IOWN構想の実現に向けて、新たなコネクティビティサービスを可能にする光伝送ソリューション「1FINITY T250」の提供を開始

富士通株式会社

当社はIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想(注1)の実現に向けて、既存光ネットワークの信頼度を容易にアップグレードできるディスアグリゲーション型(注2)光伝送ソリューション「FUJITSU Network 1FINITY T250」(以下、「1FINITY T250」)を開発し、2024年5月14日より提供開始しました。本ソリューションは遠隔医療やリモートコンストラクション等の新たなユースケースのための、通信事業者やメディア配信事業者の新たなコネクティビティサービス創出を可能とするものです。

「1FINITY T250」は、大容量伝送でありながら低遅延かつ低消費電力を実現するエンドツーエンドの光ネットワーク「オールフォトニクス・ネットワーク(以下、APN)」(注3)を実現するソリューションであり、遅延を制御する定量遅延技術と、光伝送装置のノード間をつなぐパス(注4)を無瞬断で切り替え可能な技術を搭載しています。


「1FINITY T250」を用いて冗長回線を構成することで、自然災害による回線障害や、予測が難しい偶発的な機器故障のリスク、また、道路工事などの外的要因による既存設備の移設作業に対しても、回線障害をもたらすことなく、自動で安定的な回線切り替えを行うことができ、APNによるサービスを、より安心・安全に提供することが可能となります。


当社は、「1FINITY T250」の提供を通じて、高信頼性と低遅延が求められる送電線などのインフラ監視や遠隔医療・リモートロボティクスなどの分野における光ネットワークの構築および社会実装を支援し、すべての人が高品質なサービスを享受できるIOWN構想に基づく高信頼APNの実現に向けて貢献していきます。


【背景】

IOWN構想の実現に向けて、現在APNによる光伝送を活用した様々なユースケースの検討が進められていますが、例えば送電線などの架空地線を活用した光伝送(OPGW)(注5)は、経済性や保守点検の作業性に優れる一方で、落雷、電磁干渉といった外部環境変化による信号エラーのリスクを伴います。さらに、通常の光ファイバー網においても、遠隔医療におけるマニピュレーション(注6)や、送電システムの監視網などの光ファイバー網においては、常時、強固な高信頼性と低遅延が求められており、ネットワーク機器の偶発的な故障は、サービスに多大な影響を及ぼす可能性があります。


当社は、こうした課題を解決するため、独自テクノロジーであるネットワークの遅延や揺らぎを可視化し制御する定量遅延技術および無瞬断で光伝送装置のノード間をつなぐパスを切り替える技術を搭載した光伝送ソリューション「1FINITY T250」の開発を進めてきました。


【ディスアグリゲーション型光伝送ソリューション「FUJITSU Network 1FINITY T250」の概要】

1. 定量遅延技術により、障害時でも高品質なネットワーク回線を維持

「1FINITY T250」は、光伝送装置のノード間をつなぐパスごとの遅延を測定し、パスごとの遅延差がゼロになるように遅延量を制御することでネットワーク全体のレイテンシ(応答時間)を揃えることで、離れた拠点間でのリモートコンサート、ゲーム対戦といったユースケースにおける地理的要因によって発生する時間ズレの解消、公平性を担保が可能です。


この定量遅延技術を応用することで、例えば、回線障害が発生した際にバックアップ回線に瞬時に切り替えることで、回線の瞬断を防止し、高品質なネットワーク回線を維持することができます。



2. 光ネットワークにおける遅延の可視化と制御

光ネットワークの拠点間の遅延時間を測定しログとして出力します。これにより、その測定結果に基づき、1マイクロ秒単位でパスの遅延時間を制御することができます。


3. 光信号を送受信する既存のトランスポンダ(注7)へ追加が可能

ネットワーク機器のオープン化を前提にした1RU(注8)の筐体サイズで、既存の光ネットワーク構成に対して無瞬断切り替え機能を容易に追加できるディスアグリゲーション型に対応しています。既存の伝送装置にダイレクトで接続が可能なOTU4インターフェース(注9)を有し、光信号を送受信する利用中のトランスポンダのクライアントに接続することで、既存ネットワークを高信頼性ネットワークにアップグレードできます。


【今後について】

当社は、災害時のデータセンターや通信局舎の冗長回線への対応、また遠隔医療やリモートコンストラクションをはじめとする遠隔制御などの高信頼性サービスをより安全につなぐレジリエントな光ネットワークインフラを構築し、これらの分野におけるサービスの信頼性と品質の向上を目指します。


【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。


【注釈】

注1

IOWN構想:
あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的テクノロジーを活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。
https://iowngf.org/


注2

ディスアグリゲーション型:
従来主流であった、複数のインタフェースカードを1つのユニットに搭載するシェルフ型に対し、機能ごとにブレード化を実現したもの。


注3

APN(All Photonic Network):
通信ネットワークのすべての区間を光でつなぐことにより、大容量、低遅延、低消費電力を実現する、新しい通信ネットワーク。当社の考えるAPNのVisionについては、以下を参照:https://www.fujitsu.com/global/documents/about/research/technology/iown/Fujitsu_All_Photonic_Network_Vision.pdf


注4

パス:
対象となるノード間のリンクをつなげたネットワーク経路。


注5

OPGW(Optical Ground Wire):
架空地線の内部に光ファイバーを実装したもの。


注6

マニピュレーション:
アームタイプのロボットなどを用いて、操作対象物に働きかけ、操作すること。


注7

トランスポンダ:
光信号を送信、受信する機能を有する装置。


注8

1RU(1 Rack Unit):
幅19インチ(約482.6mm)、高さ1.75インチ(約44.5mm)の区画。


注9

OTU4(Optical-channel Transport Unit 4):
OTUkは光信号を送受信するためのITU-T標準規格であり、OTU4は主に100GEを収容。


【当社のSDGsへの貢献について】

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。


本件が貢献を目指す主なSDGs本件が貢献を目指す主なSDGs


【本件に関するお問い合わせ】

富士通コンタクトライン(総合窓口)

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受付時間: 9時~12時および13時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・富士通指定の休業日を除く)

お問い合わせフォーム(https://contactline.jp.fujitsu.com/customform/csque04802/873532/


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会社概要

富士通株式会社

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URL
https://global.fujitsu/ja-jp
業種
情報通信
本社所在地
神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
電話番号
-
代表者名
時田 隆仁
上場
東証プライム
資本金
-
設立
1935年06月