「歯の本数が多く、かみ合わせが良いほど医療費が低い」サンスター、25万人の歯と医療費を分析した論文を日本歯科医療管理学会雑誌で発表

 サンスターグループ(以下サンスター)は、20才から74才の労働者約25万人の定期健康診断結果と医療機関の診療情報(診療報酬明細書=レセプト)を基に、歯の本数、かみ合わせと、医科医療費の関係を分析しました。その結果、歯の本数が多いほど医科医療費が低いこと、上下の歯が揃いかみ合わせが良好なほど医科医療費が低いこと、歯の本数が同程度でも上下の歯がかみ合う領域が多いほうが医科医療費は低いことが判明しました。これらのことから、なるべく多くの歯を残し、上下の歯でかめる状態を保持することが医療費抑制と健康維持に重要であることが示唆されました。この研究結果をまとめた論文が、2021年6月30日発刊の日本歯科医療管理学会雑誌 第56巻第1号に掲載されました。
<研究概要>
◆研究の背景・目的
 日本の国民医療費は高齢化に伴い、1990年の約20兆円から2013年に40兆円を突破して以降2019年も過去最高を更新する見込みです。このうち高齢者医療費は6割を占め、がん、心血管疾患、糖尿病などの生活習慣病の割合が高いことから、健康的な生活習慣づくりが重要視されています。*1 
 その中で、歯の本数が多いほど生存期間が長く、糖尿病、心血管疾患、がんなどにかかる人が少なく、お口の健康維持が医療費抑制につながるとの報告が増えています。ただし、それらの調査では、高齢者を中心としたものが多く、歯の本数も20本以上か否かの判別に留まっています。また、上下の歯が揃ってきちんとかめる口を維持することと全身の健康状態の関係についての研究は多くありません。
 そこで、本研究では、複数の企業・団体の健康保険組合の診療報酬明細書と定期健康診断結果(匿名加工済の情報)から、労働者の歯の本数、上下の歯のかみ合わせと医科医療費の関係を検証しました。

*1:厚生労働省 「平成30年度 国民医療費の概況」

◆対象者属性
 複数の健康保険組合の定期健康診断受診者約70万人のうち、2015年度に歯科医院の受診歴があり、歯の本数とその部位が確認でき、医科を受診した20才から74才までの男女247,019人を分析しました。
(年齢分布は男女とも40代が多く、20代~40代は女性が多く、50代~74才は男性が多い)

◆主な評価項目
 歯式情報(歯の部位がわかる情報)で「親知らず」を除く歯の本数、アイヒナー分類(上下の歯の欠損の有無、上下の歯がかみ合う領域の多さで分類)による歯の咬合(かみ合わせ)状態、歯の本数と医科医療費の関係、咬合状態と医科医療費の関係、歯の本数・咬合状態と医科医療費の関係を評価しました。

<研究結果の詳細>
◆歯の本数、咬合(かみ合わせ)状態
 歯の本数は、男女とも年齢が上がるほど減少し、60才で平均25本以下でした。男女を比較すると、20代~30代は女性がやや少なく、40代以降は男性がやや少なく、70代は女性がやや少ない状況でした。
 咬合状態は、上下の歯がかみ合う領域がすべて揃った良好な咬合状態の人が、20代~30代では約9割でしたが、60代以降では約6割と、男女とも年齢が上がるほど咬合状態が悪化する傾向がみられました。

◆歯の本数と医科医療費の関係
 男性の20代~30代以外の男女の各年代で、歯の本数が多いほど医科医療費が有意に低く、歯が1本~数本抜けた程度でも、本数の低下に伴う医科医療費が増加する傾向がみられました。

◆歯の咬合と医科医療費の関係

 男性の20代~30代以外の男女の各年代で、歯の咬合状態が良好であるほど医科医療費が有意に低く、咬合状態が最良のA分類の人の中でも歯の欠損箇所が少ないほど医療費が低くなる傾向がみられました。
(アイヒナー分類= A分類:左・右の小臼歯部と大臼歯部の4領域全てで上下の歯がかみ合う良好な状態、A1:欠損歯なし、A2:上の歯か下の歯のどちらかで欠損歯あり、A3:上下とも欠損歯あり、B分類:上下の歯でかみ合う領域が3領域以下、C分類:上下の歯でかみ合う領域がない)

◆歯の本数・咬合と医科医療費の関係

 女性で歯の本数が19本以下の場合を除き、歯の本数が同程度の場合、咬合状態が良いほうが(アイヒナー分類でA分類の人がB分類以下の人よりも)、医科医療費が有意に低いという結果が得られました。


◆結論

 歯の本数の多さに加えて、咬合状態が良好であるほど医科医療費が少ないことが確認されました。高齢者だけでなく、働く若い年代のうちから歯や咬合の状態をよく保ち、上下の歯で食べ物をしっかりかめる口を維持し続けることが、口腔の健康のみならず、全身の健康維持においても重要であると考えられます。


●研究結果に関する歯科専門家コメント
大阪大学名誉教授、歯科医師、歯学博士、サンスターグループ顧問 雫石聰(しずくいし さとし)先

 最近、ビッグデータの活用が社会のいろいろな分野で行われてきています。今回の研究は複数の健康保険組合のレセプト情報と定期健康診断情報のデータベースを基に、働く人々の口腔の健康と医科医療費との関係を明らかにしたものであり、ビッグデータの活用という点からも先進的な研究であり、このような科学的根拠の積み重ねは社会にとって価値のあるものといえます。
 この研究結果では、歯を失う本数の少ない人ほど、また、かみ合わせの良好な人ほど医科医療費が少ないことが明らかとなり、口腔の健康状態の良い人ほど全身の健康状態が良好と考えられました。このことは、口腔の健康が糖尿病や循環器疾患などの生活習慣病などと密接に関連しているという数多くの研究報告を裏づけています。
 超高齢社会において、働く世代から口腔の健康に十分気を配り、日常的な口腔ケアと定期的な歯科検診の受診が極めて重要です。また、歯の喪失を防ぎ、良好なかみ合わせで、どのような食べ物もしっかりかんで食べることにより、全身の健康を維持増進することは、喫緊の課題である医療費増大の抑制にもつながることが期待されます。


【サンスターグループについて】
サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、オーラルケア、健康食品、化粧品など消費者向けの製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・スイスSA(スイス)と、自動車や建築向けの接着剤・シーリング材、オートバイや自動車向け金属加工部品などの産業向け製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・シンガポールPte. Ltd. (シンガポール) を中核会社とする企業グループです。

100年mouth 100年health
人生100年時代、サンスターが目指すのは、お口の健康を起点とした、全身の健康と豊かな人生。毎日習慣として行う歯みがきなどのオーラルケアは、お口の健康を守り、そして全身の健康を守ることにもつながっています。100年食べ、100年しゃべり、笑う。一人ひとり、自分らしく輝いた人生、豊かな人生を送るためにも、お口のケアを大切にしていただきたいと考えています。今後もお口の健康を起点としながら全身の健康に寄与する情報・サービス・製品をお届けすることで、人々の健康寿命の延伸に寄与することを目指していきます。

 

 

※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります。

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※内容はプレスリリースにより異なります。

  1. プレスリリース >
  2. サンスターグループ >
  3. 「歯の本数が多く、かみ合わせが良いほど医療費が低い」サンスター、25万人の歯と医療費を分析した論文を日本歯科医療管理学会雑誌で発表