FRONTEO、転倒転落予測システムの共同研究論文が国際的な医学ジャーナル JMIR Medical Informaticsにアクセプトされました
JMIR Medical Informaticsは、JMIR Publicationsが発行する、臨床情報学、健康とヘルスケアのビッグデータ、電子医療記録、医療インフラに焦点を当てた、国際的な査読付きのオープンアクセス医学ジャーナルの1つで、ジャーナル評価分析ツールJournal Citation Reportsにおける2018年のインパクトファクター(文献引用率)は3.188で、カテゴリー「Medical Informatics」の26誌で上位のジャーナルです。
今回アクセプトされた論文は、以下のメンバーによる共同研究をまとめたものです。
タイトル:「電子カルテ上の看護記録に自然言語処理を用いた入院患者の転倒予測」
責任著者:
内山秀文 株式会社FRONTEO ライフサイエンスAI事業本部 研究開発部 サイエンティ
フィックフェロー、工学博士※1
共著者:
中谷 速男 茅ヶ崎新北稜病院 院長、医学博士
中尾 正寿 NTT東日本関東病院 看護部 教育支援開発部門 看護長
豊柴 博義 株式会社FRONTEO ライフサイエンスAI事業本部 ライフサイエンスAI 管掌CTO
兼 研究開発部 部長、数学博士
落合 慈之 NTT東日本関東病院 名誉院長、東京医療保健大学 学事顧問、医学博士
本研究は、入院中の看護記録等の患者データとFRONTEOの人工知能(AI)Concept Encoderを用いて、医療機関にとってリスク管理の最も重要な分野の1つである、入院患者さんの転倒を予測できるかを検討したものです。
研究では、12か月間の335人の転倒者と408人の非転倒者の看護記録を抽出し、学習用データセットと予測対象となるテストデータに分割する事で、学習用データセットで転倒を予測するためのモデルを構築すると同時に、転倒者と非転倒者の仕分けに影響のある形態素を抽出しました。結論として、テストデータに対し、受信者操作特性(ROC)を使用してモデルの予測値を決定しています。
研究結果では、Concept Encoderによる転倒予測は良好であり、ROC曲線下の領域で高い精度を示しました。また、最終モデルに組み込まれた形態素には、意識状態、機動性などの単語が含まれており、転倒の既知の危険因子に関連する自然言語処理のアルゴリズムとConcept Encoderを組み合わせることで、転倒の危険因子をより効果的に抽出できることが実証できました。
本研究から、看護記録などのテキスト情報から、FRONTEOの人工知能Concept Encoderでの解析を通じ、転倒転落の予測を可能とする新たなシステム開発の有用性を確立できたものと考えます。
FRONTEOでは、2015年にNTT東日本関東病院との転倒転落予測システムの共同研究を開始しました。2019年9月には、エーザイ株式会社と共に、入院患者の転倒・転落リスクを事前に予測し、アラートを表示する転倒・転落予測システム「Coroban®」の提供を開始し、病院での医療安全の実現に向けた導入を推進しています。
※1:肩書は執筆時。現所属は、ネオファーマジャパン株式会社 医薬研究部 サイエンティスト
■ Concept Encoderについて URL: https://www.fronteo-healthcare.com/conceptencoder
Concept Encoder(コンセプト・エンコーダー)は、FRONTEOがヘルスケア・インダストリーに特化して開発した人工知能(AI)です。自由記述のテキストデータを大量に含むヘルスケア関連のビッグデータを、エビデンス(根拠)に基づいて有効に解析・活用することを目的に2018年に開発しました。ヘルスケア従事者の共通認識である「エビデンスに基づいた医療(EBM)」に欠かせない有意差検定などの統計学的手法を自然言語解析に導入、実現しています。Concept Encoderはテキスト以外のデータとの共解析も可能であり、ヘルスケア領域に蓄積されてきた遺伝子発現情報・バイタルや各種検査値などの「数値データ」との共解析の研究を進めています。特許登録番号:特許第6346367号
■ FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
株式会社FRONTEOは、独自開発の人工知能エンジン「KIBIT®(キビット)」や「conceptencoder®(コンセプト・エンコーダー)」により、ビッグデータなどの情報解析を支援するデータ解析企業です。国際訴訟などに必要な電子データの証拠保全と調査・分析を行うeディスカバリ(電子証拠開示)や、デジタルフォレンジック調査を支援する企業として2003年8月に設立。自社開発のデータ解析プラットフォーム「Lit i View®(リット・アイ・ビュー)」、日・中・韓・英の複数言語に対応した「Predictive Coding®(プレディクティブ・コーディング)」技術などを駆使し、企業に訴訟対策支援を提供しています。このリーガル事業で培われ、発展した独自の人工知能関連技術は、専門家の経験や勘などの「暗黙知」を学び、人の思考の解析から、未来の行動の予測を実現します。ライフサイエンスやビジネスインテリジェンスなどの領域に展開し、FinTechやRegTechに加え、「働き方改革」でも実績をあげています。2007年6月26日東証マザーズ、2013年5月16日NASDAQ上場。資本金2,559,206千円(2019年3月31日現在)。2016年7月1日付けで株式会社UBICより現在の社名に変更しております。
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