日立、オリックス銀行のクラウド運用変革を支援するパートナーに選定
Hitachi Application Reliability Centers (HARC)を通じて、段階的なSREの成熟度向上に伴走
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、オリックス銀行株式会社(以下、オリックス銀行)のクラウド運用の変革を支援するパートナーに選定されました。
日立は、2023年12月にHitachi Application Reliability Centers(以下、HARC)*1により、SRE(Site Reliability Engineering)*2観点で、オリックス銀行のクラウド運用の成熟度を評価するマチュリティ・アセスメントを実施しました。「オブザーバビリティ(可観測性)」や「インシデント管理」などクラウド運用の信頼性や運用効率を測る5つの観点で評価を行い、改善項目の洗い出しや優先順位付け、推奨の改善ロードマップの提案を行いました。
その結果を踏まえ、2024年4月から、日立はオリックス銀行とともに実行計画を策定し、段階的なSREの成熟度向上を推進していきます。これにより、日立は、柔軟性や拡張性などクラウドの価値を生かしながら、信頼性の向上やコストの適正化を図り、業務の生産性や顧客体験価値の向上などオリックス銀行のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現に貢献していきます。
*1 2023年6月8日ニュースリリース「アジリティと信頼性を両立しクラウドネイティブな運用を実現する「Hitachi Application Reliability Centersサービス」を提供開始」
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/06/0608a.html
*2 サイロ化されている開発チームと運用チームの壁を取り払うDevOpsの実践と、ソフトウェアエンジニアリングの手法を用いることにより、システムのアジリティ(機敏性)を生かしたまま、リライアビリティ(信頼性)、レジリエンス(回復性)とセキュリティを効果的に高めるためのシステム運用とサービス管理の方法論。
■背景
現在、多くの企業が、DX推進の一環としてパブリッククラウドの利用を積極的に進める中、トラブル対応などクラウド運用の負荷増大が課題になっており、その解決策としてSREの観点を取り入れ、よりクラウドに適した運用へ変革することが急務になっています。日立は、クラウド運用の改善を提案するプロフェッショナルサービス、継続改善を行うマネージドサービスで構成される「HARC」を通じて、国内外合わせて40社以上のお客さまの運用チームに伴走し、SRE導入による運用負荷の軽減や、クラウド上で稼働するサービスの信頼性、安定性の向上に取り組んできました。
オリックス銀行は、原則クラウドを活用する「クラウドファースト」をデジタル戦略の1つとして掲げて取り組みを加速しており、2023年度末時点でクラウド化率が86%に到達するなど、金融業界の中でもデジタル化を先進的に進めています。信託システムや社内情報システム、お客さま向けサービスなどにパブリッククラウドを活用することで、新規サービスの立ち上げやサービス拡張を容易にし、デジタル化推進によるCX(顧客体験)やEX(従業員体験)の向上につなげています。今後、クラウドネイティブな企業へとさらに進化を図るにあたり、「クラウド運用の変革」をめざす中で、日立を支援パートナーとして選定しました。
■日立の支援内容
(1)マチュリティ・アセスメントによるSRE観点の成熟度の可視化
オリックス銀行のシステムを対象にSRE観点の成熟度を「オブザーバビリティ(可観測性)」「インシデント管理」「リリース管理」「レジリエンス(継続性/回復性)」「スケーラビリティ(拡張性)」の5つの観点で評価しました。その結果、「レジリエンス」については、マネージドサービスの利用やディザスタリカバリー(災害復旧)対応など成熟度が高いことが確認された一方で、「オブザーバビリティ」と「インシデント管理」については、システム信頼性の可視化やアラート設定の最適化などに改善の余地があることが分かりました。これらの評価結果や改善項目、改善に向けたロードマップを報告書としてまとめ、クラウド運用の変革に向けてオリックス銀行の運用チームと議論を重ねてきました。
(2)SREマネジメントサービスによる実行計画の策定と運用改善の推進
システム特性、ビジネス観点による改善項目の対応優先度や関係性、必要な時間と工数を考慮しながら、マチュリティ・アセスメントで洗い出した改善項目に対する実行計画の策定を支援します。運用改善施策の設計および実装は、日立のクラウドエンジニアとオリックス銀行の運用チームでSRE 体制を構築し、一体で推進していきます。また、運用体制のスキーム作り、ルール・プロセスなどの策定、必要な運用ドキュメントの整備、運用チームから開発チームへの積極的な働きかけなど業務プロセスの改革も支援していきます。
■オリックス銀行株式会社 システム第二部長 清水直彦氏のコメント
当社は、2018年度からクラウドファースト戦略を推進しています。2023年度末にはクラウド化率86%を達成し、2025年度末までに95%まで向上させる計画です。システム開発領域では、CXならびにEXの向上を目的として、クラウドをはじめとしたテクノロジーの活用高度化に取り組んでおります。しかしながら、運用管理領域では、オンプレミス環境を前提とした従来型の手法から脱却できておらず、対応の即時性や運用状況の可視性などの課題に直面しておりました。そうした中で、運用管理をSREへと進化させることを目的に、グローバルで実績のあるHARCの採用を決定いたしました。HARC マチュリティ・アセスメントにより、現在の実力値を徹底的に可視化することができ、目指すSRE像とのギャップを明確にすることができました。今後もHARCに伴走いただきながら、クラウドの価値を最大限享受するために運用管理の高度化に取り組み、さらなるCX・EXの向上に努めてまいります。
■HARCについて
システム運用の自動化を推進する「SRE」手法に基づき、俊敏性と信頼性の両立やクラウドコストの最適
化を図るためのサービスです。2023年の提供開始以降、製造、流通・小売り、エネルギー、金融、自治体
など幅広い分野のお客さまに導入いただいています。今後、生成AIによるデータ利活用を支援するサービス
などの拡充を進め、さまざまなお客さまのクラウド活用の促進やDX実現に貢献していきます。
<関連リンク>
・HARC あなたの知らないクラウド運用へ日立と一緒に
https://www.hitachi.co.jp/harc/?nr240417
・国内クラウド運用の最適化に向けて、HARCの日本展開に奮闘する日立エンジニアたち
https://digital.careers.hitachi.co.jp/1040/
■商標注記
・その他記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。
詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。
■お問い合わせ先
株式会社日立製作所 クラウドサービスプラットフォームビジネスユニット
マネージド&プラットフォームサービス事業部
お問い合わせフォーム:http://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/
以上
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