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公益財団法人東京都歴史文化財団
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「Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024」受賞者決定のお知らせ

公益財団法人東京都歴史文化財団

「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」は、中堅アーティストを対象に、海外での展開も含め更なる飛躍を促すことを目的に、2018年度から実施している現代美術の賞です。
第4回となる「TCAA2022-2024」では新たに野村しのぶ氏が加わり、計6名の委員による選考を経て、津田道子とSaeborgを選出しました。
なお、「TCAA2022-2024」の授賞式及び受賞記念シンポジウムを3/20(日)に開催予定です。


▮ 受賞者と受賞理由  

津田道子|TSUDA Michiko
1980年神奈川県生まれ。2013年東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程映像メディア学専攻修了。

映像メディアの特性に基づき、インスタレーションやパフォーマンスなど多様な形態で制作を行う。映像装置やシンプルな構造物を配置した空間で、虚実入り混じり、パフォーマーとの境界が曖昧になる鑑賞者の視線や動作を、知覚や身体感覚についての考察へと導く。また、2016年よりパフォーマンスユニット「乳歯」として、小津安二郎の映画作品における登場人物の動きを詳細に分析し、そこに内在する人との距離や、女性の役割に関する問題を可視化するパフォーマンスなどを展開する。

<受賞理由>
カメラやスクリーンが、被写体や映像を体験する観客に与える影響に関心を持ち、インスタレーションやパフォーマンスを制作してきた津田道子は、近年小津安二郎の映画におけるカメラフレーム内で「振付された」人物の動きの分析から不可視のジェンダーロールを可視化するパフォーマンス作品を展開している。ノン バーバル ランゲージを綿密に探究する作品は、イメージであれ体の動きであれ、因習が及ぼしている範囲がいかに個に内面化されているかを想起させる。
また教育の現場でもジェンダースタディや社会的な実践としての活動を行い、自分の関心に沿って作品を積み重ねながら、領域を拡大しつつ貪欲に新しい表現に挑戦している。
その芸術的実践と作品はどちらも、鑑賞者に内省と、社会における相互理解を生み出すため、個人的な変革ではなく、構造的な変化の必要性を批判的に自覚させており、改めてそれら活動を貫く関心と動機の一貫した強い制作態度が評価された。
 

Saeborg (サエボーグ)
1981年富山県生まれ。2006年女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻卒業。

半分人間で、半分玩具の不完全なサイボーグとして、人工的であることによって、性別や年齢などを超越できると捉えるラテックス製のボディスーツを自作し、パフォーマンスとインスタレーションを国内外で展開する。カラフルで、デフォルメされた雌豚や牝牛などの家畜や害虫などが繰り広げるパフォーマンスは一見明るく楽し気だが、人間の残酷性や消費の問題のみならず、人間社会における介護やケアの問題にも接続し、強者/弱者、支える側/支えられる側という二項対立ではおさまらない、多様性の受容、共生の問題に発展させている。

<受賞理由>
人間以外の生命体との健全な共存可能性を探索することは、地球温暖化やポストパンデミックの時代に活動するアーティストが意識せざるをえない問題のひとつであるが、作家は人間と家畜の関係を戯画化したパフォーマンスで、屠殺やケア、命の再生産や消費にまつわる生命と感情をめぐるポリティクスを活動の初期から問いかけてきた。生と死という普遍的で「重い」主題を、玩具を連想させる鮮やかな色のラテックスのコスチュームや舞台装置で表象することで、主題の「重さ」に相反する「明るさ」や「軽さ」といった感覚を鑑賞者に与えるが、同時に動物の生命を消費財として扱う人間の無邪気な残酷さをも想起させる。彫刻としての身体やパブリックパフォーマンスを含むその作品は、象徴性、挑発、痛烈な批評、伝染性のダイナミズムに満ちている。
またボディスーツによって拘束され、不自由になったパフォーマーの身体が必然的に「ケア」されるようになるという構造をポジティブなこととして捉える視点は、社会における関係性の認識に一石を投じるものであり、強さと弱さ、支える側と支えられる側、といった固定概念を問いなおす。作家が社会的包摂活動に長くコミットし、その活動があらゆる生命を平等に尊重しようとする制作態度や作品にも強く関連づけられていることは、私たちが真の多様化を目指すにあたり、多くの人々に共有されうるものと評価した。
 


▮ 授賞式及び受賞記念シンポジウム

■授賞式
開催日:3/20(日)14:00-14:30
会場:東京都現代美術館 地下2階講堂(江東区三好4-1-1)

■受賞記念シンポジウム
開催日:3/20(日)14:40-16:10
会場:東京都現代美術館 地下2階講堂

※入場無料・要事前申込・先着順。オンライン配信あり(予約不要)。
※日英同時通訳あり。
※申込方法(2月上旬開始予定)や、シンポジウムの内容について等詳細は後日TCAAウェブサイトにて公開いたします。
※新型コロナウイルス感染症の状況により、変更等が生じる場合があります。

▮ 本賞の概要
Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)は、2018年に東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペースによって創設された、海外での展開も含め、更なる飛躍とポテンシャルが期待できる国内の中堅アーティストを対象とした新たな現代美術の賞です。アーティストのキャリアにとって最適な時期に最善の支援内容を提供する必要性を重視し、受賞者の選考は、選考委員によるアーティストのリサーチやスタジオ訪問により、制作の背景や作品表現、キャリアステージへの理解を深めた上で行われます。受賞者に対しては、海外での活動支援のほか、東京都現代美術館での展覧会およびモノグラフ(日英)の作成など、複数年に渡る継続的な支援を行います。なお、本年よりアーティストへの支援をより充実させるため、海外活動支援の充実や海外発信支援の強化などの見直しを行い、支援期間を延長しました。

 【選考委員】
ソフィア・ヘルナンデス・チョン・クイ(クンストインスティテュート・メリー ディレクター)
高橋瑞木(CHAT(Centre for Heritage. Arts and Textile)エグゼクティブディレクター兼チーフキュレーター)
キャロル・インハ・ルー(北京中間美術館 ディレクター)
野村しのぶ(東京オペラシティアートギャラリー シニア・キュレーター)
鷲田めるろ(十和田市現代美術館 館長)
近藤由紀(トーキョーアーツアンドスペース プログラムディレクター(公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館トーキョーアーツアンドスペース事業課長))

主 催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース
ウェブサイト:https://www.tokyocontemporaryartaward.jp/

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本社所在地
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電話番号
03-6256-9967
代表者名
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上場
未上場
資本金
-
設立
1982年12月
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