企業の約8割が「ワクチン接種に関する取り組み」を推進

取り組み企業のうち3割超が特別有給休暇の付与を検討

感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株の広がりにより、依然として企業活動や国民生活に影響が続いている。他方で、2021年6月20日に9都道府県で緊急事態宣言が解除され、職域接種をはじめとするワクチン接種が拡大し、徐々に経済活動の正常化に向けた動きがみられている。
<調査結果(要旨)>
  1. 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に関して、「何らかの施策に取り組んでいる」企業は80.7%となり、5社に4社にのぼった。他方、「取り組む予定はない」企業は19.3%となった
  2. 取り組み内容は、「各自の居住地での接種を推奨」が50.8%でトップ(複数回答、以下同)。次いで、「社員が外部の医療機関などに出向いて接種の実施」(32.4%)、接種日または接種後を含む「ワクチン接種のための特別有給休暇などを付与」(32.3%)が3割台で続いた
  3. 新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は71.9%(前月比4.0ポイント減)だった。一方で、『プラスの影響がある』は5.6%(同1.5ポイント増)となった
  4. 『マイナスの影響がある』を業種別にみると、回答社数は少ないものの空港無線など電気通信に附帯するサービス業を含む「電気通信」が100.0%となり最も高かった。次いで、「旅館・ホテル」(94.4%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(92.1%)、「広告関連」(91.6%)が9割台で続いた
  5. 『プラスの影響がある』は「飲食料品小売」が18.5%で最も高く、以下、「家具類小売」(16.7%)、「教育サービス」(16.1%)、「各種商品小売」(12.8%)、「飲食店」(11.6%)が上位に並ぶ
※調査期間は2021年6月17日~30日、調査対象は全国2万3,737社で、有効回答企業数は1万1,109社(回答率46.8%)。なお、新型コロナウイルス感染症に関する調査は、2020年2月から毎月実施し今回で17回目
※本調査の詳細なデータは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している

ワクチン接種に関する取り組み内容、「各自の居住地での接種を推奨」がトップ

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に関して、自社の取り組み状況について尋ねたところ、「何らかの施策に取り組んでいる」企業は80.7%となり、5社に4社にのぼった。他方、任意接種のためなどの理由から「取り組む予定はない」企業は19.3%となった。

また、ワクチン接種に関する具体的な取り組み内容について尋ねたところ、「各自の居住地での接種を推奨」が50.8%でトップとなった(複数回答、以下同)。次いで、「社員が外部の医療機関などに出向いて接種の実施」(32.4%)、接種日または接種後を含む「ワクチン接種のための特別有給休暇などを付与」(32.3%)が3割台で続き、「大規模接種会場での接種を推奨」(21.9%)、「ワクチン接種に関する従業員向けの情報提供」(16.0%)、「各中小企業団体(商工会議所など)が主催する共同接種に参加」(13.6%)が上位に並んだ。

「大企業」では、特別有給休暇などの付与が4割近くにのぼったほか、取引先企業などとの合同接種や社内施設での接種の実施が「中小企業」より5ポイント以上高くなった。他方、「中小企業」では、半数超の企業で居住地での接種を推奨しており、「大企業」より7.6ポイント上回っていた。

業績にマイナスの影響を見込む企業は、71.9%と調査開始以来2番目に低い水準

新型コロナウイルス感染症により自社の業績にどのような影響があるか尋ねたところ、『マイナスの影響がある』(「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計)と見込む企業は71.9%(前月比4.0ポイント減)で、調査開始以来2番目に低い水準となった。

一方で、『プラスの影響がある』(「既にプラスの影響がある」と「今後プラスの影響がある」の合計)は5.6%(同1.5ポイント増)、「影響はない」(18.2%)は2割近くとなった。
 

業種別にみると、『マイナスの影響がある』と見込む企業は、回答社数は少ないものの空港無線など電気通信に附帯するサービス業を含む「電気通信」が100.0%となり最も高かった。次いで、「旅館・ホテル」(94.4%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(92.1%)、「広告関連」(91.6%)が9割台で続いた。他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は、「飲食料品小売」が18.5%で最も高くなった。以下、「家具類小売」(16.7%)、「教育サービス」(16.1%)、「各種商品小売」(12.8%)、「飲食店」(11.6%)が続いた。

企業からは「海外への渡航が2020年3月より途絶えているため、貿易取引にとってはマイナスが大きい」(農業用機械製造、静岡県)や「各工事現場における新型コロナウイルス対策に係る経費の増加」(一般土木建築工事、山形県)というように長期にわたる悪影響を訴える声が聞こえている。他方で、「今年度も新型コロナウイルスの影響の解消が見込めないため、新規事業での売り上げ拡大及び解消後の従来ビジネスの変革を予測した取り組みを行っている」(情報処理サービス、埼玉県)といった厳しいながらも新たな挑戦を行う企業もある。


経営環境には明るい兆しも
本調査の結果、約7割の企業で新型コロナウイルス感染症により業績にマイナスの影響があると見込んでいたものの、その割合は調査開始以来2番目に低い水準となった。

9都道府県で緊急事態宣言が解除されたなか、経営環境は厳しいながらもプラスの影響を見込む企業が緩やかに増加するなど、少しずつであるが明るい兆しも表れてきた。

また、ワクチン接種に関しては約8割の企業で何らかの取り組みを推進し、とりわけ半数の企業で居住地での接種を推奨しているほか、3割超で特別有給休暇の付与などに取り組んでいる。

ワクチン接種の拡大などによって、経済活動は徐々に正常化に向けて動き始めている。しかしながら、東京都への4度目の緊急事態宣言の決定など先行き不透明な状況が続くとみられる。引き続き、政府・企業・国民が一体となり感染拡大防止策を徹底し、企業活動や国民生活を営むことが重要となろう。
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