NEVの商品魅力度が向上し続ける中、海外メーカーと中国新興メーカーが業界をリード【J.D. パワー 2024年中国新エネルギー車商品魅力度調査℠】

J.D. パワー

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Powerは、現地時間(中国、上海)5月30日に、J.D. Power 2024 China New Energy Vehicle–Automotive Performance, Execution and Layout (NEV-APEAL) Study℠2024年中国新エネルギー車商品魅力度調査℠)の結果を発表した。

 中国では、新エネルギー車(NEV)の商品魅力度が昨年に引き続き着実に向上している。商品魅力度の指標となるAPEALインデックスの業界平均スコアは789ポイント(1,000ポイント満点)で、前年比+13ポイントとなった。
自動車メーカータイプ別(中国メーカー、中国新興メーカー、海外メーカー)では、海外メーカーの平均スコアが800ポイントと2年連続でトップになった。昨年からの伸び幅が最も大きかったのは中国新興メーカーで、前年比+17ポイントの798ポイントとなった。
 カテゴリー別では、11カテゴリー中「燃費/航続距離」の向上幅が最も大きく、前年比+16ポイントの796ポイントだった。また、「安全性」の影響度が1.5%上昇して8.4%となり、NEVの安全性に対する関心が高まっていることが示された。

「外装」のAPEALスコアが向上、カスタムカラーの人気が上昇
「外装」に対する満足度が前年比+11ポイントの818ポイントとなった。定番色(黒、白、グレー、シルバー、赤、青)以外の色の車両を所有するユーザーの26%が、外装で気に入っているところはボディーの色であると回答しており、定番色の車両を所有するユーザーよりも満足度が大幅に高い。これには、ユーザーの間で色をカスタムする人気が高まってきていることが反映されている。

「性能」と「ドライビングフィール」でBEVがPHEVを上回る
「性能」と「ドライビングフィール」で、電気自動車(BEV)がプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の評価を上回った。「性能」については、前年調査では、PHEVがエンジン/モーター音、加速性能、スムーズさの各項目でBEVの評価を上回っていたが、今年は、BEVがPHEVの評価を上回り、エンジン/モーター音で最も差が大きかった。「ドライビングフィール」については、これまではPHEVが、乗り心地、ハンドリング、ブレーキ性能でリードしていたが、特に郊外および中低速の走行シナリオでBEVに後れを取っている。

充電の満足度は向上、ただし普通充電の速度の改善が必要
「充電」が大幅に向上し、前年比+14ポイントの向上となった。ただし、普通充電の速度については依然として最もスコアが低く、他の項目と比べてもスコア差が顕著であった。本年調査の普通充電にかかる平均時間は7.1時間で、前年の7.6時間から0.5時間短縮しているが、依然としてユーザーの期待に応えておらず、さらなる改善が必要であることが明らかになった。

J.D. パワー ジャパン 代表取締役社長 兼 オートモーティブ部門 部門長 山本浩二のコメント
 海外メーカー(米、日、欧州ブランド)のNEVは順調に中国でその商品魅力度を高めています。長年の自動車開発や量産技術のノウハウを活かし、海外メーカーが、これまで遅れていた中国市場でのNEVマーケットへの反転攻勢を仕掛けていることが本調査でも明らかになりました。
 NEVの最大の弱点であった航続距離が技術革新で払拭される中、中国ユーザーの関心は、内燃機関車両と同様に、安全性や運転体験に移行しつつあります。つまり中国新興メーカーのお家芸であるSDVとしての革新性だけでは勝負できなくなってきており、これは中国のNEV市場が成熟に向かって確実に進んでいる表れだと考えられます。
 中国のユーザーが求める革新的な商品の投入は、各自動車メーカーのブランドや商品の独自性を阻害する可能性も考えられます。真に魅力的なNEVを企画・開発するためには、技術革新だけでなく自動車そのものの性能や品質を追求することが求められると考えます。
 
J.D. パワー 2024年中国新エネルギー車商品魅力度調査℠、各部門のNo.1を発表
スモールBEVセグメント:BYD Seagull

コンパクトBEVセグメント:Geometry A Pro、Volkswagen ID.3(同点)
コンパクトBEV SUVセグメント:BYD Yuan Plus

ミッドサイズBEVセグメント:NIO ET5/ET5T、Tesla Model 3(同点)
ミッドサイズBEV SUVセグメント:Volkswagen ID.4 Crozz

ラージBEVセグメント:ZEEKR 001
プレミアムBEVセグメント:NIO ES6

マスマーケットPHEVセグメント:BYD Han PHEV、DEEPAL SL03(同点)

マスマーケットPHEV SUVセグメント:AITO M5


※対象48ブランド105モデル(うち31 モデルは不十分サンプルのためランキング対象外)
※スモール BEV SUV セグメント、プレミアム PHEV セグメント、マスマーケット PHEV MPV セグメントは、本年は社内基準を満たさなかったためアワード対象外。マスマーケット BEV MPV セグメントはランキング対象外。

《J.D. パワー 2024年中国新エネルギー車商品魅力度調査℠概要》
年に一回、新車購入後2~6ヶ月経過したユーザーを対象に、所有する新エネルギー車の商品魅力について
11カテゴリー*45項目の評価を聴取。回答結果を元に1,000ポイント満点で商品魅力度スコアを算出。
*11カテゴリー:exterior(外装)、setting up and starting(車両設定/始動)、getting in and out(乗降性)、interior(内装)、performance(性能)、driving feel(ドライビングフィール)、keeping you safe(安全性)、infotainment(インフォテインメント)、driving comfort(快適性)、fuel economy and driving range(燃費/航続距離)、charging experience(充電)

■実施期間:2023年12月~2024年3月(中国81都市)
■調査対象:2023年6月から2024年1月までの間に新エネルギー車を購入したユーザー
■調査方法:オンラインインタビュー及びインターネット調査   

■調査回答者数:9,937

*本報道資料は、現地時間 2024年5月30日に中国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://china.jdpower.com/press-releases/2024-china-new-energy-vehicle-automotive-performance-execution-and-layout-nev-apeal
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。

【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは自動車に関するデータと分析の国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。自動車業界及び一部の関連企業に、業界インテリジェンスや消費者インサイト、アドバイザリー、ソリューションを提供しています。
独自の広範なデータセットとソフトウェア機能を高度な分析および人工知能ツールと組み合わせて活用し、クライアントのビジネスパフォーマンスの最適化を支援しています。
J.D. パワーは 1968 年に設立され、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。

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会社概要

URL
https://japan.jdpower.com/ja
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町8F
電話番号
03-4570-8445
代表者名
山本 浩二
上場
未上場
資本金
-
設立
1990年10月