【J.D. パワー 2024年米国ファイナンシャル・アドバイザー満足度調査℠】ファイナンシャル・アドバイザーの3分の1以上が転職に前向き
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州トロイ)は、現地時間7月10日に、J.D. Power 2024 U.S. Financial Advisor Satisfaction Study℠(J.D. パワー 2024年米国ファイナンシャル・アドバイザー満足度調査℠)の結果を発表した。
本調査は、年に1回、証券会社*¹ に所属する「従業員アドバイザー(Employee)」と証券会社と提携しているものの独立した「独立系アドバイザー(Independent)」の2部門に分け、ファイナンシャル・アドバイザーの証券会社に対する満足度を聴取するものである。
*¹ 米国の業態分類での一部の銀行等の資産運用ビジネスを含む。
主要なニーズを満たし、強い企業文化的つながりを持つことで真のロイヤルティを醸成
米国のファイナンシャル・アドバイザー人口の高齢化、業界再編、オーガニック*² な成長率の鈍化は、将来的なファイナンシャル・アドバイザーの定着に潜在的な課題をもたらしている。
本年調査によると、定年まで2年以上あるアドバイザーのうち、今後1~2年以内に現在の会社を離れる可能性があると回答した割合は、従業員アドバイザーでは34%、独立系アドバイザーでは41%であった。これは、従業員アドバイザーの28%、独立系アドバイザーの52%が、キャリアの中で3社以上の証券会社に勤務した経験があることを踏まえると、特に注目に値する結果である。
*² 買収・売却や為替変動などの影響を除いた、自社の経営資源(資金・技術・ノウハウ・人材など)による成長を指す。
2024年調査の主なポイントは以下の通り:
満足度変化の要因
過去1年間に従業員アドバイザーの満足度が大きく上昇した主な要因は、報酬関連の指標、テクノロジーに対する意識、サポートの質における大幅な改善である。
一方、独立系アドバイザーの満足度低下の主な要因のいくつかはリーダーシップに関連するものだった。自分の会社が正しい方向に向かっているかについて「強くそう思う」と回答したアドバイザーは大幅に減少し、2023年の54%から2024年には46%となった。
低いロイヤルティは実際の退職に等しい
J.D. パワーの複数年にわたる分析により、2021年調査時点で「1~2年後には同じ会社にいない」(「間違いなくいない」または「おそらくいない」の回答)と答えたアドバイザーの約半数が、本年調査時点でその会社に在籍していないことが明らかになった。一方で、2021年調査時点で「間違いなく会社に残る」と答えたアドバイザーの9割が、本年調査時点でまだ会社に残っていた。
アドバイザーの定着にはリーダーシップと企業文化が重要
会社への残留を希望するアドバイザーと転職に前向きなアドバイザーの満足度を比較すると、「リーダーシップと企業文化」ファクターの満足度が最も大きく異なっている。勤続年数の短いアドバイザーの間では、「リーダーシップと企業文化」ファクターに次いで、「専門能力開発」ファクターの満足度が大きく異なる。
従業員アドバイザーの満足度は向上、独立系アドバイザーの満足度は低下
従業員アドバイザーの満足度は前年比+49ポイントの637ポイント(1,000ポイント満点)で大幅な向上となった。対照的に、独立系アドバイザーの総合満足度は前年比-15ポイントの611ポイントだった。過去の調査では独立系アドバイザーの満足度が従業員アドバイザーより高かったことを考えると、注目すべき結果である。
J.D. パワー エグゼクティブ・マネージング・ディレクター兼ウェルス&レンディング・インテリジェンス部門 部門長 クレイグ・マーティンのコメント
「現在、最も定着しているアドバイザーのロイヤルティをも脅かすいくつかの力が働いている。高額な報酬提示、より良いテクノロジーやサポートの約束、柔軟なビジネスモデルなどは全て、アドバイザーに転職を検討させる可能性がある。しかし、企業文化的なフィット感やリーダーシップに対するアドバイザーの信頼が、彼らの転職に関する判断に影響を与える要因である。」
顧客満足度ランキング
【従業員アドバイザー(Employee)部門】
第1位:Stifel(スタイフェル)(767ポイント、2年連続の総合満足度第1位)
第2位:Raymond James & Associates(レイモンド・ジェームズ・アンド・アソシエイツ)(750ポイント)
第3位:Edward Jones(エドワード・ジョーンズ)(740ポイント)
※第5位のWells Fargo Advisors(ウェルズ・ファーゴ・アドバイザーズ)(563ポイント)は、前年比+156ポイントと、本年調査で前年比最大の総合満足度向上となったことは注目に値する。
【独立系アドバイザー(Independent)部門】
第1位:Commonwealth(コモンウェルス)(819ポイント、11年連続の総合満足度第1位)
第2位:Raymond James Financial Services(レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャル・サービシズ)(694ポイント)
第3位:Cambridge(ケンブリッジ)(676ポイント)
《J.D. パワー 2024年米国ファイナンシャル・アドバイザー満足度調査℠概要》
年に1回、従業員アドバイザーと独立系アドバイザーの両者に対して、それぞれ、自社や提携先の証券会社に対
する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で18回目の実施となる。
■実施期間:2024年1月~5月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:ファイナンシャル・アドバイザー(従業員アドバイザーと独立系アドバイザー)
■調査回答者数:4,072人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価
を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対す
る影響度が大きい順に以下の通り(カッコ内は影響度)。
【従業員アドバイザー(Employee)部門】:
「報酬」(24%)、「リーダーシップと企業文化」(23%)、「専門能力開発」(15%)、「運営サポート」
(15%)、「テクノロジー」(12%)、「商品とマーケティング」(11%)
【独立系アドバイザー(Independent)部門】:
「リーダーシップと企業文化」(20%)、「テクノロジー」(17%)、「専門能力開発」(17%)、「運営サポ
ート」(17%)、「報酬」(17%)、「商品とマーケティング」(11%)
*本報道資料は、現地時間2024年7月10日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-us-financial-advisor-satisfaction-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。
J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
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