STYLY、LBE(Location-Based Entertainment)開発の民主化を目指すオープンソースプロジェクトを始動
クリエイティブエージェンシー・制作会社を対象にソフトウェア開発キットを配布 多人数同時体験コンテンツの制作・開発を支援
空間レイヤープラットフォーム「STYLY(スタイリー)」を提供する株式会社STYLY(東京都新宿区新宿、代表取締役CEO 山口征浩、以下「STYLY」)は、クリエイティブエージェンシー・制作会社を対象に、Unityを用いたLocation-Based Entertainment(以下「LBE」)コンテンツ制作を支援するオープンソースプロジェクトを始動します。

本プロジェクトでは、XR(AR/VR/MR)を活用した没入体験を開発する際にテクニカルな敷居を下げ、クリエイティブにリソースを割ける環境を用意することで、高品質な没入体験が生まれるエコシステムを構築する事を目的としています。
【本プロジェクトのポイント】
⚫︎多数のヘッドマウントディスプレイが同時接続されるLBEコンテンツに必須な通信機能を提供
⚫︎最大50台のデバイスを同期させながら、軽量・高速に動作
⚫︎各メーカーのヘッドマウントディスプレイに対応
⚫︎既存プロジェクトへの導入・新規プロジェクトの構築が容易
オープンソースプロジェクトで提供されるSDK群は「Apache License 2.0*」または「MITライセンス*」で提供され、商用・非商用、企業・個人を問わず無償で利用することが可能です。
また、今後商業施設等でLBEコンテンツ体験を提供する事業者向けに、本SDK群を用いて制作したLBEコンテンツに最適化されたオペレーションソフトウェアサービスの提供を予定しています。
*Apache License 2.0: 商用利用・改変・再配布が自由で、特許ライセンスの明確化により安心して利用できるオープンソースライセンス
*MITライセンス: 商用利用・改変・再配布を広く許容する、シンプルで制約の少ないオープンソースライセンス
LBE(Location-Based Entertainment)について
LBEとは、“特定の場所に行かなければ体験できない没入型エンターテインメント”を指します。テーマパークや大型商業施設、ミュージアム、ポップアップイベントなど、リアルな空間とデジタル体験を組み合わせることで、高品質な没入体験を提供できる点が特徴です。
近年はXRデバイスの高性能化や体験型消費の拡大を背景に、VRアトラクション、AR・MRによるリアル空間演出、複数人が同時参加するインタラクティブ体験など、LBEの形態は多様化しています。観光・教育・エンターテインメント・ブランド体験など、領域横断で採用が進み、「場所」そのものの価値を高める新たな体験デザイン手法として注目を集めています。
背景:急成長するLBE(Location-Based Entertainment)市場と技術的課題
LBE市場は、2024年に54億7,000万米ドル、2029年には153億3,000万米ドルに達し、年平均成長率(CAGR)22.9%で成長すると予測されています。*
STYLYはこれまでに、未来の宇宙旅行を体験できるVR『THE MOON CRUISE』などのLBEプロジェクトを通じて、あらゆる大型商業施設や都市空間に新しい体験価値を生み出してきました。こうした実績を通じて、LBEは今後さらにXR(AR/VR/MR)技術の普及を促進し、エンターテインメントの潮流を後押しすると考えています。
一方で、成長を阻む課題も顕在化しています。特に現場で求められるクオリティの高いコンテンツ制作は、専門技術と時間、コストを要するだけでなく、ハードウェアの多様化や配信・運用の複雑さも導入障壁を高めており、魅力ある体験をスケールさせるための効率的な制作・運用基盤の整備が求められています。
そこでSTYLYでは、高まる市場ニーズと不足するコンテンツ供給問題を解決するため、LBE向けコンテンツを制作する上で不可欠なネットワークモジュールを含むSDK群をオープンソースで公開します。
用途をLBE型のコンテンツの開発に限定することで、軽量・高速・導入容易な通信モジュールの提供が可能になりました。数台から50台のHMDを用いた多人数同時体験コンテンツの制作・開発を支援します。
今回STYLYが公開するオープンソースプロジェクトは、これらの技術的負荷を軽減し、より多くの事業者やクリエイターがLBE領域に参入できる環境を整えることで、LBEの普及と高品質コンテンツの創出を推進することを目的としています。
*参考:https://www.marketsandmarkets.com/PressReleases/location-based-entertainment.asp
オープンソースリポジトリ(GitHub)
主な特徴と機能
概要
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多数のHMDが同時接続されるLBEコンテンツに必須な通信機能を有し軽量・高速に動作(最大50台のデバイスを同期)
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Unity向けSDK及びネットワークサーバーを提供
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既存のプロジェクトへの導入・新規のプロジェクトの構築が容易
主な機能
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Transform同期
- 利用者の物理位置、バーチャル空間の仮想位置の同時管理
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RPC(Remote Procedure Call)
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Network Variables(ネットワーク変数)
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Room管理
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端末のバッテリ残量取得
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LAN内のサーバー自動検出
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簡易アバター機能
- 3点及び4点以上のトラッキングに対応
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サーバー機能の拡張
- Unityによるサーバーサイドロジックの実装
- Pythonによるサーバーサイドロジックの実装
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XR Rig
- 主要HMDにワンクリックで対応
- VR・MRモードの切り替え(及び対応機種でのオクルージョン自動切り替え)
- ハンドトラッキング、開発用コントローラーの自動切り替え
- Unity XR Interaction Toolkit, XR Hands, AR Foundationの大部分のサンプルに同一Rigで対応
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スマートフォン・タブレット端末を用いたSpectator View機能(※準備中)
利用環境および導入方法
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Unity開発環境
- Unity 6.0以上
- AndroidXR利用時はUnity 6.1以上
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サーバー実行・開発環境
- 対応OS: Linux, Mac, Windows
- サーバー記述言語: Python
- uvxコマンド1行による、ダウンロード・仮想環境構築・サーバー起動
- DevContainerによるサーバー開発環境の提供
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対応デバイス
- Galaxy XR
- Pico 4 Enterprise
- Pico 4 Ultra Enterprise
- HTC VIVE Focus 3
- Meta Quest Pro
- Meta Quest 3
- Apple Vision Pro
- XREAL Air 2 Ultra
- SteamVR対応各種PCVR用HMD 他
Unityシーンセットアップ方法
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ワンクリックでの各HMD用SDKのダウンロード・パッケージ追加・最適なパラメーター設定が完了
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Unityシーン内に専用Prefabを設置するだけで、デフォルトアバターによる空間共有設定が完了
【注意事項】
現在、各種ストアで配信中のSTYLYアプリへの配信はできません。
また本プロジェクトで提供されるSDK群は、提供中のノーコードXR制作・配信サービスであるSTYLYに対応するものではありません。
株式会社STYLYについて

株式会社STYLYは、デジタルとフィジカルを繋ぐ空間レイヤープラットフォーム「STYLY」を提供する会社です。「人類の超能力を解放する」ことをミッションに掲げ、XR/空間コンピューティングを主軸としたテクノロジーにより、ランドオーナーや街づくりに携わる皆様に対して空間プロデュースやソリューション提供を行っています。
今後も世界中のクリエイターや事業者と共に、ヒトや企業の創造する力、クリエイティビティを解放し、新たな文化・産業の創出によって人類の進化に貢献することを目指しています。
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社STYLY 森逸崎
info@styly.inc
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