資生堂、健康寿命延伸に「化粧サービス」(化粧療法プログラム)の有効性を確認 経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」にて検証
資生堂は、超高齢社会において重要な課題となっている健康寿命の延伸(※1)に、当社が独自に開発した「化粧サービス」(化粧療法プログラム)(※2)が有効性を発揮することを確認しました。これは、経済産業省が「健康寿命延伸産業」の基盤整備を目的として推進する「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」(※3)に、当社が2013年から展開する「資生堂ライフクオリティー事業(参考資料参照)」のノウハウが採択され、検証されたものです。
当社を含む全15団体の事業全体の検証結果の詳細は、経済産業省主催の成果報告会「ヘルスケア産業の最前線 2015」(3月20日(金)大阪、3月25日(水)東京)で発表予定です。
■成果報告会概要 http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150302003/20150302003.html
■経済産業省リリース http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150302003/20150302003b.pdf
《「化粧サービス」(化粧療法プログラム)の有効性について》
当社が2013年7月から「資生堂ライフクオリティー事業」を通じて、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を様々な対象者(高齢者、視覚障がい者、がん患者等)のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)の維持・向上を目的に展開してきました。
このたび、経済産業省が推進する「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」に採択され、「美容的ヘルスケアサービス提供による介護費用削減効果の検証」を、地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターと共同で実施しました(検証実施期間:2014年6月~2015年2月)。
本検証の結果、健康度自己評価(※4)、抑うつ傾向の改善効果が確認され、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)が、健康寿命延伸のための新たなヘルスケアサービスとして有効であること、また介護費用削減効果が期待できることを確認しました。
※3・・・公的保険サービスの周辺に存在する需要に応える公的保険外サービスの産業基盤を整備し、健康寿命延伸産業の振興を図る目的で実施するものです。平成26年度は15団体が採択され、各地でビジネス実証や調査等の事業を実施しています。( http://www.keieiken.co.jp/h26kenkoujyumyou/saitaku.html#saitaku )
※4・・・高齢者自身の健康について主観的な評価を問う質問。簡単な指標でありながら、様々な健康変化の予測指標になり、近年では健康度自己評価を用いて健康寿命の算出が行われています。
《「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を通じた検証方法について》
今回の検証事業では、高齢者施設や医療機関の協力のもと、介護福祉施設入所高齢者、回復期リハビリテーション病院入院高齢者、急性期病院外来通院高齢者、地域在住高齢者を対象に「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を4施設(5会場)でそれぞれ24回ずつ、合計120回開催し、404人の方に参加いただきました。
《検証対象等の内訳》
<対象>施設高齢者
<開催場所>特別養護老人ホーム
<参加者数>54
<対象>回復期高齢者
<開催場所>回復期リハビリテーション病院(2施設)
<参加者数>194
<対象>外来高齢者
<開催場所>地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター内健康増進センター(2会場)
<参加者数>78
<対象>地域在住高齢者
<開催場所>地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター内健康増進センター(2会場)
<参加者数>78
<合計>404(人)
《継続調査による検証結果から得られた効果》
2014年7月~12月の6カ月間調査を実施し、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)の参加と自宅や施設での毎日のスキンケアを実施したのち、参加者自身が健康感を4段階で評価し前後の変化を比較した結果、健康と感じる参加者(非常に健康だと思う、まあ健康な方だと思う)が増加し、不健康に感じる参加者(あまり健康でない、健康でない)が減少しました。なお、1段階以上改善した参加者は全体の22.2%になり、健康度が統計的に有意に改善していました(図1)。
また、様々な原因で気分が落ち込むなどの、心理状態を表す抑うつ傾向を改善させる効果が得られました(図2)。
これらの結果により、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)で提供された内容が、健康寿命の延伸に有効であることが明らかになりました。
当社では今回得られた検証結果を、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)の更なる質の向上や、高齢期の化粧の価値開発などに活用し、今後も介護事業所をはじめとする医療機関や自治体等と連携し、様々な高齢者の健康寿命延伸につながるヘルスケアサービスとして、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を全国で積極的に推進していきます。
当社は、多くの人々との出会いを通じて、新しく深みのある価値を発見し、美しい生活文化を創造することを企業使命としています。当活動の持つ「化粧のちから」によって、お客さまのさまざまなニーズにお応えしながら、お客さまが美しく、健やかに年齢を重ねていくお手伝いをしていきます。
【参考資料】
資生堂、「ライフクオリティー事業」を積極推進
~ソーシャルビジネスとして全国展開~
