動物実験の代替法開発や動物実験廃止に向けた活動を推進する世界最大のプライズ『Lush Prize 2017』、若手研究者部門アジアにおいて日本人が受賞に輝く
〜 世界中の活動に総額33万ポンド(約4,600 万円) を助成〜
動物を使用しない毒性学の研究開発分野で世界最大規模、また動物実験代替法を推進し、1R※にフォーカスする唯一の賞であるLush Prize(ラッシュプライズ)。設立6年目となった『Lush Prize 2017』では、「若手研究者部門アジア」において、日本人として、高崎健康福祉大学 助手 小山智志氏が受賞に輝きました。
※プレスリリースのPDFはこちらから
https://prtimes.jp/a/?f=d6160-20171113-9971.pdf
Lush Prizeは、2012年、英国を拠点とし世界49の国と地域で展開する化粧品ブランドLUSH(ラッシュ)と、英国の消費者団体であるエシカルコンシューマー・リサーチアソシエーション(Ethical Consumer Research Association)が共同で設立した、動物実験に頼らない研究開発支援や動物実験の廃止に向けた活動を推進することを目的とした賞です。これまでに、合計180万ポンド(約2億5,000万円)が助成されてきました。
Lush Prizeの5つある部門のうち「若手研究者部門」において、昨年から新設された、日本を含むアジア地域を対象とした「若手研究者部門アジア」にて、日本人を含む合計3名が受賞し、各受賞者につき1万ポンド(約140万円※)が、11月10日(金)、ロンドンで開催された授賞式にて授与されました。
なお、「Lush Prize 2017」は、「サイエンス」「トレーニング」「世論喚起」「ロビー活動」「若手研究者」の5つの部門で構成されています。今年の応募は過去最高の38カ国からあり、そのうち合計11カ国、18の研究者や活動家、団体が選出され、総額33万ポンド(約4,600万円)が授与されました。
Lush Prize 若手研究者部門アジアについて
「若手研究者部門アジア」は、動物実験に頼らない代替法開発、及び研究を行う35歳以下の研究者を対象にしており、Lush Prizeが、動物を使用しない研究技術への関心が急速に高まっているアジア地域における若手研究者を対象に昨年新設した部門賞です。
「若手研究者部門アジア」を設けることで、動物を犠牲にすることなく研究開発に従事する若手研究者たちを支援することができます。これまで毒物学の分野においては、動物実験を軸に研究が進められていましたが、そのような実験方法を前にした若手研究者たちは、研究意欲が軽減している事実もあります。また、動物を使用しない実験に取り組もうとする研究員たちの予算は限られているのが現状です。同賞は今年3名の研究者にそれぞれ1万ポンドが授与され、各人の研究支援につながります。
なお、Lush Prize 2017 若手研究者部門アジアにおける日本人受賞者は以下の通りです。
◆ 小山 智志氏 / 高崎健康福祉大学 助手
「代謝誘導に基づく毒性変動の評価のためのHepaRG培養系の開発」
「Lush Prize 2017」主な受賞内容について
「Lush Prize 2017」における、代表的な受賞者及び受賞内容を以下にご紹介します。
◆The Human Toxicology Consortium Project
科学者や規制当局に Adverse Outcome Pathways(有害転帰経路:体内に入った化学物質の健康影響を経路化することで、その予測を大幅に改善し、安全試験における動物使用を終わらせる可能性を持っている)についてトレーニングを提供
◆AFABILITY(Animal Friendly Affinity Reagents)
イギリスで年間100万にのぼる使用がある動物由来の抗体を代替しようとするフランスとイギリスのイニシアチブ
◆NGO Te Protejo
動物実験が行われていない化粧品を推奨するチリのチャリティ
◆A Harvard University team(ハーバード大学のチーム)
生体機能チップモデルを組み立てる3Dバイオプリンティングのプラットフォームを開発
また、「Lush Prize 2017」のフォーカスである生体機能チップ技術に関する詳細情報は、以下のリンクからご覧いただけます。
https://jn.lush.com/article/lush-prize-organ-chip-technologies-and-replacing-animal-testing-0
※ 換算レート: 1ポンド140円
※ 1Rとは: 動物実験の基準についての理念として3R(「Replacement(代替)」「Reduction(削減)」「Refinement(改善)」)が掲げられており、Lush Prizeでは、動物を使用しない実験方法への転換を意味する「Replacement」のみを評価しています。
<参考>
「Lush Prize」とは
「Lush Prize」は、ラッシュと英国の消費者団体エシカル・コンシューマー・リサーチアソシエーションが、2012年に共同で創設。動物を使用しない毒性学を推奨し、動物実験の廃止を目指して非人道的でない研究、世論喚起、ロビー活動を行う個人、または団体の活動を称えることを目的としています。毎年、受賞者への賞金は年間最大総額25万ポンド以上 が授与され、動物を使用しない実験分野では世界最大規模、動物実験代替法を推進し、1Rにフォーカスする唯一の賞です。「Lush Prize」は、金銭的支援にとどまらず、受賞者の研究や活動の評価や評判を高めるほか、より優れた、最適な代替法に完全移行するために誰もが協力しあう必要性を、政府や科学者、市民に対して伝える機会となっています。
世界中の団体、または組織、個人がノミネートされた最終候補者リストから、研究者、学術関係者、活動家及びラッシュのスタッフから構成される独立した審査委員会の審査により選出されています。
http://lushprize.org/2017-prize/2017-judges/
過去の受賞者の詳細情報は、公式サイトでご覧いただけます。http://www.lushprize.org/ja/
Lush Prizeの公式サイトは、日本語、中国語、韓国語、スペイン語など11カ国語に対応しています。
ラッシュとは
LUSH(ラッシュ)/英国生まれのフレッシュハンドメイドコスメブランド。創立以来、新鮮さとオーガニックにこだわった、採れたてのフルーツや野菜、香り高いエッセンシャルオイルを使い、一つひとつ手作りしています。また、原材料は地産地消にこだわり、可能な限り国内で入手し、全ての製品をキッチン(神奈川県の製造工場)で生産し、フレッシュな状態でお客様に商品をお届けしています。
また、ラッシュは、人・動物・環境に配慮したビジネスを展開しています。化粧品の動物実験廃止や、容器のリサイクルはもちろん、ゴミをゼロに近づけるためにプラスティック容器や包装を必要としない固形商品の開発など、ビジネスを通して社会に存在する様々な課題の解決を目指し、持続的な取り組みを推進しています。
なお、若手研究者部門アジアを受賞した小山氏の授賞式の写真、またインタビューなどのご要望は、弊社までお問い合わせをいただけますと幸いです。
Lush Prize 2017 受賞者一覧
Lush Prize 部門紹介
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