【独自調査】不登校が親の働き方に与える影響 約60%が「退職・転職・就業」または「働き方の変更」を経験。最多は「仕事を続けながら柔軟に調整」/株式会社キズキ
ウェブメディア「不登校オンライン」が、「不登校の親と仕事」について、実態を明らかにするため、438名の当事者を対象にアンケートを実施。

2025年10月29日に文部科学省が公表した資料(※)によると、2024年度に不登校だった小中学生は35万3,970人と、過去最多を記録しました。
そうした状況もあり、ウェブメディア「不登校オンライン」(運営:株式会社キズキ)は、不登校の子どもがいる親438名を対象に、「不登校と親の仕事」に関する実態調査を実施しました。
その結果、約60%の親が「退職・転職・就業」または「働き方の変更」を経験しており、最も多かったのは「現職を続けながら、勤務時間やシフトを柔軟に調整した」ケースでした。
柔軟な働き方に切り替えた保護者のうち、53%が「結果的に良かった」と回答。一方で、収入減(34%)やキャリアの停滞(26%)といった課題も浮き彫りになりました。
調査の詳細な集計データや自由回答の分析は、「不登校オンライン」にてご覧いただけます。
https://futoko-online.jp/news-article/17222/
※令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
現職を維持しつつ、家庭を立て直す動きが多数派に
「働き方を変えた」と答えた人(32.9%)の多くは、柔軟な遅刻・早退(18.6%)、時短勤務(14.7%)、シフト変更(14.1%)、在宅勤務(9.0%)といった調整を実施。
勤務先への相談は「しやすかった」との回答が70%を超え、柔軟な対応が子どもや家庭の安定に寄与したことが分かりました。
一方で、「働き方を変えたくても変えられなかった」「収入の減少が家計を圧迫した」という声もあり、制度はあっても“運用の壁”が残る現状が浮かび上がりました。
退職・転職・就業——それぞれの“再設計”の形
-
退職(17.8%):「子どものケアを優先」「両立の負担が限界」などが主因。約半数が「良かった」と評価。
-
転職(4.6%):勤務時間の柔軟さや職場の理解を重視し、再就職を果たしたケースが多い。
-
専業からの就業(4.6%):親自身の居場所づくりや社会との再接続を目的に再就職する例が目立ち、65%が「良かった」と回答。
不登校は親のキャリアを一時的に揺らす一方で、「家族の再設計」を促す契機にもなっています。
キズキ共育塾不登校相談員・伊藤真依のコメント
「不登校の子を支えるために、仕事は辞めたほうがいいですよね…」というご相談は私たちのところにもよく届きます。
お子さんとの健全な距離感はケースバイケースなので画一的なお答えはできませんが、ただひとつ言えることは「焦りや大きな悩みの渦中にいるときは、すぐに大きな決断をしないほうが良い場合が多い」ということです。
もし、”続ける”と”辞める”の間に
・制度などを使ってペースを調整しながら続ける
・雇用形態など形を変えながら様子をみる
などの選択肢があるならば、そういったステップを踏んでみるのも手です。
そうしたステップを踏んだり、今回の調査のような経験者の声などから情報を集めたりしながら慎重に方向性を決めていくことが大切です。
もちろん、保護者様がお子さんと過ごす時間を増やすのは悪いことではありません。
一方で、日中に付きっきりにならない方が健全な関係性を保てる親子も多いのは事実です。
その家庭ごとにちょうどいい塩梅があるはずですので、個別の状況やご不安について、キズキのような専門家に気軽にご相談いただけたらと思います。
調査概要
-
調査名:不登校と親の仕事に関するアンケート
-
対象:不登校の子どもがいる保護者
-
期間:2025年2月17日〜3月22日
-
方法:インターネット調査(自由回答含む)
-
有効回答数:438名
不登校オンラインについて
不登校オンラインは、不登校・中退・通信制高校など、さまざまな状況にあるお子さんの保護者さまを支えるウェブメディアです。
調査記事や専門家インタビュー、体験談などを通じて、「何度でもやり直せる社会」を目指しています。
-
ウェブメディア「不登校オンライン」:https://futoko-online.jp/
-
不登校のお子さんのための完全個別指導塾「キズキ共育塾」:https://kizuki.or.jp/
-
株式会社キズキ:https://kizuki-corp.com/
アンケート協力者さまのご紹介
今回のアンケートでは、下記の方々に周知のご協力をいただきました。この場をお借りして、御礼申し上げます。
▼不登校ジャーナリスト・石井しこう氏
▼好きでつながる居場所Branch
▼株式会社プレマシード
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
