過去最高となる約7割の企業が「DX推進・デジタル活用に取り組んでいる」と回答。「AI活用」は昨年比12.5%増、「活用予定なし」は3.5%「2025年度 デジタル経営に関するアンケート」調査結果を発表

株式会社タナベコンサルティンググループ

 日本の経営コンサルティングのパイオニアである株式会社タナベコンサルティング(本社:東京都千代田区・大阪市淀川区、代表取締役社長:若松 孝彦)は、全国の企業経営者、役員、経営幹部、部門責任者、デジタル担当者などを対象に実施した「2025年度 デジタル経営に関するアンケート」の調査結果を発表いたします。

1.調査結果サマリー

(1)  DX推進(全社的に高度に推進・一部の部門で高度に推進)や、デジタル活用(複数業務で活用・一部の業務で活用)に取り組んでいる企業は全体の約7割を占め、過去最高となりました。

(2)  大企業では「DX推進部門を保有」が半数近くを占め、専任体制の整備が進んでいることが分かります。中小企業では「明確な体制はない」(46.9%)が最も高い結果となりました。

(3)  AI活用についての設問では、「全社的に活用」が2024年の12.2%から2025年は24.7%に上昇しました。その一方で「ガイドラインはなく、個人レベルでの利用に留まっている」(31.4%)が最も多く、また「活用予定はない」は3.5%にとどまりました。

2.各データ詳細

(1)約7割の企業がDX推進・デジタル活用に取り組んでいると回答。過去最高の結果に。

 DXの推進(全社的に高度に推進・一部の部門で高度に推進)や、デジタル活用(複数の業務で活用・一部の業務で活用)に取り組んでいる企業の割合は全体の約7割を占め、過去最高となりました。

 企業規模別では、「全社的に高度に推進」は大企業で20.5%、中堅企業で9.1%、中小企業で5.5%となり、規模が大きい企業ほど進展が見られました。また、「全体的に不十分」が中小企業で30.3%と高く、推進度合いには企業規模による差が存在していることが分かります。

(2)DX戦略は「場当たり的に進めている」が最多。特に中小企業の割合が多い結果に。

 全体では、「デジタル施策は場当たり的に進めている」(30.6%)が最も多く、「DX戦略はあるが推進度に課題がある」(28.1%)が続きました。「DX戦略はあるが推進度に課題がある」の回答率は2023年19.0%から2025年28.1%へ上昇しており、実行段階の企業が増加していることが分かります。一方で、「ビジョンと紐づいたDX戦略を推進している」は約1割にとどまりました。

 企業規模別では、「場当たり的に進めている」の回答は中小企業の割合が最も高く、「ビジョンと紐づいたDX戦略を推進している」は大企業で相対的に高い結果となりました。全体として、戦略を明確に定めたうえでの推進に至っていない企業が一定数存在していることが分かります。

 

(3)大企業では半数近くが「DX推進部門を保有(専任あり)」と回答。企業規模でDX推進体制に差。

 「明確な体制はない」(31.3%)が最多となった一方で、「DX推進部門を保有(専任あり・兼任中心)」は合計で34.7%となり、一定数の企業では体制整備が進んでいることが分かりました。

 企業規模別にみると、大企業では「DX推進部門を保有(専任あり)」が45.5%と半数近くを占め、専任体制の整備が進んでいることが分かります。一方で、中小企業では「明確な体制はない」(46.9%)が最も高く、体制整備の遅れが目立ちます。全体として、DX推進体制では整備が進む企業とそうでない企業が並存していることが示唆されます。

 

(4)AI活用は「全社的な活用」が昨対比で倍増。

 全体では、「ガイドラインはなく、個人レベルでの利用に留まっている」(31.4%)が最も多く、「活用したいと考えているが、まだ着手できていない」(16.3%)も一定数存在しますが、「活用予定はない」は3.5%にとどまりました。年次比較では、「全社的に活用」が2024年12.2%から2025年24.7%へ上昇しており、全社レベルでの活用が広がりつつあります。

 企業規模別にみると、大企業・中堅企業ともに「全社的に活用」が最も高く、いずれも約4割に達しています。一方、中小企業では「個人レベルの利用」(42.8%)が突出しており、活用段階の格差が明確です。全体として、AI活用は個人利用から全社展開へと発展の途上にあることが分かります。

(5)約8割が、新規事業・サービス開発へのデジタル活用を「実践できていない」と回答!

 全体では、「検討段階にある」(35.4%)が最も多く、「特に予定はない」(35.1%)がほぼ同水準で続きました。「既に新規事業・新サービスの立ち上げで活用している」は17.0%にとどまり、実際に活用まで進んでいる企業は2割弱となっております。

 企業規模別にみると、大企業では「既に活用している」(31.8%)が他の企業規模より高く、一定の実装が進んでいることが分かります。中堅企業では「検討段階にある」(38.4%)が最多で、活用の拡大を模索していることが示唆されます。一方、中小企業では「特に予定はない」(47.6%)が約半数を占め、新規事業開発におけるデジタル活用は限定的です。全体として、新規事業・サービス開発におけるデジタル活用は一部企業で進展しているものの、多くの企業は検討段階にとどまっております。

(6)人材データを活用した人事・組織マネジメントは「データ基盤が整っていない」が最多。

 全体では、「データ基盤が整っていない」(25.7%)が最も多く、次に「一部活用しているが、十分とは言えない」(24.0%)が続きました。「人材データをもとに施策立案・配置・育成等を実施している」は6.3%にとどまり、人材データを活用できている企業は限られていることが分かります。

