「海外ビジネスモニター」の内部監査支援機能で特許を取得
~経理のテレワークに対応し、“不正が疑われる仕訳抽出機能”を搭載予定~
具体的には、取引内容(仕訳の科目の組み合わせ)ごとに仕訳の取引日と入力日の乖離日数の分布から、乖離日数が“外れ値”の仕訳を抽出する機能について特許が認められました。これにより、内部監査において、海外子会社の不正が疑われる仕訳の発見を容易にし、監査の精度を高めることができます。
なお、本機能は2023年8月に搭載する予定です。
※OBMの詳細はこちら→ https://www.tkc.jp/consolidate/sp/obm/
■経理のテレワークに対応した不正の可能性の高い仕訳の抽出機能
海外展開企業(親会社)においては、海外子会社での架空売り上げの計上等の“不正リスク”を常に抱えています。
多くの仕訳から不正の疑いのある仕訳を発見する手法はいくつかあります。例えば、仕訳の入力日に着目し、休日等に入力された仕訳を抽出し確認する手法がその一つです。しかしこれは、「不正な仕訳の入力は、人目を避け休日等に行われることが多い」という仮定に立ったものであり、経理のテレワークが進む今日においては、必ずしも有効な手法とは言えなくなっています。
他にも、不正仕訳は通常の記帳サイクルから逸脱することに着目し、取引日と入力日の乖離日数が一定以上の仕訳を一律に抽出し調査する手法もあります。しかし、取引内容ごとに経理規定に定める記帳サイクルが異なるため、通常のサイクルで入力された仕訳も抽出されてしまい、不正の可能性が高い仕訳だけを精度よく抽出することは難しいという課題がありました。
今回、特許を取得した「取引日・入力日乖離分析」機能では、取引内容(仕訳の科目の組み合わせ)ごとに取引日と入力日の乖離日数の分布を求め、その“外れ値”の仕訳を抽出します。例えば、通常、取引日から10日後には入力される取引が、この仕訳だけ30日後に入力されているといった事実が見えてくるため、不正の可能性が高い仕訳をより精度高く抽出することができます。
また、本機能は、不正の可能性が高い仕訳を統計処理で自動抽出するため、子会社の経理規定等をあらかじめ入手し、仕訳の取引内容ごとに適正な乖離日数を登録するといった面倒な事前準備が不要なため、すぐに利用を開始できます。
TKCは今後もOBMの導入を通じて、日本企業の海外展開を支援してまいります。
※OBMの詳細はこちら→ https://www.tkc.jp/consolidate/sp/obm/
■特許概要
(1) 発明の名称 仕訳抽出装置、仕訳抽出方法、およびプログラム
(2) 登録番号 特許第7250992号
(3) 登録日 令和5年3月24日
【ご参考】
「海外ビジネスモニター」について(https://www.tkc.jp/consolidate/sp/obm/)
海外に進出している日系企業(海外子会社)の財務状況を日本の親会社が「見える化」できるクラウドサービスです。
海外子会社が現地の会計システムから切り出した仕訳情報を弊社データセンター(TISC)にアップロードすると、会計データが親会社の勘定科目体系に組み替えられ表示されます。会計データは日本語または英語に自動翻訳され、親会社は海外子会社の最新の財務状況を適時かつ正確に把握することができます。さらに「内部監査支援機能」(特許取得済み)により、ミスや不正の発見・けん制にも役立ちます。
こうした機能が評価され、当システムの利用企業数は累計1350社(世界38カ国)を突破しました。
■OBM導入実績 ※2023年3月現在
(1) OBM利用企業数 :1,350社超
(2) 連携実績のある国数 :38カ国
(3) 連携中の海外会計システム :78種類
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