国際NGOプラン・インターナショナルが、「心と体を守る教育」に関する保護者意識調査レポート(2025 年)を発表

~高校生保護者1,906名が示した期待と課題。段階的な性教育と情報公開の重要性~

国際NGOプラン・インターナショナル

国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、一般社団法人全国高等学校PTA 連合会の協力を得て、全国の高等学校に在籍する生徒の保護者を対象とした「心と体を守る教育」に関する意識調査レポートを発表しました。

近年、日本の子どもたちの心身を取り巻く環境は複雑化しており、自己肯定感の低下や性被害、インターネットやSNSの利用に伴う情報リスク、いじめなど、深刻な問題が顕在化しています。その背景には、子どもたちが自分自身の心と体について正しい知識を身につけ、他者を尊重しながら対話する力を育む機会が十分に確保されていないという課題があります。

プランは「SRHR for JAPAN」キャンペーンの一環として、「知識としての性教育」に加え、「人間関係」「感情の扱い方」「自己尊重」「性的同意」などを包括的に学ぶ「心と体を守る教育」を推進しています。

「心と体を守る教育」は、単なる性知識の伝達にとどまらず、子どもたちが自分の存在の尊さを知り、多様性を尊重しながら他者と向き合い、適切なコミュニケーションや自己防衛手段を学ぶ基盤となるものです。正しい情報を得ることで、インターネットやSNS上の誤情報に振り回されるリスクが軽減され、性的トラブルなどを未然に防ぐ効果も期待されます。

本調査は、保護者が抱く「心と体を守る教育」に対する期待や不安を把握し、学校現場での導入や制度化を後押しするためのエビデンスを得ることを目的に実施されました。

「高校生の保護者を対象とした‘心と体を守る教育’に関する意識調査」概要

PDFリンク:「心と体を守る教育」に関する保護者意識調査レポート(2025年)

実施期間: 2025 年9 月1 日~ 10 月24 日

実施方法: オンラインアンケート(Google フォーム形式)

対象者:全国の高等学校に在籍する生徒の保護者

有効回答数:1,906 名

設問構成:属性情報、性教育への理解・関心、不安、期待、学校教育への要望など、全14 問

主催:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン

協力:一般社団法人全国高等学校PTA 連合会

解答者の属性:

【調査結果から見えてきたこと】

全国の高校生の保護者1,906 名から寄せられた「性・心・人間関係」に関する教育についての回答結果を分析したところ、保護者の多くが学校における段階的・体系的な性教育の実施を望む一方で、「どのように教えられているのか知りたい」という情報公開へのニーズも強いことが明らかになりました。

本調査は、子ども・保護者・教員が共に学び、発達段階に応じて内容を積み上げる教育体制の必要性を示しています。保護者は学校における性教育の実施に期待を寄せており、授業設計の充実や家庭への情報発信が重要であることが浮き彫りとなりました。

1. 性教育への高い関心と共感

「心と体を守る教育」の理念に対し、約99%の保護者が共感を示しました。「とても共感する」「ある程度共感する」を合わせて1,880件に達し、知識の伝達にとどまらない包括的教育への期待が極めて高いことが明らかとなりました。

2. 教育内容への期待と不安の共存

「妊娠・避妊」「性的同意」「SNSトラブル対応」など、実生活に即したテーマへのニーズが強い一方で、「教員の指導体制」「内容の適切性」「家庭の価値観との違い」への不安も一定数確認されました。

3. 外部専門家への信頼

「学校の先生と外部専門家が連携して行う授業」(1,239件)、「専門家による授業」(1,365件)を支持する回答が多く、助産師・看護師・心理士・医師などの関与への期待が高いことが分かりました。 自由記述では「担任への気まずさ」や「教員の専門性不足」への懸念も指摘されており、教育の担い手に多様性を持たせる必要性が示唆されます。

4. 保護者との情報共有の重要性

保護者の不安の背景には、「教育内容が見えないこと」への不安感が大きく影響していると考えられます。「授業内容の事前説明」(1,178件)、「教材の事前確認」(1,108件)、「保護者説明会の実施」(1,027件)など、教育内容の可視化と学校との信頼関係構築が求められています。 自由記述からは、多くの保護者が、受け身ではなく、教育に参画したいという姿勢を持っていることも読み取れます。

5. 発達段階に応じた教育の必要性

「体系的に教えてほしい」(795 件)、「小学校低学年から段階的に教えてほしい」(769 件)など、年齢や発達に応じた構造的・連続的なカリキュラムへの期待が示されました。自由記述でも、「思春期を迎える前に基礎を学んでおくべき」といった意見が寄せられました。

6. 多様な価値観・背景への配慮の必要性

性や心の教育に関しては、家庭の文化的・宗教的背景や価値観が大きく関わります。自由記述では、「家庭の価値観との差異」や「発達特性への配慮」など、画一的ではない柔軟な対応の必要性が指摘されました。

7. 多様な価値観・文化的背景への配慮の必要性

家庭の文化的・宗教的背景や価値観への配慮も重要で、「内容が家庭の考えと異なるのではないか」といった慎重な意見も一定数見られました。

今後の取り組み

本調査結果を踏まえ、プランは自治体・学校・保護者と連携しながら、以下の取り組みを進めていきます。

自治体と連携したパイロット授業の実施

発達段階に応じた教育プログラムを策定し、学校現場で活用できる具体的な学びのモデルを提示します。さらに、パイロット事業には第三者評価を導入し、子どもや教員の理解度や期待を客観的に可視化することで、より実効性の高い取り組みへとつなげていきます。

教育実践を支える外部専門家ネットワークの整備

専門家の知見を学校現場に届ける体制を強化し、教育実践を支える環境づくりを推進します。

アドボカシーグループリーダー 長島 美紀のコメント

本調査では、性教育に対する不安や慎重な思いがある一方で、専門家の関与や年齢・発達に応じた教育の必要性を支持する声が多く寄せられました。これは、保護者の皆さまが「安心して任せられる性教育」を求めていることの表れであり、同時に大きな可能性も示しています。性教育の具体的な実現主体は自治体ですが、プランは自治体や学校現場と連携しながらパイロット事業などを通じて実践を支援し、その過程で得られた知見を政策提言として活かしていきたいと考えています。保護者の声に応えながら、安心して学べる環境づくりをご一緒に進めてまいります。

<調査抜粋>

設問:「性教育」という言葉から、あなたはどのような内容を教えるものだと感じますか?(複数選択可、 n=1,906)

学校で行われる性教育に対する印象

学校で性や心の発達について学ぶことに、どのような不安がありますか?

●学校の性教育にどのような役割を期待しますか?

SRHR for Japan は、多くのステークホルダーと連携しながら、日本における「心と体を守る教育」の推進を目指すキャンペーンです。https://srhrforjapan.com/

■「国際NGOプラン・インターナショナル」について

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

https://www.plan-international.jp/

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会社概要

URL
https://www.plan-international.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル10階
電話番号
03-5481-6100
代表者名
池上 清子
上場
未上場
資本金
-
設立
1983年05月