三菱電機と東京大学が意味的価値を創造する社会連携講座を開設
意味中心のデザインエンジニアリングにより豊かな未来社会の実現に貢献

三菱電機株式会社
国立大学法人東京大学大学院工学系研究科

三菱電機株式会社(以下、三菱電機)と国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)は、社会連携講座「意味的価値や社会的価値を生み出すデザインエンジニアリング」を9月1日に開設しました(※1)。本講座では、製品・サービスの価値向上に向け、「意味的価値」や「社会的価値」を生み出すための設計方法論や創出プロセスを形式知化(※2)し、新たなデザインエンジニアリングとして確立することを目指します。また、工学的素養を有し、学校教育の高度化をリードする人材の育成や、企業でイノベーション創出を担う人材の育成にも取り組みます。
日本企業は、これまで高機能、高性能な製品・サービスという価値を提供してきましたが、近年の生産年齢人口の減少や新興国の台頭などにより、その優位性を失いつつあります。こうした中、社会が求める新たな価値を見出す力と、それを製品企画・研究開発プロセスに組み込み、形式知化する方法論の確立が求められています。
三菱電機と東京大学は、さまざまな社会課題を克服したありたい未来社会の姿について議論し、それを実現するための道筋を描いていく共同研究体「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」を2023年に設立しています(※3)。この会議において、意味中心のデザインエンジニアリングとそれを担う人材の育成を、両者が率先して取り組むべき重要課題と位置づけ、今回の社会連携講座を開設するに至りました。
本講座では、限りある資源の価値を最大化するために、製品やサービスの新たな「意味」を創出し機能的価値を含む統合的な価値を革新する「意味のイノベーション」に、東京大学が有する感性設計学(※4)におけるベイズ推論(※5)の研究知見を応用することで、工学的アプローチによるデザインプロセスの理論・方法論を確立します。また、三菱電機の事業領域を題材に実践的な応用研究を進めることで、社会的に意義のある革新的な意味的価値の創出を狙うとともに、理論・方法論の実社会への適用可能性を検証します。さらに、この理論・方法論を修得し、意味主導のモノ・コトづくりができる次世代のイノベーション人材を育成し、豊かな未来社会の実現に貢献します。
■社会連携講座の概要

名称 |
意味的価値や社会的価値を生み出すデザインエンジニアリング |
設置場所 |
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学大学院工学系研究科 |
設置期間 |
2025年9月1日~2029年3月31日 |
研究題目 |
製品やサービスの新たな意味を創出し価値を革新するデザインエンジニアリングの方法論・プロセスの確立 |
研究体制 |
講座長:柳澤 秀吉(東京大学大学院工学系研究科 機械工学専攻 教授) <東京大学>大学院工学系研究科教授5名のほか、教員・研究員など計13名 <三菱電機>研究者、技術者など20名以上が参加予定 |
■今後の予定・将来展望
三菱電機と東京大学は、今後のイノベーション創出の鍵を握る意味的価値や社会的価値のデザインエンジニアリング手法の探究に取り組みます。取り組みの中で得られた成果は、学会やオープンフォーラムなどの場で順次発表するとともに、「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」ホームページ(※1)にて公開していきます。
※1 「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」ホームページ
https://melut-fdc.t.u-tokyo.ac.jp/research/svde/
※2 経験や勘による暗黙知を、文章やマニュアルなど誰でも理解できる形にし、共有可能な知識に
すること
※3 2023年5月26日広報発表
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/2023/pdf/0526-a.pdf
※4 人間の認識や感情を脳の原理から数理的にモデル化し、設計に応用するデザイン
エンジニアリングのための学問
※5 観測された事実から、それの起因である原因事象の確率を更新していく推論
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