ERPC、全リージョンの Solana Shreds・gRPC エンドポイントで防御ロジックとパフォーマンスを同時強化。攻撃増加に対応しつつ低レイテンシ性を向上

全リージョンの Shreds および Geyser gRPC エンドポイントにおいて、防御ロジックとパフォーマンス最適化を同時に行う大規模アップデートを実施

ELSOUL LABO B.V.

ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO が運営する ERPC は、全リージョンの Shreds および Geyser gRPC エンドポイントにおいて、防御ロジックとパフォーマンス最適化を同時に行う大規模アップデートを実施しました。

Solana ネットワークの規模拡大とともに増加し続ける攻撃トラフィックに対応しつつ、正規トラフィックのレイテンシと安定性をさらに高めることを目的に、nftables ルールの強化、ポート構成の最小化・最適化、Shreds ソフトウェアのアップデート、および gRPC ノードへのフィード設計の見直しを行っています。

これらの施策により、バリデータ運用スコアの改善と、Shreds・gRPC の全リージョンにおけるパフォーマンス向上が確認されています。

Solana のスケール拡大と攻撃トラフィックの増加

Solana は、DeFi・NFT・トレーディングボットなど多様なユースケースの拡大により、ネットワーク全体のトラフィックが年々増加しています。 

それに伴い、DDoS 的な集中アクセスや、無効なリクエストを大量送信する攻撃的トラフィックも増加しており、バリデータや RPC ノードのインフラに対して、これまで以上に高い防御力と選別能力が求められる状況となっています。

このような環境の変化に対応するため、ERPC と Validators DAO では、日々の RPC およびバリデータ運用から得られるログやメトリクス、スコアの変化を分析し、Shreds・gRPC・RPC それぞれのレイヤーに対して継続的なチューニングを行ってきました。

今回のアップデートは、その中でも特に効果が大きかった防御ロジックの強化と、Shreds 配信ソフトウェア・アップデート、gRPC ノードに対する適切なShreds フィード構成の最適化を、全リージョンに横展開したものです。

nftables 強化とポート最小化による防御・負荷バランスの改善

今回のアップデートでは、nftables を中心としたネットワーク防御レイヤーを再設計し、次のような改善を行いました。

  • 不要なポートの最小化と、ポート構成の最適化

  • ルールセットの整理とチューニングによるマッチ順序の見直し

  • 攻撃シグネチャや疑わしいトラフィックパターンの早期遮断

  • Shreds・gRPC・RPC 向けの正規トラフィックを優先的に通過させる設計

これにより、ルールをより堅牢にしながらも、正規トラフィックが通過する際のオーバーヘッドを抑えた構成となりました。 

攻撃トラフィックや異常トラフィックを入口で早期に遮断することで、バックエンドの Shreds ノードや gRPC ノードにかかる負荷を軽減し、結果として正規リクエストの処理安定性とレイテンシの両方が向上しています。

Shreds 配信ソフトウェアアップデートと gRPC ノードへのフィード最適化

Shreds 配信ソフトウェア自体もアップデートを行い、いくつかのパフォーマンス最適化を適用しました。 

これにより、Shreds の受信・処理・転送パイプラインが全体として効率化され、同一ハードウェア上でも、より安定したスループットとレイテンシを実現しています。

さらに、アップデートされた Shreds を Geyser gRPC ノードへフィードする経路や方法を見直すことで、gRPC エンドポイント側のパフォーマンスも向上しています。 

Shreds レイヤーでの最適化が、そのまま gRPC の速度と安定性に反映される構成となっているため、Shreds と gRPC の両方を同時に利用するワークロードにおいて特に効果が現れています。

nftables の強化により攻撃トラフィックを入口で早期に遮断できるようになり、アップデートされた Shreds ソフトウェアと最適化された gRPC ノードへの Shreds フィードが常に最新ブロックへ追従しやすい状態を保てるようになりました。これにより、正規トラフィックに対して処理リソースを優先的に割り当てられるようになり、全体として負荷軽減とパフォーマンス向上の双方を実現しています。

バリデータ運用スコアの向上

これらのアップデートは、ERPC および Validators DAO が運用する Epics DAO バリデータにおいても、具体的なスコア改善として確認されています。

  • Low Latency Vote スコア 

    99.90% 水準から 99.95% 水準へ向上

  • Consensus Voting スコア 

    99.97% 水準から 99.99% 水準へ向上

攻撃トラフィックや無効なリクエストを早期に排除し、正規トラフィックに対して安定した帯域と処理リソースを確保することで、投票関連トラフィックの遅延や揺らぎを抑制できています。 

これらの知見は、バリデータに限らず、Shreds・gRPC・RPC など ERPC が運用する全てのレイヤーにフィードバックし、プラットフォーム全体の品質向上につながっています。

参考: https://xshin.fi/#Validators?pubkey=EpicsoqLdDP8qRn3wQRKTSKAXbjK9dUgFfNPRQS77MQD 