資生堂は、2013年7月から、様々な対象者(高齢者、視覚障がい者、がん患者、学生、一般企業の社員等)の美容と健康を幅広くサポートすることを目的に、全国で化粧や身だしなみに関する有償の美容セミナー(展開名称:「資生堂ライフクオリティービューティーセミナー」)を開催しています。当社では、このセミナーをソーシャルビジネス「ライフクオリティー事業」と位置付け、化粧を通じたQOL(生活の質)の維持・向上を支援するものとして展開しています。
全国の10都市(札幌、秋田、仙台、埼玉、東京、千葉、名古屋、大阪、広島、福岡)に専門スタッフ(ビューティーセラピスト(BT))を配置してサービスの提供およびスタッフの派遣を行っています。開催するセミナーの内容は、介護・福祉事業所、障がい者施設、医療機関を訪問して実施する「いきいき美容教室」、介護事業所スタッフ向けの「ADL向上のための整容講座」、学校(高校、専門学校、短大、大学、特別支援学校など)、企業・行政を訪問して実施する「ビューティー講座」の3種があります。
■「ADL向上のための整容講座」開催実績
介護事業所スタッフなどを対象とした「ADL向上のための整容講座」は、2011年8月~2015年1月に約210名(420介護事業所)が受講しています。近年、介護事業所スタッフだけでなく医療スタッフ(看護師、歯科衛生士等)の受講も増え、整容・美容スキルが医療分野にも広まりつつあります。
■「ビューティー講座」開催実績
学生や社会人を対象とした「ビューティー講座」は、2014年1月~12月に延べ約600件開催し、延べ約12,000人に参加いただきました。ビューティー講座の約6割は、学校や企業などからフレッシャーズコース(就職活動中の学生や企業の新入社員)が占めています。また、近年、医療機関から看護師対象のビューティー講座のご依頼も多くなっています。
《「資生堂ライフクオリティービューティーセミナー」の今後の展開》
「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー」の活動を通じて、当社が長年蓄積してきた高付加価値の美容サービスを提供することで、お客さまの幅広いニーズにお応えしていきます。
特に、超高齢社会を迎えた今日、健康寿命の延伸は社会的にも重要な課題です。当社は今後も、介護施設をはじめ、医療機関や自治体等と連携して、様々な高齢者に対する介護予防事業としての開催など、当該活動を積極的に推進していきます。
▼ ニュースリリース
http://www.shiseidogroup.jp/releimg/2409-j.pdf?rt_pr=tr295
▼ 資生堂グループ企業情報サイト
http://www.shiseidogroup.jp/?rt_pr=tr295
当社を含む全15団体の事業全体の検証結果の詳細は、経済産業省主催の成果報告会「ヘルスケア産業の最前線 2015」(3月20日(金)大阪、3月25日(水)東京)で発表予定です。
■成果報告会概要 http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150302003/20150302003.html
■経済産業省リリース http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150302003/20150302003b.pdf
《「化粧サービス」(化粧療法プログラム)の有効性について》
当社が2013年7月から「資生堂ライフクオリティー事業」を通じて、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を様々な対象者(高齢者、視覚障がい者、がん患者等)のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)の維持・向上を目的に展開してきました。
このたび、経済産業省が推進する「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」に採択され、「美容的ヘルスケアサービス提供による介護費用削減効果の検証」を、地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターと共同で実施しました(検証実施期間:2014年6月~2015年2月)。
本検証の結果、健康度自己評価(※4)、抑うつ傾向の改善効果が確認され、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)が、健康寿命延伸のための新たなヘルスケアサービスとして有効であること、また介護費用削減効果が期待できることを確認しました。
※1・・・自立した生活ができる期間。2000年にWHO(世界保健機関)が発表した言葉です。
※2・・・専門スタッフと一緒に、参加者自身が化粧を楽しみながら行う教室形式のプログラム。※3・・・公的保険サービスの周辺に存在する需要に応える公的保険外サービスの産業基盤を整備し、健康寿命延伸産業の振興を図る目的で実施するものです。平成26年度は15団体が採択され、各地でビジネス実証や調査等の事業を実施しています。( http://www.keieiken.co.jp/h26kenkoujyumyou/saitaku.html#saitaku )
※4・・・高齢者自身の健康について主観的な評価を問う質問。簡単な指標でありながら、様々な健康変化の予測指標になり、近年では健康度自己評価を用いて健康寿命の算出が行われています。
《「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を通じた検証方法について》
今回の検証事業では、高齢者施設や医療機関の協力のもと、介護福祉施設入所高齢者、回復期リハビリテーション病院入院高齢者、急性期病院外来通院高齢者、地域在住高齢者を対象に「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を4施設(5会場)でそれぞれ24回ずつ、合計120回開催し、404人の方に参加いただきました。
《検証対象等の内訳》
<対象>施設高齢者
<開催場所>特別養護老人ホーム
<参加者数>54
<対象>回復期高齢者
<開催場所>回復期リハビリテーション病院(2施設)
<参加者数>194
<対象>外来高齢者
<開催場所>地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター内健康増進センター(2会場)
<参加者数>78
<対象>地域在住高齢者
<開催場所>地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター内健康増進センター(2会場)
