ノバルティス、循環器領域の開発後期パイプラインを強化、Anthos Therapeutics社を前払金9億2,500万米ドルで買収することに合意

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2025年2月11日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。

  • Anthos Therapeutics社は、FXI阻害経路を標的とするファーストインクラスのモノクローナル抗体となる可能性があるabelacimabを開発するバイオ医薬品企業

  • Abelacimabは現在、第Ⅲ相臨床試験段階にあり、先行する適応症は、心房細動患者の脳卒中および全身性塞栓症の予防

  • 買収は、ノバルティスの循環器領域における戦略的集中、強み、専門性に合致するもので、開発後期パイプラインが充実

  • 通常の買収完了条件を満たすことを前提に、2025年上半期の買収完了の見込み

2025年2月11日、スイス・バーゼル発 ― 本日、ノバルティスは、ボストンに本拠地を置く株式非公開のバイオ医薬品企業であり、心房細動患者の脳卒中および全身性塞栓症の予防を対象として開発中のabelacimabを有するAnthos Therapeutics社の買収について合意したと発表しました。通常の買収完了の条件を満たすことを前提とするこの買収は、ノバルティスの成長戦略ならびに重点疾患領域と合致し、循環器領域における当社の強みと専門性を生かすものです。

Anthos Therapeutics社は 2019年に Blackstone Life Sciences社とノバルティスによって設立され、ノバルティスからのライセンス供与によりabelacimabの臨床開発を進めてきました。Abelacimabは、XI因子阻害により止血抑制効果を発揮する抗凝固薬として設計された、画期的かつ選択性の高い完全ヒトモノクローナル抗体です。第Ⅱ相臨床試験のデータにおいて、abelacimab投与群では、標準治療薬の経口抗凝固薬投与群と比べ、心房細動患者の出血イベントを有意に減少させました(AZALEA 1およびAZALEA試験[1,2])。現在、動静脈血栓のリスクがある患者を対象とした3つの第Ⅲ相臨床試験(1つは心房細動患者を対象とするLILAC-TIMI 76試験[3]、残りの2つはがん関連血栓症患者を対象とするASTER試験[4]およびMAGNOLIA試験[5])が行われています。

ノバルティスの開発部門プレジデントでChief Medical OfficerであるShreeram Aradhye M.D.は、次のように述べています。「私たちは、心房細動患者ならびにがん関連血栓症患者の脳卒中予防に役立つ、より安全なファーストインクラスの治療薬となる可能性があるabelacimabの開発を、ともに力を合わせて前に進めることができることを、うれしく思っています。Anthos Therapeutics社を迎えることにより、ノバルティスの循環器領域での取り組みが強化されるとともに、世界中の多くの心疾患患者さんに貢献する人生を変えるような治療薬ポートフォリオ、包括的な臨床プログラム、戦略的提携が補完されます」

Abelacimabは、2022年7月、がん関連血栓症に対し米国食品医薬品局(FDA)からファストトラック(迅速審査)品目の指定を受けました。さらに2022年9月には、心房細動患者の脳卒中および全身性塞栓症の予防に対してファストトラック(迅速審査)の対象となりました。

ノバルティスの循環器・腎臓・代謝デベロップメントユニットのグローバルヘッドであるDavid Soergel M.D.は、次のように述べています。「Abelacimabは、現在の標準治療薬と比べ、血栓および脳卒中の予防のための有効かつより安全性の高いアプローチとなることが期待され、ファーストインクラスの治療薬となる可能性があります。私たちは、この治療薬がノバルティスで創出され、Anthos Therapeutics社のチームの専門性と献身的な取り組みによってこのプログラムが大きく前進したことを誇りに思います。abelacimabをノバルティスのCRMのパイプラインに戻すのに今が最適な時です」

取引の詳細

今回の合意に基づき、ノバルティスは、慣例的調整を条件として、買収完了時に前払金9億2,500万米ドルを支払い、さらに、特定の承認審査および売上高のマイルストーン達成に応じて、最大で21億5,000万米ドルを追加で支払います。この取引は、通常の買収完了のための条件を満たすことを前提に、2025年上半期の完了を見込んでいます。

Abelacimabについて

Abelacimabは、XI因子に強力に結合することによりXI因子の活性化を阻害し、活性形(XIa因子)の生成を防ぐ、画期的かつ選択性の高い完全ヒトモノクローナル抗体です。本剤は、血栓塞栓性疾患の予防に関連するXI因子の自然な欠陥を模倣することにより開発されました。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて

ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日が過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で2.5億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com

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参考文献

1. Samer Al Said, et al. Bleeding with the FXI Inhibitor Abelacimab compared with Rivaroxaban in Patients on Antiplatelet therapy: A Prespecified Analysis of the AZALEA-TIMI 71 Trial. Available from: https://timi.org/wp-content/uploads/2024/11/Samer-Al-Said-Bleeding-with-the-FXI-Inhibitor-Abelacimab-compared-with-Rivaroxaban-in-Patients-on-Antiplatelet-therapy-A-Prespecified-Analysis-of-the-AZALEA-TIMI-71-Trial-.pdf. Accessed February 2024.

2. Ruff C, Patel S, et al. Abelacimab versus Rivaroxaban in Patients with Atrial Fibrillation. N Engl J Med. 2025; 392 (4):361-371.doi:10.1056/NEJMoa2406674

3. ClinicalTrials.gov. NCT05712200. Study to evaLuate the effIcacy and Safety of abeLacimab in High-risk Patients With Atrial Fibrillation Who Have Been Deemed Unsuitable for Oral antiCoagulation (LILAC-TIMI 76) (LILAC-TIMI 76). Available from: https://clinicaltrials.gov/study/NCT05712200?term=NCT05712200&rank=1. Accessed February 2024.

4. ClinicalTrials.gov. NCT05171049. A Study Comparing Abelacimab to Apixaban in the Treatment of Cancer-associated VTE. Available from: https://clinicaltrials.gov/study/NCT05171049. Accessed February 2024.

5. ClinicalTrials.gov. NCT05171075. A Study Comparing Abelacimab to Dalteparin in the Treatment of Gastrointestinal/ Genitourinary Cancer and Associated VTE (MAGNOLIA). Available from: https://clinicaltrials.gov/study/NCT05171075. Accessed February 2024.

以上

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ビジネスカテゴリ
医薬・製薬

会社概要

URL
https://www.novartis.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー
電話番号
03-6899-8000
代表者名
ジョンポール・プリシーノ
上場
未上場
資本金
60億円
設立
1997年04月