【STARTUP DB】調査結果 国内スタートアップ資金調達金額ランキング(2023年10月)
2023年10月に発表された資金調達の金額ランキング
※10月に発表された調達を基にしているため、2023年9月以前に資金調達が実施されたものも含まれます。
1位は小型SAR衛星の開発・運用を手がけるQPS研究所が50億円の調達。三井住友銀行をアレンジャーとするシンジケートローンによるもので、期間は5年です。
SAR(Synthetic Aperture Radar=合成開口レーダー)は、電波を使用して地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず地表の様子を観測できるという特長があります。QPS研究所は従来の1/20の質量、1/100のコストで高精細小型SAR衛星を開発することに成功していて、現在は3機を運用しているそうです。
調達にあたっては、中小企業基盤整備機構の「革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度」の適用を受けました。
これは研究開発成果の事業化を目指すスタートアップが、特定の法律に基づく認定を受けるなどした場合に活用できるもので、中小機構は元本の50%(25億円)を債務保証することになっています。QPS研究所は発表と同日、東証グロース市場の上場承認を受けており、上場日は12月6日です。
2位はオンライン診療サービスなどを展開するMICIN(マイシン)の40億5,000万円。シリーズCラウンドとして、第三者割当増資とあおぞら企業投資からの融資を組み合わせました。
MICINは、患者が問診、診察、決済などをスマホやパソコンで完結できるようにするオンライン診療サービス「curon(クロン)」のほか、患者の情報が集まる治療補助アプリ「MedBridge(メドブリッジ)」などを展開しています。オンライン医療事業については、2019年から22年にかけて病院・クリニックでの導入数が4倍になるなど成長しているそうです。
調達した資金はプロダクト開発のほか、マーケティングや治験、それに人材への投資などに充てられ、出資に加わったアルフレッサと東邦ホールディングスとは協業も進めていくとのことです。
大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するDAIZが3位となりました。同社のシリーズCラウンドは総額71億円ですが、10月に発表されたデットファイナンス(用語解説)の34億円と鹿児島銀行による2億円の出資を合わせた36億円がランキング算定の対象額となっています。
DAIZは発芽直後の大豆に由来する植物肉「ミラクルミート」を開発。同社の落合孝次・取締役研究開発部長が考案した「落合式ハイプレッシャー法」により、うまみ成分やビタミンが豊富に含まれる植物肉を作り出せるそうです。
デットファイナンスによる調達にあたっては、経済産業省の認定を受けた企業が中小機構による債務保証を受けられる「ディープテックベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度」など複数のスキームを活用しました。調達した資金は、2025年2月操業予定の植物肉工場への投資などに充てるようです。
当社は、今後もSTARTUP DBを通じて、スタートアップ・エコシステムの活性化を行い、国内成長産業の発展に貢献してまいります。
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【調査概要】
タイトル:「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」
・調査期間:2023年1月1日〜10月31日まで(2023年11月6日時点)
・レポート記事:STARTUP DB (https://journal.startup-db.com/articles/funding-ranking-202310)
・調査機関(調査主体):フォースタートアップス株式会社(自社調査)
・調査対象 :当社サービス『STARTUP DB』が取得した登記簿謄本、プレスリリース、ニュース情報に記載している情報
・有効回答数(サンプル数) :22,000社
・調査方法(集計方法、算出方法) :期間内のデータを集計
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