三菱電機グループの技術を紹介する「三菱電機技報」全バックナンバーを公開

1925年に創刊した技術広報誌の100周年を記念

三菱電機株式会社

技術広報誌「三菱電機技報」1925年3月号(創刊号)表紙

 三菱電機株式会社は、1925年(大正14年)3月に創刊した三菱電機の技術広報誌「三菱電機技報」が100周年を迎えたことを記念して、1925年3月に発行した創刊号から最新号までのすべてのバックナンバー(計1,134号分)を当社オフィシャルウェブサイト内の「三菱電機技報」サイトで本日公開しました。

 「三菱電機技報」は創刊以来、三菱電機グループのあらゆる技術・分野の最新技術を毎号、論文形式で紹介しており、電機業界を中心に産業界の発展や社会への貢献を目的に発行してきました。創刊当時から、100年間にわたって鉄道用電気設備やエレベーターの技術をはじめ、家庭から宇宙まで当社グループの幅広い分野の技術論文を蓄積しており、当社の開発者たちにとっても受け継がれてきた技術の歴史や進歩を理解し、次の開発につなげていくための基盤となっています。各号には、その時代で得られた開発成果を掲載しており、特に初期(1920~1930年代)は、海外の技術を積極的に取り入れ、日本の電機産業発展の礎に貢献してきました。

 2023年4月号以降は、時代の変化に合わせ、冊子の発行を廃止してウェブサイトのみの公開へ移行し、バックナンバーについても、段階的にデジタル化しウェブ上での公開を進めてきました。今回100周年を記念し、過去の技術を振り返り、新たな可能性を追求していく意志を込めて、ウェブ上で未公開であった創刊号から1959年12月号までを新たに公開し、全バックナンバーを当社オフィシャルウェブサイト上で閲覧可能にしました。

2023年3月以前に発行していた「三菱電機技報」冊子

 さまざまな時代において、電機分野を中心に科学技術の発展のために研究し続けてきた当社ならではの技術を、今後も広く発信し、当社グループの製品やサービスを通じた社会のさらなる発展と人々のより豊かな暮らしの実現に貢献していきます。

 全バックナンバーは以下「三菱電機技報」サイトよりご覧いただけます。

<「三菱電機技報」サイト>

https://www.MitsubishiElectric.co.jp/giho/

■初期(1920~1930年代)の「三菱電機技報」で紹介した製品・技術と今

1.電鉄用電気機械(現:鉄道用電気設備)

・1920年代半ばには国内主要都市で鉄道の電化が進みました。当社は、回転変流機(※1)、制御器(※2)などの電鉄用電気機械(鉄道用電気設備)を開発し国産化を進め、都市交通の発展に貢献しました。(1925年5月号より)

・その後、技術開発が進み、現在では回転変流機はシリコン整流器や自励式変換器(※3)、制御器は主幹制御器(※4)と推進制御装置(※5)(VVVFインバータや主変換装置)へと進化し、省電力化や小型・軽量化で高性能化を実現しました。今では、当社の鉄道用電気設備は日本をはじめ世界約40カ国で採用されており、環境に配慮し、安全・快適な鉄道輸送を支えています。(2025年7月号、2023年9月号などで最新技術を紹介)

200kW600V回転変流機
KR-58型 制御器

2.三菱電気冷蔵器(現:三菱冷蔵庫)

・昭和初期には、食料品の冷蔵が普及する一方で、氷を使って冷蔵する氷式冷蔵庫は、氷が解けることで温度が上昇してしまうという難点がありました。1933年、当社として初めて発売した三菱電気冷蔵器(冷蔵庫)は、冷凍剤が気化するときに熱を吸収する原理を利用して庫内を冷却し、モーター制御により自動で庫内を摂氏10度以下に維持するとともに、腐食が少なく丈夫な金属製の筐体を採用して熱の絶縁性能も高めるなど、食料品保存の長期化などを通じて食生活の利便性向上に寄与しました。(1933年5月号より)

・最新の三菱冷蔵庫では、冷蔵室、冷凍室、製氷室、野菜室など庫内を部屋ごとに分け、AIが各家庭の使い方を自動で学習(※6)して庫内の温度変化を予測しながら部屋別に最適な運転や食料品保存を実現するなど、生活スタイルの変化にあわせて食生活のさらなる利便性向上に貢献しています。(野菜冷凍で食品ロスを削減する「できちゃうV冷凍」(※7)搭載の最新機種(※8)を2025年10月号で紹介)

三菱電気冷蔵器 第1号

3.三菱エレベーター

・1930年代初頭、大都市の発展に伴い建物の階層が増加し、エレベーターの重要性が高まっていました。多人数向け高級エレベーターの需要拡大を受けて輸入品が普及する中、当社は乗客の快適性を追求した可変電圧式(※9)のエレベーターを開発・製造しました。当時の大きなオフィスビルに納めた当社製エレベーターは、分速350フィート(約106m/分)、停止階が少ない高速エレベーターは、分速500フィート(約152m/分)の速度でした。(1933年7月号より)

・その後、乗客の快適性を維持・向上しながらエレベーターの速度を上げる技術の開発が進み、2016年、中国・上海市のビル「上海中心大厦」(地上632m)に納入した当社製エレベーターにおいて分速1,230mを達成しました。(2017年3月号で紹介)

三菱エレベーター

■三菱電機グループについて

 私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie®」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2024年度の連結売上高は5 兆5,217 億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。

※1 電力会社からの商用周波の電力を回転機により鉄道用の直流に整流する装置

※2 運転士からの指令に応じて主電動機の入力電圧を可変して回転数とトルクを制御する装置

※3 電力会社からの商用周波の電力を半導体素子により鉄道用の直流に整流変換する装置。

    また、自励式変換器は双方向の電力変換が可能で回生が可能

※4 運転士の操作により力行・ブレーキ指令を推進制御装置に入力する装置

※5 力行・ブレーキ指令に応じて、加速・減速に必要な電力(電流、電圧、周波数)を制御して

    主電動機を駆動する装置。直流き電では直流入力のVVVFインバータを用い、交流き電では

    交流入力を変換する主変換装置(コンバータ・インバータ)を用いる

※6 各部屋の扉の開閉回数や冷蔵庫の運転状況などから、AIが各家庭の使い方を分析・学習する

    「全室独立おまかせA.I.」機能

※7 冷凍した野菜を、手で好みのサイズに砕いて、そのまま料理に使える

※8 三菱冷蔵庫MZ/WZシリーズ

    (MZシリーズは2024年12月発売、WZシリーズは2025年1月発売)

※9 直流発電機で発生する電圧を変化させて巻上機の直流電動機を制御する方式

<お客様からのお問い合わせ先>

三菱電機株式会社 ものづくり技術本部 生産システム企画・技術部

〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号

E-mail:Cep.giho@mf.MitsubishiElectric.co.jp

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会社概要

三菱電機株式会社

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URL
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
電話番号
03-3218-2111
代表者名
漆間 啓
上場
東証プライム
資本金
1758億2077万円
設立
1921年01月