超小型ハイパースペクトル衛星「IHI-SAT2」の打上げ成功
衛星データ利用技術による森林管理・カーボンクレジット事業の推進
IHIおよびIHIエアロスペースがリトアニア共和国の宇宙関連企業であるKongsberg NanoAvionics(本社:リトアニア、以下「NanoAvionics」)に委託して製造した小型ハイパースペクトル衛星「IHI-SAT2」※1(以下「本衛星」)が、11月28日(現地時間)、米国カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地よりSpace Exploration Technologies Corp.(本社:米国、以下「SpaceX」)のTransporter-15ミッションにて打ち上げ上げられました。

本衛星の打ち上げは、世界各地のハイパースペクトル衛星画像を取得し、解析技術の向上を図ることを主な目的としています。ハイパースペクトル衛星画像は、従来の光学衛星画像よりも幅広く詳細な波長帯域で情報を取得できるため、森林の樹種や生育状況、病害の兆候などを広範囲かつ高精度で解析することが可能です。ハイパースペクトル衛星を活用することにより、森林管理や樹種ごとの炭素固定量の違いを考慮したカーボンクレジット創出など、さまざまな分野で新たな価値を提供することが期待されます。
また、IHI独自に衛星を保有、運用することで、必要なエリアのデータを迅速に取得でき、森林の状態把握や解析技術の早期向上につながります。
IHIは、今回の衛星打ち上げにより、ハイパースペクトル観測技術だけではなく、衛星運用技術の習得にも取り組みます。今後は、住友林業と設立した合弁会社「NeXT FOREST」における森林管理事業の推進や技術の高度化に本衛星の成果を活用することを目指します。さらに、ハイパースペクトル衛星は、将来的にIHIが構築を目指す地球観測衛星コンステレーション※2の一角を担う構想であり、本打ち上げにより得られた知見を反映していきます。
IHIは、「技術をもって社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、人工衛星の製造から衛星データ利活用までの多様な技術力を活かし、森林管理・カーボンクレジット事業を自然と共存する持続性の高い事業へと成長させることを目指します。さらに、多様なソリューションを組み合わせたエンジニアリングサービスの提供により、2050年カーボンニュートラル実現に貢献してまいります。
今回の打ち上げには、IHI-SAT2に加えて、経済安全保障重要技術プログラムにてIHIが幹事企業として参加し、株式会社アークエッジ・スペースが開発した技術実証衛星※3も搭載され、同時に打ち上げられました。宇宙空間を利用した各種技術実証に積極的に取り組むことにより、IHIが目指す価値ある衛星コンステレーションの構築を進めてまいります。
【IHI-SAT2について】
・サイズ:6U (約10cm×20cm×30cm)
・運用期間:3年

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