【調査報道】お子さんは「学校に行きたくない」と言ったことはありますか?保護者としてどう対応して、その後どうなりましたか?(不登校実態調査)/株式会社キズキ
ウェブメディア「不登校オンライン」が、「学校に行きたくない」というお子さんの言葉の背景や、保護者の対応実態を明らかにするため、102名の当事者を対象にアンケートを実施。

「学校に行きたくない」。
その一言の裏には、どんな気持ちが隠れているのでしょうか。
そして、親としてどのように受け止め、向き合えばいいのでしょうか。
2025年6月、株式会社キズキが運営するウェブメディア「不登校オンライン」では、全国の保護者を対象に「子どもの『学校に行きたくない』という声」と「その後の状況」「親の対応」についてアンケートを実施。102名から回答を得ました(※1)。
本リリースでは、その結果の概要と編集部の分析を紹介します。
なお、2025年10月29日に文部科学省が公表した資料(※2)によると、2024年度の不登校の小・中学生は過去最多の35万3,970人に達しました。「学校に行きたくない」と悩むお子さん、そして支える親御さんの一助となれば幸いです。
※1:ご回答全体は102名で、うち、お子さんが「学校に行きたくない」と発言されたことのある方が97名でした。以下、その97名の結果についてお伝えします。
※2:令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
本アンケートの詳細は、不登校オンライン内にて公開中です。
本リリースにない設問・回答・自由記述などもございます。
https://futoko-online.jp/news-article/16796/
総論:子どもの「行きたくない」は、“深いSOS”
調査結果は、「学校に行きたくない」という言葉が、単なる気まぐれではなく“深いSOS”であることを明確に示しました。
約98%の家庭で、その後お子さんが不登校または五月雨登校の状態に移行しており、「学校に行きたくない」は、限界を知らせるサインであることが浮き彫りになりました。
また、その前段階として「体調不良」「無気力」「感情の起伏の変化」などの前兆が多くの家庭で見られました。
「なぜ行けないの?」と理由を詰問するよりも、「どんな気持ちでそう言っているのか」を共に探る姿勢が重要であることが、自由記述からも読み取れます。
お子さんが「学校に行きたくない」と言った後の状況について教えてください

お子さんが「学校行きたくない」と言った当時の様子についてお答えください

学校に行きたくない理由〜「不安・気分の落ち込み」が一番多い〜
回答の中で最も多かった理由は「不安・気分の落ち込み」。続いて「友人関係」「教職員との関係」「いじめ」の人間関係の悩みが約40%を占めました。
「校則や学校文化への違和感」など、学校という制度そのものに馴染めないという声も少なくありません。
こうした複数の要因が絡み合うケースも多く、単一の「原因究明」だけでは解決できない現状が明らかになりました。
お子さんが話した学校に行きたくない理由を教えてください

「行きたくない」と言い出すのは低学年が最多
初めて「学校に行きたくない」と口にした時期として、最も多かったのは小学校1〜2年生(約40%)。
次いで中学1年生、小学4年生が続きました。
低学年期や進学期など、環境が大きく変わる時期に表出しやすいことが分かります。
また、発言の約60%は「長期休み明け以外」の日常の中で起きており、疲れや違和感が少しずつ蓄積して限界を迎えるケースが多いようです。
お子さんが学校に行きたくないと初めて言ったのはいつ頃ですか?

お子さんが「学校に行きたくない」と初めて行ったのは長期休み明けでしたか?

親のやって良かった対応:「じっくり話を聞く」「無理をさせない」が多数派
「行きたくない」と言われた際に「やってよかった対応」として最も多かったのは、「話をじっくり聞いた」でした。続いて「一旦休ませて見守った」「学校や担任に相談した」が上位に並び、無理をさせない姿勢と、支援者との連携が鍵となっていることがうかがえます。
一方、「登校させようとした」を“やってよかった”とした回答は1件でした。
学校に行きたくないと言われたときの対応で、やってよかったと感じることがあれば選択してください

「行きたくない」と言われたときの対応で、しない方がよかったと感じることがあれば選択してください

「学校に行きたくない」と言うお子さんがいる親御さんへ~今だから言えるアドバイス~

アンケートでは、「今、お悩みの保護者様」へのメッセージも募り、下記のような声が寄せられました。
■「行くあなたもOK、行かないあなたもOKだよ」と言ってあげてください。
■学校は命をかけてまで行くところではありません。
■専門家を頼ってください。つらい時期は必ず終わります。
キズキ共育塾不登校相談員・伊藤真依のコメント
不登校相談員として不登校のお子さんのご相談を伺う時に大切にしているのは、「原因追及攻撃」をしないことです。
どうしても、原因を立て続けに問われ続けると、お子さんは自分が責められているような気持ちになります。
そこで、「なんで学校に行けないのか?」という問いを次のように角度を変えて話してみるとお子さんも言葉を紡ぎやすくなります。
「どんな環境なら安心して学べるか?」
「何があれば今日、少しでも楽になれそうか?」
このように確度を変えて話をすることで、厳しい原因の追究から、「一緒にラクになる方法を探そう」というコミュニケーションになるのです。
今回の調査でも、「まずはじっくり話を聞くこと」が大切であることが分かっています。
ただ話を聞くだけでなく、質問の仕方を工夫して、よりお子さんが話しやすい環境を作っていただけたらと思います。
どのようにコミュニケーションをとったらよいかお迷いの場合は、ぜひ私たちキズキの相談員にご相談ください。
アンケート実施概要
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実施期間:2025年6月4日〜6月26日
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実施方法:ウェブフォームによるオンライン回答
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対象:日本全国の保護者
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有効回答数:102件
不登校オンラインについて
不登校オンラインは、不登校・中退・通信制高校など、さまざまな状況にあるお子さんの保護者さまを支えるウェブメディアです。
調査記事や専門家インタビュー、体験談などを通じて、「何度でもやり直せる社会」を目指しています。
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ウェブメディア「不登校オンライン」:https://futoko-online.jp/
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不登校のお子さんのための完全個別指導塾「キズキ共育塾」:https://kizuki.or.jp/
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株式会社キズキ:https://kizuki-corp.com/
アンケート協力者さまのご紹介
今回のアンケートでは、下記の方々に周知のご協力をいただきました。この場をお借りして、御礼申し上げます。
▼不登校ジャーナリスト・石井しこう氏
▼好きでつながる居場所Branch
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