プラン・インターナショナルが日本に避難したウクライナ人女性の現状調査速報を発表

~調査結果から見えた、日本の生活への適応とウクライナ復興・平和構築意識~

国際NGOプラン・インターナショナル

国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は2022年以降、ウクライナおよび周辺地域において、特に子どもや若者、女性の保護や教育機会の確保に重点を置き、戦禍にある人々が希望を持って生活を再建できるよう継続して支援を行ってきました。
ウクライナにおける全面的な紛争の開始から4年が経過するなか、いまだに終結の兆しは見られず、不安定な状況が続いています。

このたびプランは、日本へ避難し、現在も国内に滞在しているウクライナ人女性43名を対象にオンライン調査を実施しました。
本調査は、6月20日の「世界難民の日」に合わせてフルレポートを公開予定ですが、ウクライナ危機から4年が経過するこの時期に合わせ、速報版として結果の一部を公開します。本調査は、自身も2022年にウクライナから避難民として来日し、プランに勤務するアンナ・シャルホロドウスカー職員が中心となって実施しました。

調査の目的

日本に避難したウクライナ人女性の

  • 現在のニーズおよび課題

  • 日本社会への統合状況の変化

  • ウクライナ復興および平和構築への関心と参加意欲を明らかにし、これらの活動への参加を現実的かつ効果的にするために必要な条件や支援の在り方を検討する。

※本調査は「女性・平和・安全保障(WPS)」イニシアチブの一環として実施

調査結果からの考察

  • 日本での日常生活において、適応が進んでいることが見てとれる。

  • 短期的にウクライナ情勢が改善すると考えている人はおらず、紛争終結および情勢安定後の生活計画については、14名(約3分の1)が日本での生活を継続する意向を示している。

  • 8割がウクライナ復興・復旧への参加意向を示しているが、具体的な参加の仕組みの整備が求められる。

主な調査結果

日本に避難したウクライナ人女性の現状調査(速報レポート)より抜粋

日常生活への適応状況の変化

日本での日常生活の困難さに対する認識は、滞在期間の経過とともに大きく変化している。
来日当初、現地の慣習や規則を「困難」または「非常に困難」と感じていた者は12名(28%)であったが、現在は1名(2%)に減少している。これは、日本での生活を通じて徐々に適応が進んだことを示している。

孤立感および生活満足度の変化

来日直後には、強い孤独感や社会的つながりの不足を感じていた者が17名(40%)に上り、現在は若干減少したものの、13名(30%)が同様の感情を抱いている。この背景には、言語の壁によるコミュニケーションの制約や、心理的負担など複合的な要因があると考えられる。

ウクライナ復興の見通しと生活の計画

近い将来に紛争が終結する可能性について見解を尋ねたが、短期的にウクライナ情勢が改善すると考えている回答者はいなかった。そのため、紛争終結および情勢安定後の生活計画については、14名(33%)が日本での生活を継続する意向を示している。また、同数の14名が、短期滞在および長期滞在を含め、ウクライナと日本の両国で生活する可能性を望んでいると回答した。
一方、永住を目的としてウクライナへ帰国する計画を示した回答者はいなかった。自由記述回答では、その背景として、依然として厳しい経済状況や治安の不安定さが挙げられており、フルレポートでその詳細を紹介する。

ウクライナ復興・復旧への参加意向

ウクライナの状況が改善した場合については、35名(82%)が自国の復興・回復活動に参加したいと回答している。しかしながら、その過程において困難や懸念を抱える者も少なくない。
具体的には、10名(23%)が関与の方法を十分に把握していないと回答し、8名(19%)が機会や資源の不足を課題として挙げている。この結果は、参加を希望する人々に対する情報提供の充実と、参加者にとって理解しやすく、また利用しやすい仕組みの整備が重要であることを示している。


アンナ・シャルホロドウスカー(プラン・インターナショナル・ジャパンアドボカシーグループ職員、ウクライナ出身、本調査担当)のコメント

2026年2月24日で、ウクライナにおける全面的な紛争の開始から4年が経過します。この間、避難したウクライナ人女性のニーズや懸念は、生活基盤の確保といった基本的課題から、自立、職業能力の向上、長期的な安定など、より具体的かつ将来志向の課題へと徐々に変化してきました。日本での将来に対する不安、とりわけ経済的自立とキャリア形成を可能にする安定した雇用の確保は、依然として重要な課題です。

一方で、調査結果は、ウクライナにおける紛争の経験や強制移住の体験が、女性たちの平和構築活動への参加意欲や、ウクライナ支援・復興への関与意欲を高めていることを示しています。
調査対象の女性たちは、自身の知識や能力を復興や平和構築に生かしたいという強い意欲を持っています。しかし同時に、安全保障上の不安定さや社会経済的な不安、参画方法や仕組みに関する情報不足、遠隔参加による機会の限定などの課題にも直面しています。
本調査結果が、危機や紛争を経験した女性の参画機会の拡大につながり、参加しやすい条件や多様な参加形態の整備、さらには専門的成長と経済的安定の支援に寄与することを期待しています。それにより、生活の安定が促進されるとともに、平和構築プロセスにおける女性の重要かつ独自の貢献が一層強化されることを願っています。

> 本調査に関するアンナ・シャルホロドウスカー職員のブログはこちら

> 日本に避難したウクライナ人女性の現状調査(速報レポート)

関連資料

> 2025年11月発表「避難の先にある暮らし 日本で生き抜く人々の物語」

> 2024年2月発表「ウクライナから日本に避難している子どもの教育とメンタルヘルスに関する現状調査」

> 2023年8月発表「ウクライナ避難民の日本での生活状況に関する調査」

これまでの活動報告

>【活動報告】ウクライナ東部ドネツク州で多目的現金給付などの支援を実施しました

> ウクライナ人道危機3年~奪われた日常、いま語られる子どもと女性たちの想い~

> ウクライナの子どもたちから喜びの声が届きました!~希望の贈り物「ギフト・オブ・ホープ」~

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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会社概要

URL
https://www.plan-international.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル10階
電話番号
03-5481-6100
代表者名
池上 清子
上場
未上場
資本金
-
設立
1983年05月