 企業規模別にみると、大企業では「人材データをもとに施策立案・配置・育成等を実施している」(15.9%)が他の規模より高く、活用が進んでおります。中堅企業では「一部活用しているが、十分とは言えない」(35.4%)が最も多く、活用の途上段階にあるようです。一方、中小企業では「データ基盤が整っていない」(37.2%)が突出しており、環境整備が大きな課題となっていることが分かります。全体として、人材データ活用の取り組みは進展途上です。活用基盤の整備が今後の焦点となるでしょう。

(7)経営判断へのデータ活用は「活用しきれていない」が最多。

 年次比較では、「データは蓄積されているが活用しきれていない」が21.2%(2024年)から35.1%(2025年)へ上昇しており、データは整備されつつも活用に至っていない企業が増加していることが分かります。

 企業規模別にみると、中堅企業では「意思決定に活用している」(16.2%)がやや高く、比較的積極的な活用姿勢がみられました。一方、中小企業では「必要なデータが収集・整備されていない」(38.6%)が最も多く、基盤整備の遅れが目立ちます。全体として、データ活用の重要性は共有されつつも、実際の意思決定への反映には課題が残っております。

(8)オペレーション領域では「AIによる業務効率化」「IoTによる無人化」が中心。

 全体では、「AI活用による契約書作成・レビュー業務の効率化」(42.7%)が最も多く、「IoTによるデータ収集プロセスの無人化」(40.6%)が続きました。「ロボット導入による省力化・省人化」(35.1%)も一定の割合を占めており、自動化・効率化への関心が高まっております。

 企業規模別にみると、大企業では「IoTによるデータ収集プロセスの無人化」(59.1%)が突出して高く、現場データの自動取得や可視化を通じて業務効率や判断精度の向上を図る動きがみられます。全体として、オペレーション領域では、AI・IoT・ロボティクスを中心に、効率化・自動化への取り組みが重点テーマになっております。

(9)営業・マーケティング領域におけるデジタルツールは、半数近くの企業で導入が進まず。

 全体では、「一部のツールを導入しているが、活用度には課題がある」(28.1%)が最も多い結果となりました。また、「導入を検討している」(14.6%)と「特に導入予定はない」(32.6%)を合わせると、導入が進んでいない企業が半数近くを占めます。「複数のツールを導入し、効果的に活用している」は4.2%にとどまり、ツールの有効活用はごく一部に限られていることが分かります。

 企業規模別にみると、大企業では「一部のツールを導入しているが、活用度には課題がある」(45.5%)が最も高く、ツール導入は進んでいるものの運用段階に課題を抱えていることが分かります。一方、中小企業では「特に導入予定はない」(46.2%)が最も高く、ツール導入の段階に至っていない企業が多い状況です。全体として、営業・マーケティング領域ではツール導入が広がり始めているものの、活用度や効果の面ではばらつきが大きくなっております。

3.総括・提言

 本調査から、企業のDX推進は着実に広がる一方で、領域や企業規模によって進度に差が生じていることが明らかになりました。ビジネスモデル・人材育成・経営判断などの各領域では、デジタル活用が一部で定着し始めているものの、発展の途上にあります。

 DX推進の状況をみると、複数業務でデジタルを活用する企業が最も多く、全体として導入は進んでいますが、十分に活用できていない企業も同程度に存在します。戦略や体制の整備は進みつつあるものの、ビジョンと一貫したDX戦略を持つ企業は限られ、明確な推進体制を持たない企業も少なくありません。

 一方、AIやIoTの活用は拡大しており、生成AIを含む取り組みが広がりを見せています。また、人材・データ領域では「スキルを持つ人材の確保」や「データ整備・統合」が共通の課題として浮かび上がりました。 総じて、DXは導入から定着への移行期にあり、部分的な最適化から全社的な推進体制への転換が今後の焦点となります。

 

4.関連リンク

・「2025年度 デジタル経営に関するアンケート」資料ダウンロードページ

URL:https://www.tanabeconsulting.co.jp/dx/download/detail83.html

・「AI活用レベル判定表:自社のAI活用を測れるチェックリスト」無料ダウンロードページ

URL:https://www.tanabeconsulting.co.jp/dx/download/detail84.html

5.調査概要

[調査方法]インターネットによる回答

[調査期間] 2025年9月16日~10月10日

[調査エリア] 全国

[有効回答数] 288件

※本調査では、アンケートにご回答いただいた企業において、従業員規模が2000人超を大企業、300人超~2000人以下の企業を中堅企業、300人以下の企業を中小企業として分類し、分析を行いました。※各図表の構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

タナベコンサルティンググループ(TCG)について

 TCGは、1957年創業の東証プライム市場に上場する日本の経営コンサルティングのパイオニアです。「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、未来の社会に向けた貢献価値として「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパスを掲げております。現在は、グループ8社、約900名のプロフェッショナル人材を有する経営コンサルティンググループとなり、国内外の中堅企業を中心とした大企業から中規模企業のトップマネジメント(経営者層)を主要顧客とし、創業以来18,900社以上の支援実績を有しております。

 トップマネジメントアプローチで経営戦略の策定からプロフェッショナルDXサービスによる経営オペレーションの実装・実行まで、チームコンサルティングにより経営の上流から下流までを一気通貫で支援する唯一無二の経営コンサルティングモデルを国内地域密着のみならず、グローバルへと展開しております。

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会社概要

URL
https://www.tanabeconsulting-group.com
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区丸の内1-8-2 鉃鋼ビルディング9F
電話番号
-
代表者名
若松孝彦
上場
東証プライム
資本金
17億7200万円
設立
1963年04月