【世界乾癬デー】乾癬の認知度調査:約4割が「うつる病気」と誤解、正しい知識を持つ人はわずか23.7%

10月29日「世界乾癬デー」に合わせ、全国300名を対象に乾癬の認知度を調査。秋冬に悪化しやすい理由と、進歩する治療選択肢を皮膚科医が解説

医療法人社団鉄結会

【結論】本調査のポイント 

【結論】乾癬は感染症ではなく、他人にうつることは絶対にありません。乾癬は免疫システムの異常による慢性皮膚疾患であり、フケや湿疹とは異なり境界明瞭な赤い斑(紅斑)と銀白色の鱗屑が特徴です。完治は難しいものの、近年は生物学的製剤など新しい治療法の登場により、症状をほぼゼロにコントロールできるケースも増えています。

・乾癬を「うつる病気」と誤解している人が38.7%存在

・乾癬について正しい知識を持つ人はわずか23.7%

・乾癬患者の67.3%が「他人からの偏見や誤解」に悩んでいる

用語解説

■ 乾癬(かんせん)とは

乾癬とは、免疫システムの異常により皮膚の新陳代謝が異常に早くなることで、境界明瞭な赤い斑(紅斑)と銀白色の鱗屑(りんせつ)が生じる慢性の皮膚疾患である。感染症ではないため、他人にうつることはない。日本では約43万人の患者がいるとされ、遺伝的要因と環境因子が発症に関与する。

■ 生物学的製剤とは

生物学的製剤とは、バイオテクノロジーを用いて作られた医薬品で、乾癬の原因となる特定の免疫物質(IL-17、IL-23、TNF-αなど)をピンポイントで抑制する治療薬である。従来の治療で効果不十分な中等症〜重症の乾癬患者に使用され、高い有効性と安全性が確認されている。

■ PASI(乾癬面積重症度指数)とは

PASIとは、Psoriasis Area and Severity Indexの略で、乾癬の重症度を数値化して評価する国際的な指標である。紅斑・浸潤・鱗屑の程度と皮疹の面積から算出され、治療効果の判定に広く用いられている。PASI90は症状が90%改善したことを意味する。

乾癬・フケ(脂漏性皮膚炎)・湿疹の違い

比較項目

乾癬

フケ(脂漏性皮膚炎)

湿疹(アトピー性皮膚炎等)

皮疹の境界

明瞭(くっきり)

不明瞭

不明瞭〜やや明瞭

鱗屑の色

銀白色

黄色〜白色

なし〜白色

好発部位

肘・膝・頭皮・腰

頭皮・眉間・鼻周り

肘・膝の内側・首

かゆみ

軽度〜中等度

軽度

強い

原因

免疫異常

真菌・皮脂

アレルギー・バリア機能低下

感染性

なし(うつらない)

なし

なし

季節性

秋冬に悪化しやすい

季節による変動少

乾燥期に悪化しやすい

※一般的な目安であり、個人差があります。正確な診断は皮膚科専門医療機関を受診してください。

医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、10月29日の「世界乾癬デー」に合わせ、乾癬(かんせん)に関する認知度調査を実施しました。乾癬は免疫システムの異常による慢性皮膚疾患ですが、「乾癬」という病名から「感染する病気」と誤解されることが多く、患者さんは皮膚症状だけでなく、社会的な偏見にも苦しんでいます。本調査では、一般の方々の乾癬に対する認知度と誤解の実態を明らかにし、正しい知識の普及を目指します。

調査背景 

世界乾癬デーは、乾癬という疾患への理解促進と患者さんへの偏見解消を目的として、国際乾癬患者団体連合会(IFPA)により2004年に制定されました。日本には約43万人の乾癬患者がいるとされていますが、病名の「癬」という字から「うつる病気」という誤解が根強く残っています。また、秋冬は乾燥や日照時間の減少により乾癬が悪化しやすい季節であり、この時期に正しい知識を広めることは特に重要です。近年は生物学的製剤をはじめとする新しい治療法が次々と登場し、治療の選択肢は大きく広がっています。当院では、乾癬に悩む患者さんが適切な治療を受けられるよう、啓発活動の一環として本調査を実施しました。

調査概要

調査対象:全国の20〜60代の男女(乾癬患者を含む)

調査期間:2026年10月12日〜10月21日

調査方法:インターネット調査

調査対象人数:300名

調査結果

【調査結果】乾癬を「知っている」人は半数以下の46.3%、正しい知識を持つ人はわずか23.7% 

設問:「乾癬(かんせん)」という病気を知っていますか?

乾癬という病名の認知度は半数を下回り、正しい知識を持つ人は4人に1人以下という結果でした。日本に約43万人の患者がいるにもかかわらず、疾患への理解が十分に進んでいない実態が明らかになりました。

【調査結果】約4割が「乾癬はうつる」と誤解、「うつらない」と正しく認識している人は34.0% 

設問:乾癬は他人にうつる(感染する)病気だと思いますか?

