」人が54.3%と過半数 

設問:「寒冷蕁麻疹」という病名を知っていましたか?

「寒冷蕁麻疹」という病名を知らなかった人が54.3%と過半数を占めました。多くの人が寒暖差による肌トラブルを経験しながらも、それが医学的に診断可能な疾患であることを認識していないことが明らかになりました。適切な治療につながるためにも、疾患の認知度向上が求められます。

【調査結果】「症状を繰り返すこと」への不安が最も高く67.3% 

設問:寒暖差による肌症状について、どのような点が気になりますか?(複数回答可)

「症状を繰り返すこと」への不安が67.3%と最も高く、次いで「治療法がわからないこと」が48.7%と続きました。寒冷蕁麻疹は適切な予防と治療で症状をコントロールできる疾患ですが、正しい情報が行き届いていないために不安を抱えている方が多いことがわかります。

調査まとめ

本調査により、秋の寒暖差で7割以上の方が何らかの肌トラブルを経験していることが明らかになりました。しかし、「寒冷蕁麻疹」という病名を知っている人は半数以下にとどまり、症状が出ても皮膚科を受診した人はわずか18.7%という実態が浮き彫りになりました。6割以上が自己対処で済ませている現状は、適切な治療機会の損失につながっている可能性があります。寒冷蕁麻疹は抗ヒスタミン薬による予防・治療が有効であり、症状を繰り返す場合は皮膚科への受診が推奨されます。

医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師

皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、寒冷蕁麻疹は決して珍しい疾患ではなく、適切な治療と予防により症状を十分にコントロールできる疾患です。今回の調査で受診率がわずか18.7%という結果が出ましたが、症状を繰り返している方は我慢せずに皮膚科を受診していただきたいと考えています。

寒冷蕁麻疹は、急激な温度変化によって皮膚の肥満細胞が刺激され、ヒスタミンなどの化学物質が放出されることで発症します。冷たい空気や水に触れた部位に赤み・膨疹・かゆみが生じ、通常は温まると数時間以内に消失しますが、重症の場合は全身症状を伴うこともあります。

日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドラインでは、物理性蕁麻疹に対しても抗ヒスタミン薬の内服が第一選択として推奨されています。特に寒冷蕁麻疹の場合、症状が出る前に予防的に服用することで発症を抑制できるケースも多くあります。

注意が必要なのは、稀ではありますがアナフィラキシーを起こすケースもあるという点です。冷水への全身暴露(プールや海水浴など)で重篤な全身症状を呈することがあるため、症状の程度や頻度によっては詳しい検査と適切な指導が必要です。

10月以降は朝晩の冷え込みが厳しくなり、日中との寒暖差が大きくなる時期です。この時期に症状が出やすい方は、マフラーや手袋で露出部を保護する、急激な温度変化を避けるといった日常的な対策に加え、必要に応じて抗ヒスタミン薬の予防内服を検討してください。

【エビデンス】日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドライン2018では、物理性蕁麻疹を含む蕁麻疹の治療において第2世代抗ヒスタミン薬の内服が第一選択とされています。また、皮膚科医としての臨床経験では、寒冷蕁麻疹患者の多くは適切な予防と治療により日常生活に支障のない程度まで症状をコントロールできています。

受診を検討すべき目安

・症状が週に複数回繰り返し出現する

・かゆみや膨疹が30分以上持続する

・症状の範囲が広がっている、または悪化傾向にある

・息苦しさ・めまい・動悸など全身症状を伴う

・日常生活や仕事に支障が出ている

日常生活での予防ポイント

・急激な温度変化を避け、屋外に出る前に上着で体を温める

・マフラー・手袋・帽子で露出部を保護する

・入浴後は速やかに体を温め、湯冷めを防ぐ

・冷たい飲食物を避ける(口腔・咽頭に症状が出る場合)

・症状が出やすい時期は予防的に抗ヒスタミン薬を服用する(医師の指示のもと)

髙桑 康太(たかくわ こうた)医師

皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当

専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科

・ミラドライ認定医

臨床実績(2024年時点、累計)

・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上

・腋臭症治療:2,000件以上

・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上

略歴

・2009年 東京大学医学部医学科 卒業

・2009年 東京逓信病院 初期研修

・2012年 東京警察病院 皮膚科

・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科

・2019年 アイシークリニック 治療責任者

監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

よくある質問(Q&A)

Q1. 寒いと蕁麻疹が出るのはなぜですか?

