異種ロボット間の地図シェアリングの実現に向けた共同研究を開始
-労働力不足を解消する多様なロボットと共生する社会の実現へ-
サービスロボット市場の高まりを受け、NTT西日本では「Smart10x」における新領域ビジネスの拡充・拡大に向けた取り組みとして、労働力不足を解消すべく、あらゆるサービスロボットが協調・連携し、人に寄り添った様々なサービスを提供する社会実現をめざした研究開発に取り組んでいます。具体的には、生活空間でロボットが安全走行するために必要となるロボットのための地図基盤に着目し、サービスロボット毎の地図生成が必要となる従来の垂直統合型の地図生成・管理方式ではなく、様々なロボット間で地図を効率的に共用できる地図シェアリング方式に関する技術確立を推進しています。
一方、テルウェル西日本では、ビジネスユーザー向けに遠隔制御した小型の清掃ロボットでオフィス(事務室)・店舗などの掃除機掛け作業を自動で行い、その清掃結果をタブレット・PC等で確認することができるサービス「クラウド型オフィスロボット清掃サービス ロボ★メン」を2022年4月より提供※1しており、今後「ロボ★メン」のプラットフォーム上に様々なロボットをラインナップすることを検討しています。
本研究では、両社の技術やノウハウを持ち寄り、「ロボ★メン」をユースケースとした、NTT西日本の地図シェアリング方式に関する技術の実用化に向けた有効性について実証・評価を行います。
※1 「クラウド型オフィスロボット清掃サービス ロボ★メン」は、清掃現場が抱える人手不足・高齢化等の課題解決と「ハイブリッド清掃」(人とロボットが融合した清掃現場の働き方)の促進を目的にテルウェル西日本が提供するサービスです(https://www.telwel-west.co.jp/archives/robomen-220322)
【取り組みイメージ】
2.発表内容の概要
本研究では、今後普及が想定されるサービスロボット間で地図を共用するための地図シェアリング技術の確立のため、異なる時間帯または異なるロボットで生成された隣接地図を一つの地図に統合する地図統合技術、および、ロボット仕様に合わせた地図に変換する地図変換技術に関する実証・評価を行います。具体的には、実フィールドトライアルを通じて、本技術において統合・変換された地図を「ロボ★メン」サービスにおいて商用提供されているオフィス清掃ロボットやその他ロボットに配信し、それらロボットが清掃などの業務を完遂できるかなどのフィージビリティ評価に加え、現場スタッフがWEBアプリケーションを用いて地図統合・変換などの操作を問題なく遂行できるかなどのユーザビリティ評価を行います。
(1)実施期間
2022年7月21日~2023年3月31日
(2)実施場所:
大阪府大阪市
(3)役割分担
NTT西日本:本研究の全体管理、地図統合・変換技術の提供、フィールド評価取りまとめ
テルウェル西日本:実フィールドの提供、清掃業界のノウハウ提供、ロボ★メンシステムの提供、フィールド評価
【本研究におけるシステム構成概要】
【地図統合・変換技術概要】
3.今後の展開について
本研究で得られた地図シェアリング技術に関する知見等の成果により、様々なロボット間で地図を共用できる地図基盤技術の確立が期待できます。今後は、2022年11月開催予定のNTTグループの展示会で本技術のプロトタイプを出展するとともに、清掃ロボットだけではなく、配達ロボットや警備ロボットなどの様々なロボットの自律移動に必要となる地域に根差した地図基盤(ローカルダイナミックマップ基盤)を整備し、NTTグループで取り組む4Dデジタル基盤などに組み込んでいくことでIOWN構想※2に資する技術としての展開もめざしてまいります。
※2 IOWN (Innovative Optical and Wireless Network)構想はNTTが2030年頃の実用化に向けて推進している次世代コミュニケーション基盤の構想です(https://www.rd.ntt/iown/0001.html)
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