乾癬は感染症ではなく、絶対に他人にうつりません。しかし、約4割もの人が「うつる病気」と誤解しており、この誤解が乾癬患者への偏見や差別の原因となっています。「わからない」と回答した人も含めると、約7割が正しい知識を持っていないことがわかりました。

【調査結果】乾癬とフケ・湿疹の違いを「説明できる」人はわずか11.3% 

設問:乾癬とフケや湿疹の違いを知っていますか?

乾癬は境界明瞭な紅斑と銀白色の鱗屑が特徴ですが、フケ(脂漏性皮膚炎)や湿疹と混同されやすい疾患です。約6割の人が違いを認識しておらず、自己判断で市販薬を使用し悪化させてしまうリスクがあります。

【調査結果】「乾癬は完治する」と思っている人が45.0%、慢性疾患であることの認識不足が判明 

設問:乾癬は完治する病気だと思いますか?

乾癬は現時点では完治が難しい慢性疾患ですが、近年の治療の進歩により症状をほぼゼロにコントロールできるケースも増えています。「完治する」と思っている人が多い一方、「治らない」と悲観的な認識を持つ人もおり、正確な情報提供の必要性が示されました。

【調査結果】乾癬患者の最大の悩みは「他人からの偏見・誤解」が67.3%でトップ 

設問:乾癬患者が日常生活で困っていることとして、どのようなことが思い浮かびますか?(複数回答可・上位を単一回答に集計)

乾癬患者が最も困っているのは「他人からの偏見・誤解」であり、皮膚症状そのものよりも社会的な問題が大きいことがわかりました。「うつる病気」という誤解が、温泉やプールを避けさせ、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させています。

調査まとめ 

本調査により、乾癬に対する認知度の低さと誤解の深刻さが改めて明らかになりました。約4割が「うつる病気」と誤解しており、この誤解が乾癬患者の最大の悩みである「偏見・差別」の原因となっています。乾癬は感染症ではなく、免疫異常による慢性皮膚疾患です。現在は生物学的製剤をはじめとする効果的な治療法が登場し、症状をほぼゼロにコントロールできるケースも増えています。世界乾癬デーを機に、乾癬への正しい理解が広がり、患者さんが偏見なく治療に専念できる社会の実現を願います。

医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師 

皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、乾癬は絶対に他人にうつりません。「乾癬」という病名の「癬」という字が水虫(白癬)と同じであることから誤解されがちですが、乾癬は感染症ではなく、免疫システムの異常による炎症性疾患です。 

 

乾癬は、遺伝的素因を持つ方に、ストレス・感染症・外傷・薬剤などの環境因子が加わることで発症します。通常、皮膚の細胞(ケラチノサイト)は約28日かけて生まれ変わりますが、乾癬では免疫細胞の異常活性化により、わずか3〜4日で新陳代謝が行われます。その結果、皮膚表面に鱗屑(フケのような白い皮)が厚く蓄積し、特徴的な銀白色の皮疹が形成されます。

秋冬に乾癬が悪化しやすい理由は主に3つあります。第一に、空気の乾燥により皮膚のバリア機能が低下し、炎症が悪化しやすくなります。第二に、日照時間の減少により紫外線(特にUVB)の恩恵を受けにくくなります。紫外線には免疫を抑制する作用があり、乾癬治療にも光線療法が用いられています。第三に、気温低下による血行不良や、年末年始のストレス・暴飲暴食も悪化因子となります。

乾癬の治療は、ここ10〜15年で劇的に進歩しました。軽症例では外用薬(ステロイド、ビタミンD3製剤)が基本ですが、中等症〜重症例には光線療法、内服薬(PDE4阻害薬、レチノイドなど)、そして生物学的製剤が選択肢となります。特に生物学的製剤は、乾癬の原因となる特定のサイトカイン(IL-17、IL-23、TNF-αなど)をピンポイントで抑制し、PASI90(症状90%改善)を達成できる患者さんも珍しくありません。

乾癬でお悩みの方は、ぜひ皮膚科を受診してください。適切な治療により、症状をコントロールしながら日常生活を送ることは十分に可能です。 

 

【エビデンス】日本皮膚科学会の「乾癬診療ガイドライン2020」では、乾癬の重症度に応じた治療アルゴリズムが示されており、生物学的製剤は従来治療で効果不十分な中等症〜重症例に推奨されています。また、世界保健機関(WHO)は2014年に乾癬を「重大な非感染性疾患」と認定し、患者への偏見解消と治療アクセス改善の重要性を強調しています。

乾癬について知っておくべき3つの事実

・乾癬は感染症ではなく、他人に絶対にうつらない

・免疫異常による慢性疾患だが、適切な治療で症状コントロールが可能

・生物学的製剤など新しい治療法の登場で、治療成績は飛躍的に向上している

秋冬の乾癬悪化を防ぐセルフケア

・保湿剤をこまめに塗り、皮膚の乾燥を防ぐ

・室内の湿度を50〜60%に保つ(加湿器の活用)

・ストレス管理と規則正しい生活を心がける

・症状が悪化したら自己判断せず早めに皮膚科を受診する

髙桑 康太(たかくわ こうた)医師

皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当

 

専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科

・ミラドライ認定医

 

臨床実績(2024年時点、累計)

・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上

・腋臭症治療:2,000件以上

・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上

 

略歴

・2009年 東京大学医学部医学科 卒業

・2009年 東京逓信病院 初期研修

・2012年 東京警察病院 皮膚科

・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科

・2019年 アイシークリニック 治療責任者

 

監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

よくある質問(Q&A)

Q1. 乾癬はうつりますか?温泉やプールに入っても大丈夫ですか?