A. 急激な温度低下によって皮膚の肥満細胞からヒスタミンが放出されるためです。

寒冷蕁麻疹は、冷たい空気・水・物体との接触によって皮膚の肥満細胞が刺激され、ヒスタミンなどの化学物質が放出されることで発症します。今回の調査では、「屋外で冷たい風に当たったとき」に症状が出る人が58.2%と最も多く、急激な温度変化が引き金になっていることがわかりました。体質的に肥満細胞が寒冷刺激に敏感な方に起こりやすい疾患です。

Q2. 寒冷蕁麻疹は治りますか?

A. 完治は難しい場合もありますが、適切な治療で症状を十分にコントロールできます。

寒冷蕁麻疹は体質的な要因が関与しているため、根本的に体質を変えることは難しいのが現状です。しかし、抗ヒスタミン薬の予防内服と寒冷刺激の回避により、多くの患者さんが日常生活に支障のない程度まで症状をコントロールできています。今回の調査では「症状を繰り返すこと」への不安が67.3%と高い結果でしたが、皮膚科で適切な治療を受けることで不安を軽減できます。

Q3. 寒暖差でかゆくなるのはアレルギーですか?

A. 広義ではアレルギー反応の一種ですが、食物アレルギーとは異なり物理的刺激が原因です。

寒冷蕁麻疹はヒスタミンの放出を介したアレルギー反応の一種ですが、食物や薬剤によるアレルギーとは異なり、「寒冷」という物理的刺激が引き金となる「物理性蕁麻疹」に分類されます。そのため、アレルゲンを除去するという一般的なアレルギー対策ではなく、温度変化を避ける・予防的に抗ヒスタミン薬を服用するといった対策が有効です。

Q4. 寒冷蕁麻疹は何科を受診すればいいですか?

A. 皮膚科を受診してください。

寒冷蕁麻疹の診断・治療は皮膚科が専門です。今回の調査では、症状があっても皮膚科を受診した人はわずか18.7%にとどまりましたが、繰り返す症状に悩んでいる方は皮膚科への受診をお勧めします。皮膚科では、氷を用いた誘発試験などで診断を確定し、抗ヒスタミン薬の処方や生活指導を受けることができます。

Q5. 寒冷蕁麻疹と乾燥による肌荒れの違いは何ですか?

A. 寒冷蕁麻疹は一時的な膨疹とかゆみが特徴で、乾燥肌荒れは持続的なカサつきが特徴です。

寒冷蕁麻疹は冷刺激を受けた後に急速に発症し、赤み・膨疹(ミミズ腫れ様の腫れ)・かゆみが出現しますが、温まると数時間以内に消失するのが特徴です。一方、乾燥による肌荒れはカサつき・粉ふき・ひび割れなどが持続的に見られます。今回の調査では「ミミズ腫れのような膨疹が出る」と回答した人が24.0%おり、これは寒冷蕁麻疹の典型的な症状です。症状の性質が異なるため、適切な診断を受けることが重要です。

放置のリスク

・症状の悪化・慢性化により日常生活に支障をきたす可能性がある

・稀ではあるが、冷水への全身暴露でアナフィラキシーを起こすリスクがある

・適切な治療を受けずに我慢し続けることでQOL(生活の質)が低下する

・他の蕁麻疹や皮膚疾患との鑑別ができず、適切な治療機会を逃す可能性がある

こんな方はご相談ください|受診の目安

・症状が週に複数回繰り返し出現する場合

・かゆみや膨疹が30分以上持続する、または範囲が広がる場合

・市販の抗ヒスタミン薬でも症状が改善しない場合

・息苦しさ・めまい・動悸など全身症状を伴う場合(緊急受診)

・症状により仕事や日常生活に支障が出ている場合

クリニック案内

アイシークリニックの特徴

・皮膚科・形成外科領域で豊富な診療実績を持つ医師が在籍

・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で通院しやすい立地

・平日夜間や土日も診療可能で、忙しい方も受診しやすい体制

・蕁麻疹をはじめとする皮膚疾患の診断・治療に対応 ※新宿院一般医皮膚科のみでの対応となります。

アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 One-葵ビル2階

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03-6276-3870
代表者名
高桑康太
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年09月