東京大学マーケットデザインセンターと保育士バンク!総研が共同研究を開始
~保育市場における、社会課題の解決を目指す~
保育業界に特化した調査・研究を行う機関「保育士バンク!総研」を運営する株式会社ネクストビート(本社:東京都渋谷区、代表取締役:三原誠司)は、保育市場における社会課題の解決を目指し、2024年4月1日(月)より東京大学マーケットデザインセンター(The University of Tokyo Market Design Center 、以下、UTMD) と共同研究を開始したことをお知らせいたします。
【背景】
少子高齢化が進むなか、日本の保育市場は、待機児童や保育士不足・待遇・保育の質に関する問題など、さまざまな課題を抱えています。こども家庭庁が発表した「こども未来戦略(※1)」によると、75年ぶりの配置基準改善と更なる処遇改善についても明言されており、2026年度からは「こども誰でも通園制度」が全国で本格実施となる予定です。保育士の有効求人倍率は2023年時点で3.12倍と、全業種の1.44倍を大きく上回っており、慢性的な保育士不足は今後も継続されることが予想されます。
この度、UTMDの持つ経済学やマーケットデザイン(※2)の知見と、当社が保有する保育領域における複数の事業展開で培ってきた業界知見やノウハウを用いて、保育業界における社会的課題を解明し、解決策を提言するべく共同研究を開始することといたしました。
【概要】
当社が運営する、累計40万人以上が登録する保育士向け転職支援サービス「保育士バンク!」が保有する保育士の求人データ等を用い、保育市場及び労働市場を組み合わせた構造モデルを推定し、反実仮想シミュレーションを通じて望ましい政策について分析。学術論文としての発表を想定しております。
UTMDと共同研究を開始することで、経済学を活用した保育市場における社会課題の解決を推進してまいります。
※1 こども未来戦略
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/pdf/kakugikettei_20231222.pdf
※2 マーケットデザインは、欧米諸国を中心に急速に社会実装が進んでおり、様々な実践において多くの実績を残しています。経済学の一分野であるゲーム理論では、人々の利害関係を分析する方法を開発し様々な社会・経済の問題に適用してきました。その積み重ねにより、研究者たちは「与えられた制度=ゲームのルールのもとで人々がどう行動するか」について多くの知見を蓄積してきました。このように、ゲーム理論が現実を説明する「理学」として成熟するに従って、今度はこのアプローチを逆転させ「人々にとって望ましい結果を得るにはどのような制度=ゲームのルールをデザインすればよいか」という形で、理論による制度設計を現実問題に実装する「工学」的な応用を目指す領域が発展しています。この領域が「マーケットデザイン」という学問です。
https://www.mdc.e.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2022/12/online_221208.pdf
<ご参考>
保育士有効求人倍率/こども家庭庁(出典:厚生労働省「職業安定業務統計」)
■東京大学マーケットデザインセンター(UTMD)について
マーケットデザインの理論研究の発展、および企業・官公庁とのコラボレーションによる社会実装の推進を目的に2020年9月設立。国内外の約50名の研究者が在籍し、「教育・保育」「災害・医療」「労働市場」「オークション」「経済理論」の五領域を中心に活動を進めています。
https://www.mdc.e.u-tokyo.ac.jp/
■保育士バンク!総研について
「保育士バンク!総研」は、保育業界に特化した調査・研究機関です。少子高齢化が進む中、変わりゆく保育労働市場を見通し、課題に向き合い、解決に寄り添うことで、保育業界に貢献することを目的として設立いたしました。保育領域における複数の事業展開で培ってきた業界知見やノウハウをもとに、最新テーマの研究や調査を実施し、保育に携わるすべての方にとって有益な情報の発信につとめています。
https://soken.hoikushibank.com/
■保育士バンク!について
「保育士バンク!」は、累計40万人(有資格者30万人)以上にご登録いただいている日本最大級の保育士・幼稚園教諭専門の就職転職支援サービスです。北海道から沖縄まで47都道府県の求人を扱い、キャリアアドバイザーによる個別相談の他、全国で就職・転職フェアを定期開催しております。令和3年11月には「適正な有料職業紹介事業者」として厚生労働省により認定されました。
■株式会社ネクストビートについて
「人口減少社会において必要とされるインターネット事業を創造し、ニッポンを元気にする」という理念を掲げ、2013年に創業しました。人口減少に伴い多方面に広がる社会課題に対し、「テクノロジーの力」を駆使し、子育て支援分野を中心としたライフイベント領域・グローバル領域・地方創生領域という3本柱を軸に、専門職向けの人材紹介サービスや業務支援システム、メディア事業などを展開・拡張しています。
※「ネクストビート」、「保育士バンク!」、「保育士バンク!総研」の名称及びロゴは、株式会社ネクストビートの商標または登録商標です。
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