A. 乾癬は感染症ではないため、他人に絶対にうつりません。温泉やプールも問題なく利用できます。

今回の調査では38.7%の方が「うつる病気」と誤解していましたが、乾癬は免疫異常による炎症性疾患であり、細菌やウイルスによる感染症ではありません。皮膚に触れても、同じタオルを使っても、同じ浴槽に入っても、絶対にうつることはありません。乾癬患者さんは堂々と温泉やプールを楽しんでいただいて大丈夫です。

Q2. 乾癬とフケ・湿疹はどう見分けますか?

A. 乾癬は「境界が明瞭な赤い斑」と「銀白色の厚い鱗屑」が特徴で、肘・膝・頭皮・腰に好発します。

調査では乾癬とフケ・湿疹の違いを説明できる人は11.3%にとどまりました。乾癬の皮疹は境界がくっきりしており、銀白色の厚いフケ状の皮(鱗屑)が付着するのが特徴です。一方、脂漏性皮膚炎のフケは黄色〜白色で油っぽく、湿疹(アトピー性皮膚炎など)は境界が不明瞭でかゆみが強いのが特徴です。自己判断は難しいため、気になる症状があれば皮膚科を受診してください。

Q3. 乾癬は治りますか?どんな治療法がありますか?

A. 現時点で完治は難しいものの、適切な治療により症状をほぼゼロにコントロールできるケースも増えています。

調査では45.0%が「完治する」と考えていましたが、乾癬は慢性疾患であり、現時点では完治は難しいとされています。しかし、治療の進歩は目覚ましく、外用薬、光線療法、内服薬、生物学的製剤と多様な選択肢があります。特に生物学的製剤は、症状を90%以上改善させるPASI90を達成できる患者さんも多く、以前とは比較にならないほど治療成績が向上しています。

Q4. なぜ秋冬に乾癬は悪化しやすいのですか?

A. 空気の乾燥、日照時間の減少、ストレスの増加が主な原因です。

秋冬は空気が乾燥し、皮膚のバリア機能が低下するため、乾癬の炎症が悪化しやすくなります。また、日照時間が短くなることで、免疫抑制作用のある紫外線(UVB)の恩恵を受けにくくなります。さらに、年末年始の忙しさによるストレスや暴飲暴食、風邪などの感染症も悪化因子となります。保湿、加湿、ストレス管理を心がけ、悪化したら早めに皮膚科を受診しましょう。

Q5. 乾癬の治療費はどのくらいかかりますか?

A. 外用薬中心の治療なら月数千円程度、生物学的製剤は高額療養費制度を活用しても月数万円程度かかります。

調査では31.7%が「治療費の負担」を乾癬患者の困りごとに挙げていました。外用薬(ステロイド、ビタミンD3製剤)による治療は保険適用で月数千円程度ですが、生物学的製剤は薬剤費が高額(年間100〜200万円程度)です。ただし、高額療養費制度を利用すれば自己負担額は大幅に軽減されます。経済的な不安がある方も、まずは皮膚科で相談してください。

放置のリスク

・乾癬を放置すると皮疹が全身に広がり、QOL(生活の質)が著しく低下する可能性がある

・約30%の乾癬患者が乾癬性関節炎を発症し、関節の痛みや変形を引き起こすリスクがある

・乾癬患者はメタボリックシンドローム、心血管疾患、うつ病などの合併症リスクが高いことが報告されている

こんな方はご相談ください|受診の目安

・境界がはっきりした赤い斑と銀白色のフケ状の皮が現れた場合

・市販薬を使用しても改善しない、または悪化する場合

・皮膚症状に加えて関節の痛みや腫れがある場合

・秋冬に毎年症状が悪化するパターンがある場合

・日常生活や対人関係に支障が出るほど症状に悩んでいる場合

クリニック案内

アイシークリニックの特徴

・皮膚科・形成外科・美容皮膚科を併設し、乾癬を含む様々な皮膚疾患に対応

・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で土日祝日も診療可能

・保険診療から自由診療まで、患者さんのニーズに合わせた幅広い治療選択肢を提供

・監修医師は皮膚科領域で15年以上の臨床経験を持ち、丁寧な説明と適切な治療計画を提案

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業種
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03-6276-3870
代表者名
高桑康太
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年09月