米・露・中に囲まれた日本が進むべき道とは?ロシアの脅威の中で生き抜いた"狭間国家"に学ぶ『狭間国家の地政学』8/5発売
なぜプーチンはアゼルバイジャンに謝罪したのか?大国の脅威に抗う旧ソ連諸国の「複線化」戦略から、日本の活路を探す
株式会社東洋経済新報社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山田徹也)は、廣瀬陽子氏による新著、『狭間国家の地政学』を2026年8月5日に発売いたします。

米国、ロシア、中国といった巨大な軍事力や経済力を持つ大国の思惑が交錯する現代。小国はどのようにして、自国の主権を守り国家の存続を図ってきたのか?
本書では、ロシアという大国の隣で過酷な地政学的制約にさらされながら、狭間で生き抜いてきた旧ソ連諸国を「狭間(はざま)国家」と定義。その生存戦略を解き明かします。
本書の主なトピック
旧ソ連諸国の政治決断は4タイプに分けられる
軍事、エネルギー、情報戦など様々なツールを用いる大国・ロシアに対して、旧ソ連諸国はどのように向き合ってきたのでしょうか。各国が置かれた安全保障の脆弱性や、エネルギーの自由度により、生き残るための選択は大きく分かれています。本書では、「離反型」「バランス型」「依存型」「中立型」の4タイプに分けて分類しています。

世界でも稀有、プーチンに頭を下げさせた「アゼルバイジャン」
アゼルバイジャンは、カスピ海の良質な石油など豊富な資源を有し、外交上の武器としています。ロシアの影響圏にありながら、トルコと軍事連携し、イスラエルとも手を組むというバランス外交を展開しています。2024年12月に発生したアゼルバイジャン航空機墜落事故をめぐる対応においては、決して謝罪しないことで知られるプーチン大統領から「異例の謝罪」を引き出しました。

中央アジアが実践する「複線化」の知恵
「ロシアの裏庭」であると同時に「中国の大陸戦略の出発点」でもある、カザフスタン、ウズベキスタンなどの中央アジア。この地域は、中露の二者択一ではなく、両者の圧力と利害を競わせながら、自国の主権と裁量を少しでも広げようとしてきました。
安全保障、エネルギー、物流、決済手段といった国家の「回線」を複数もつことでリスクを分散させる「複線化」を実践し、よりハイレベルな独立を維持しようとしています。
本書では、その中でも最も巧みに複線化を実践しているカザフスタンを紹介しています。ロシアとは安全保障面で関係を維持しつつ、中国とは資源と物流で結びつき、さらに欧米とは投資や人材交流を通じて交流を深めています。特定の陣営に深くコミットするのではなく、複数の大国と同時に関係を結ぶ「マルチベクトル外交」を実践しています。

米露中に囲まれた「狭間国家」である日本の進むべき道とは?
日本ではハイブリッド戦争(軍事的な作戦と、サイバー攻撃や情報戦、心理戦を組み合わせて相手を混乱させる現代的な戦争の形態)が国家の危機につながるという意識は薄いのが現状です。しかし、ロシアによる日本への情報戦やサイバー攻撃はすでに確認されており、今後さらに増える可能性があります。国を挙げてこの脅威への認識を高めることが急務です。
本書では、そうした見えない脅威(情報戦・偽情報)に対して、市民レベルで今日からできる「サイバー衛生」として、リテラシーを高める「5つのC」を提唱しています。
市民がリテラシーを高めるための5つのC
・Curiosity(好奇心) 関心を幅広く持ち、より多くの国の様々な機関の情報にアクセスする
・Contact(接点) 様々な形で、色々な国の人と直接的な接点を持つ
・Critical Thinking(批判的思考)批判的な目を持って偽情報を見抜き、情報を取捨選択する力をはぐくむ
・Credibility(信頼) 相手を信じ、寄附やボランティアなどを通じて信頼関係を構築する
・Continuity(継続) 単発で終わらせずに、継続的に良好な関係を進展させていく
さらに本書では、こうした市民レベルの対策にとどまらず、「国家としてどう立ち回るべきか」にまで踏み込んでいます。大国に振り回されず、リスクを分散し「複線化」を行うためにはどうすべきか。フィンランドに学ぶレジリエンス強化など、日本が生き残るための具体的な提言はぜひ本書でお確かめください。
著者プロフィール

廣瀬 陽子(ひろせ ようこ)
慶應義塾大学総合政策学部教授。1972年東京生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科准教授、静岡県立大学国際関係学部准教授、慶應義塾大学総合政策学部准教授などを経て現在に至る。2018年~2020年には国家安全保障局顧問を務めるなど、政府の役職も多数。著書に『コーカサス 国際関係の十字路』(集英社新書、アジア・太平洋賞特別賞受賞)、『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略』(講談社現代新書)、『未承認国家と覇権なき世界』(NHK出版)、『ロシアと中国 反米の戦略』(ちくま新書)、『新しい地政学』『ウクライナ危機以後』(共著、いずれも東洋経済新報社)など。各種メディア出演も多数。
書誌情報
狭間国家の地政学/廣瀬 陽子著
定価:2,420円(税込)
発売日 : 2026年8月5日
ISBN : 978-4-492-44496-2
体裁 : 四六判/並製/314頁
発行元:株式会社東洋経済新報社
東洋経済ストアサイト:https://str.toyokeizai.net/books/9784492444962/
Amazonページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4492444963
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