<参加者数>78
<合計>404(人)
《継続調査による検証結果から得られた効果》
2014年7月~12月の6カ月間調査を実施し、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)の参加と自宅や施設での毎日のスキンケアを実施したのち、参加者自身が健康感を4段階で評価し前後の変化を比較した結果、健康と感じる参加者(非常に健康だと思う、まあ健康な方だと思う)が増加し、不健康に感じる参加者(あまり健康でない、健康でない)が減少しました。なお、1段階以上改善した参加者は全体の22.2%になり、健康度が統計的に有意に改善していました(図1)。
また、様々な原因で気分が落ち込むなどの、心理状態を表す抑うつ傾向を改善させる効果が得られました(図2)。
これらの結果により、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)で提供された内容が、健康寿命の延伸に有効であることが明らかになりました。
《「化粧サービス」(化粧療法プログラム)実施による介護費用削減効果》
当検証で得られた結果をもとに、みずほ情報総研株式会社の協力を得て、介護費用削減効果を試算しました。その結果、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を受けることで、一人あたり、年額約14,220円の削減効果があることが明らかになりました。なお、試算には、地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターが地域高齢者を対象として別途実施した郵送調査(N=3,140、2014年9月調査)で得られた健康度自己評価から要介護状態の出現率を算出したデータを基に、みずほ情報総研株式会社がサービス利用前後での期待値の変化を削減効果として試算しました。当社では今回得られた検証結果を、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)の更なる質の向上や、高齢期の化粧の価値開発などに活用し、今後も介護事業所をはじめとする医療機関や自治体等と連携し、様々な高齢者の健康寿命延伸につながるヘルスケアサービスとして、「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を全国で積極的に推進していきます。
当社は、多くの人々との出会いを通じて、新しく深みのある価値を発見し、美しい生活文化を創造することを企業使命としています。当活動の持つ「化粧のちから」によって、お客さまのさまざまなニーズにお応えしながら、お客さまが美しく、健やかに年齢を重ねていくお手伝いをしていきます。
【参考資料】
資生堂、「ライフクオリティー事業」を積極推進
~ソーシャルビジネスとして全国展開~
資生堂は、2013年7月から、様々な対象者(高齢者、視覚障がい者、がん患者、学生、一般企業の社員等)の美容と健康を幅広くサポートすることを目的に、全国で化粧や身だしなみに関する有償の美容セミナー(展開名称:「資生堂ライフクオリティービューティーセミナー」)を開催しています。当社では、このセミナーをソーシャルビジネス「ライフクオリティー事業」と位置付け、化粧を通じたQOL(生活の質)の維持・向上を支援するものとして展開しています。
全国の10都市(札幌、秋田、仙台、埼玉、東京、千葉、名古屋、大阪、広島、福岡)に専門スタッフ(ビューティーセラピスト(BT))を配置してサービスの提供およびスタッフの派遣を行っています。開催するセミナーの内容は、介護・福祉事業所、障がい者施設、医療機関を訪問して実施する「いきいき美容教室」、介護事業所スタッフ向けの「ADL向上のための整容講座」、学校(高校、専門学校、短大、大学、特別支援学校など)、企業・行政を訪問して実施する「ビューティー講座」の3種があります。
■「いきいき美容教室」開催実績
高齢者・障がい者を対象とした「いきいき美容教室」は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、長期療養型病院、認知症専門病院、有料老人ホーム、デイサービスセンターなど全国約300施設で導入され、2014年1月~12月実績で、教室開催回数は約1,700回、参加人数延べ約26,000人に達しました。本教室は、経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」にも採択され、健康寿命の延伸に有効な新しいヘルスケアサービスであることが実証されました。■「ADL向上のための整容講座」開催実績
介護事業所スタッフなどを対象とした「ADL向上のための整容講座」は、2011年8月~2015年1月に約210名(420介護事業所)が受講しています。近年、介護事業所スタッフだけでなく医療スタッフ(看護師、歯科衛生士等)の受講も増え、整容・美容スキルが医療分野にも広まりつつあります。
■「ビューティー講座」開催実績
学生や社会人を対象とした「ビューティー講座」は、2014年1月~12月に延べ約600件開催し、延べ約12,000人に参加いただきました。ビューティー講座の約6割は、学校や企業などからフレッシャーズコース(就職活動中の学生や企業の新入社員)が占めています。また、近年、医療機関から看護師対象のビューティー講座のご依頼も多くなっています。
※各セミナーについての詳細は、資生堂ライフクオリティー事業ホームページを参照願います。
(http://www.shiseido.co.jp/lifequality/?rt_pr=tr295)《「資生堂ライフクオリティービューティーセミナー」の今後の展開》
「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー」の活動を通じて、当社が長年蓄積してきた高付加価値の美容サービスを提供することで、お客さまの幅広いニーズにお応えしていきます。
特に、超高齢社会を迎えた今日、健康寿命の延伸は社会的にも重要な課題です。当社は今後も、介護施設をはじめ、医療機関や自治体等と連携して、様々な高齢者に対する介護予防事業としての開催など、当該活動を積極的に推進していきます。
▼ ニュースリリース
http://www.shiseidogroup.jp/releimg/2409-j.pdf?rt_pr=tr295
▼ 資生堂グループ企業情報サイト
http://www.shiseidogroup.jp/?rt_pr=tr295
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