Shreds・gRPC 全リージョンのパフォーマンス改善

今回のアップデートにより、次のような構成を全リージョンで標準化しています。

  • アップデートされた Shreds ソフトウェアによる高効率処理

  • gRPC ノードへの Shreds フィード経路の最適化

  • nftables を用いた防御ロジックの強化と負荷軽減

  • 必要最小限に絞り込まれたポート構成と最適化されたルールセット

これにより、Shreds・gRPC のエンドポイントにおいて

  • スロットギャップの発生頻度の低減

  • レイテンシの安定性向上

  • 高負荷時における処理詰まりの軽減

といった効果が全リージョンで確認されています。

グローバル近接データソースと DoubleZero ネットワーク

多くの Shreds 系サービスが主にフランクフルト(FRA)をデータソースとして提供しているのに対し、ERPC はグローバルなデータソースを活用しています。

現在、ERPC の Shreds・gRPC は次のような構成を採用しています。

  • 対応リージョン 

    Amsterdam(AMS)、Tokyo(TYO)、New York(NY)、Chicago(CHI)、Salt Lake City(SLC)、London(LON)、Singapore(SGP)、Frankfurt(FRA)

  • ネットワーク構成 

    全リージョン DoubleZero 対応 

    Jito Block Engine や主要 Solana バリデータと同一ネットワーク、もしくは PNI(Private Network Interconnect)で直接接続

この構成により、各リージョンから最寄りのデータソースに対してゼロ距離に近い形でアクセスできるようになっており、単一の欧州拠点に依存する構成と比較して、グローバル全体でより均一なレイテンシと安定性を実現しています。

Bundle プランによる一括提供

ERPC では、Solana RPC・Geyser gRPC・Shredstream を統合的に利用できる Bundle プランを提供しています。

Bundle プランでは、次のエンドポイントを一括でご利用いただけます。

  • Solana RPC(HTTP / WebSocket)

  • Geyser gRPC(フィルター制限なし)

  • Shredstream gRPC

これらは同一ネットワーク上で連携して動作しており、高頻度トレードボットやストリーム処理アプリケーションは、複数のストリームを並列購読しながら、最速の経路を選択するワークフローを構築できます。

今回の防御ロジックおよび Shreds・gRPC 最適化アップデートは、Bundle プランで提供される全リージョンのエンドポイントに反映されており、開発から本番運用まで一貫した高品質な環境をご利用いただけます。

EPYC VPS / Premium Ryzen VPS によるゼロ距離構成

ERPC では、Bundle プランで提供する各種エンドポイントと同一ネットワーク内で動作する VPS 群も提供しています。

コストパフォーマンスを重視した EPYC VPS に加え、より高いクロック性能を求めるプロジェクト向けに、5.7GHz 帯 Ryzen CPU を採用した Premium Ryzen VPS シリーズもラインナップしています。

Premium Ryzen VPS は次のような特徴を備えています。

  • 世界最速クラスの 5.7GHz 帯 Ryzen CPU

  • ECC DDR5 メモリおよび NVMe4 ストレージ

  • 25Gbps × 2 の高速ネットワーク

  • CPU・メモリ・ストレージのオーバーコミットを一切行わない専有設計

  • Jito Block Engine や Shredstream ノード、 Geyser gRPC ノードと同一ネットワーク内で稼働するゼロ距離構成

これにより、ベアメタルサーバーに匹敵する処理性能と、VPS ならではの柔軟なスケール性・多リージョン展開を両立できます。 

トレードボットやアービトラージロジック、リアルタイム監視、Shreds 解析など、レイテンシに敏感な用途において、多くのご利用者の皆様から高い評価をいただいています。

今回の Shreds・gRPC パフォーマンスアップデートは、同一ネットワーク内で動作する VPS 群にも直接恩恵があり、アプリケーションから見た実効レイテンシの改善や、負荷が高い時間帯における安定性向上につながっています。

ご利用方法・お問い合わせ

ERPC が提供する Solana RPC、Geyser gRPC、Shredstream、各種 VPS・Premium VPS は、Validators DAO 公式 Discord からお申し込みいただけます。

Validators DAO 公式 Discord: https://discord.gg/C7ZQSrCkYR 

サービス構成や在庫状況、専有構成や特別なネットワーク要件などについてご相談がある場合は、Validators DAO 公式 Discord 内のサポートチケットからお問い合わせください。

ERPC、Validators DAO が解決する課題

  • RPC 環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動

  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限やオーバーコミット

  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ

  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況

私達は、オープンソース開発を支援する Solana NFT カードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速な Solana 開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。 

そのため独自のプラットフォームを構築し、その知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。

金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルであり、遅延やエラーは直接ユーザー体験に影響します。 

分散したバリデータや Web3 特有の構造が重なり合う Solana 開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さに悩まされてきました。

今後、Solana が Alpenglow をはじめとする次世代技術を導入することで、ブロック確定の高速化と通信レイヤーの刷新が進むと予想されています。 

ERPC および Validators DAO は、それらの変化にも柔軟に対応しながら、Solana エコシステム全体の開発体験とユーザー体験の向上に貢献していきます。 

ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。

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会社概要

ELSOUL LABO B.V.

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RSS
URL
https://labo.elsoul.nl/ja/
業種
情報通信
本社所在地
Joop Geesinkweg 501 ,AMSTERDAM-DUIVENDRECHT, Amsterdam, Noord-Holland, 1114AB, NL
電話番号
316-8722-8310
代表者名
川崎文武
上場
未上場
資本金
140万円
設立
2020年09月