省電力性・発色性に優れた新しい調光ガラスの実証実験を開始
~オフィス普及を見据えて、つくば市の施設に実機を設置し耐久性・操作性を検証~
今回、青色と紫色のEC調光ガラスをつくばスタートアップパーク(茨城県つくば市吾妻2-5-1)の窓に設置し、長期使用に対する動作安定性に関する実証実験を9月8日より開始します。1,000枚以上の調光ガラス(1枚10 cm × 10 cm)を、木枠に入れて既存の窓の内側に設置します。また、2021年3月までの本実証実験期間を通じて、施設利用者にも操作していただき、要望に沿って切り替えの操作性などを改良する予定です。
本実証実験は、国立研究開発法人物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 電子機能高分子グループ 樋口昌芳グループリーダーらの研究グループが、つくば市スタートアップ推進室、及び科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業CREST「素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成」研究領域(研究総括 桜井貴康)における研究課題「超高速・超低電力・超大面積エレクトロクロミズム」(研究代表者 樋口昌芳)の支援を受けて行います。
用語解説
○エレクトロクロミック材料(Electrochromic材料(EC材料))
電気化学的酸化還元により色が変わる特性を持つ材料。
○メタロ超分子ポリマー(有機/金属ハイブリッドポリマー
金属イオンと有機配位子が錯形成することで合成されるポリマー(高分子)。金属から有機配位子への電荷移動吸収(MLCT吸収)に基づいて着色する。含まれる金属や有機配位子の違いにより、様々な色のポリマーが得られる。ポリマー中の金属イオンを電気化学的に酸化すると、MLCT吸収が消失しポリマーの色が消える。この状態から金属イオンを電気化学的に還元すると、MLCT吸収が再び現れ、ポリマーは元の着色状態に戻る。このように、電気化学的酸化還元により消色/着色のエレクトロクロミック特性を示す。
○つくばスタートアップパーク
研究機関が集積するつくば市の強みであるテクノロジー系スタートアップの支援を行う、つくば市が運営するインキュベーション施設。コワーキングスペース、セミナールームといった場所の提供のほか、起業に関する相談受付やセミナー・イベントを開催し、起業家・研究機関・投資家・金融機関等のスタートアップに関する多様な人々の交流を生み出しています。
公式ホームページ▶https://tsukuba-stapa.jp/
※詳細につきましては、添付の共同プレスリリースをご確認ください。
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