パワー半導体モジュール「Compact DIPIPMシリーズ」サンプル提供開始

従来製品に比べモジュールの底面積を約53%に縮小し、インバーター基板の小型化に貢献

三菱電機株式会社

パワー半導体モジュール「Compact DIPIPM」シリーズ「PSS30SF1F6」(「PSS50SF1F6」は上記写真と同様の外形)

 三菱電機株式会社は、パワー半導体モジュール「DIPIPM」の新たな製品シリーズとして、パッケージエアコンやヒートポンプ暖房・給湯システムなどの民生機器や産業機器向けの「Compact DIPIPMシリーズ」を開発し、PSS30SF1F6(定格電流30A/定格電圧600V)とPSS50SF1F6(定格電流50A/定格電圧600V)の2製品のサンプル提供を9月22日に開始します。RC-IGBT(※1)を採用することで、従来製品に比べ(※2)、モジュールの底面積を約53%に縮小し、パッケージエアコンなどのインバーター基板の小型化に貢献します。

 なお、本製品は「PCIM(※3) Asia Shanghai 2025」(9月24日~26日、於:中華人民共和国・上海)に出展します。

 近年、脱炭素社会の実現に貢献するキーデバイスとして、電力を効率よく変換するパワー半導体の需要が拡大しています。なかでも、パッケージエアコンやヒートポンプ暖房・給湯システム向けのパワー半導体モジュールは、室外機の圧縮機やファン等を制御するインバーターの電力変換機器に使用されています。脱炭素社会の実現に向け、世界的に空調機の省エネ化を実現するためインバーター化が進んでいます。その中で、パッケージエアコンやヒートポンプ暖房・給湯システムなどの室外機は、性能向上だけではなく設置スペース抑制のため小型化のニーズが高まっており、インバーター基板などの構成部品に対しても小型化が要望されています。

  当社は、スイッチング素子とその駆動・保護を行う制御ICを内蔵したトランスファーモールド構造のインテリジェントパワー半導体モジュール「DIPIPM」を1997年に製品化しました。これまでに、エアコン、洗濯機、暖房・給湯機や産業用モーターのインバーターに多数採用され、インバーターシステムの小型化や省エネ化に貢献しています。

 今回、従来製品に比べ、モジュールの底面積を約53%に縮小した民生・産業機器向けパワー半導体モジュール「Compact DIPIPM」シリーズを開発しました。RC-IGBTを採用することで、モジュールサイズの小型化を実現し、インバーター基板の小型化に貢献します。また、新たにアーム短絡保護のためのインターロック機能を搭載することで、インバーター基板設計の簡略に貢献します。従来製品と端子からヒートシンクまでの絶縁距離が同等なので、従来製品からの置き換えも容易です。これらに加え、北米や北欧など寒冷地でのヒートポンプ式空調の普及拡大を受け、低温でも安定動作する構成部品が求められているニーズに応えるため、連続動作温度の下限値-40℃を実現するパワー半導体モジュールとし、寒冷地を含めたインバーターを搭載した空調機の普及拡大に寄与し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。

■新製品の特長

1.従来製品比約53%の底面積を実現し、インバーター基板の小型化に貢献

・RC-IGBTを採用することで、モジュールサイズの小型化を実現し、インバーター基板搭載時の底面積を従来製品比で約53%に縮小。インバーター基板の小型化に貢献

・製品サイズを小型化しながらも、高放熱の絶縁シート材の採用により接合部の温度上昇を抑制し、従来製品と同等の定格電流50Aの電流仕様を実現

2.新たにインターロック機能を搭載し、インバーター基板設計の簡略化に貢献

・従来製品同様の過電流を検知して制御する外付けシャント抵抗方式による短絡保護機能に加え、新しくアーム短絡保護のためのインターロック機能を搭載し、インバーター基板の短絡保護設計の簡略化に貢献

・端子とヒートシンク間の絶縁距離(※4)を従来製品と同等とすることで、従来製品からの置き換えが容易となり、インバーター基板設計の簡略化に貢献

3.連続動作温度下限値を-40℃に拡大、民生・産業機器の運転温度範囲の拡大に貢献

・連続動作温度の下限値を-40℃に拡大し、パッケージエアコンなど民生・産業機器の運転温度範囲拡大が可能。寒冷地含めたインバーターを搭載した空調機の普及拡大に貢献

■製品仕様

■従来製品との比較

■商標関連

「DIPIPM」

三菱電機株式会社の商標

■三菱電機グループについて

 私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie®」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2024年度の連結売上高は5 兆5,217 億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。

■製品担当

 三菱電機株式会社 パワーデバイス製作所

 〒819-0192福岡県福岡市西区今宿東一丁目1番1号

※1 Reverse Conducting-IGBT:IGBTとダイオードを1チップ化したもの

※2 従来製品:小型DIPIPM Ver.7シリーズとの比較

※3 PCIM:Power Conversion and Intelligent Motion

※4 端子–ヒートシンク間の距離:DIPIPMの端子から銅箔面と接触するヒートシンクまでの距離

※5 Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic 

    Equipment

<お客様からのお問い合わせ先>

三菱電機株式会社 半導体・デバイス第一事業部 パワーデバイス営業部

〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号

https://www.MitsubishiElectric.co.jp/semiconductors/powerdevices/contact/

<ウェブサイト>

パワーデバイスウェブサイト

https://www.MitsubishiElectric.co.jp/semiconductors/powerdevices/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

三菱電機株式会社

48フォロワー

RSS
URL
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
電話番号
03-3218-2111
代表者名
漆間 啓
上場
東証プライム
資本金
1758億2077万円
設立
1921年01月