ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン、「セミントラ®10㎎/mL 経口液猫」を全国新発売
猫の慢性腎臓病、および慢性腎臓病と関連性の高い(※1)高血圧症の2つを1剤で治療
- 猫の慢性腎臓病と高血圧症に関わるRAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)を抑制、両疾患に治療効果
- 「猫に与えやすい薬剤」として世界で認められた(※2)、飲ませやすい液剤
2022年9月1日 日本/東京
ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:長谷部裕之)は、猫の慢性腎臓病と高血圧症に対する新たな治療薬として「セミントラ®10㎎/mL 経口液猫」を2022年9月1日より全国で発売いたします。「セミントラ®10㎎/mL 経口液猫」は、テルミサルタンを有効成分とし、効能は、猫の慢性腎臓病(慢性腎不全)における尿蛋白の漏出抑制と、全身性高血圧症の治療です。
慢性腎臓病とは、数ヶ月から数年にわたって進行する、腎機能が低下する病気です。猫は高齢になるにしたがって慢性腎臓病の罹患率が高くなり、10歳以上の猫の30~40%以上が罹患し、死因の13%を占めるといわれています(※3)。慢性腎臓病を患うと、腎臓の状態は進行性に悪化していきます。一度壊れた腎臓は元に戻ることはなく、残された腎臓に過剰な負荷がかかるようになり、腎臓の臓器障害がさらに助長されてしまいます。そのため、慢性腎臓病は早期発見・治療がとても重要です。
猫の正常な収縮期血圧は140mmHg未満で、血圧が高くなるほど組織・臓器障害のリスクが上昇します(※4)。しかしながら、高血圧症は病状が進行するまで気づくことが難しく、気づかないうちに複数の臓器に様々な影響を及ぼします。影響を受けた臓器での重篤な障害が起きてから分かることが多いため、高血圧症は「サイレントキラー」と言われています。影響が出やすい臓器は、脳(沈鬱、混乱、異常発生、発作)、眼(失明、眼内出血、網膜剥離)、心臓(心臓肥大、心音異常、心不全)、そして腎臓(慢性腎臓病)があげられます。
また、最近の研究結果を基にした国際的なガイドラインにおいて、高血圧症が腎臓に障害をもたらす可能性が示されています(※1)。慢性腎臓病に罹患している猫の65%で高血圧症が、高血圧症の猫の74%で慢性腎臓病が認められることが報告されています(いずれの比率も最大数値)(※5,6)。しかしながら、猫オーナーさんにおける「猫の高血圧症」の認知率はわずか13.3%と、「猫の慢性腎臓病」の36.3%に比べて決して高くはありません(※7)。慢性腎臓病と高血圧症は高い関連性があり、両疾患を適切に管理することが重要です。
「セミントラ®10㎎/mL 経口液猫」はテルミサルタンを有効成分とするアンジオテンシンII受容体阻害薬で、慢性腎臓病と高血圧症に関与するRAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)を効果的に抑制し、慢性腎臓病と高血圧症を同時にコントロールします。
また、「セミントラ®10㎎/mL 経口液猫」は、人間や犬に比べて、摂取物の食道における通過速度が遅い猫に飲ませやすい液剤になっています。液剤なので、投与量を調整しやすく、猫に合った最適な量を投与できます。また、無味無臭で食事の影響も受けないため、フードに混ぜたりかけての投与も可能です。専用のシリンジを使って、猫の口に直接投与することも、食事にかけて投与することもでき、フレキシブルに投与方法を選択することができます。こうしたことから、国際的な猫の医学界であるInternational Cat Careが認定する「easy to giveアワード」を受賞しています(※2)。
ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン 代表取締役社長の長谷部裕之は、「セミントラ®10㎎/mL 経口液猫は、動物用として認められた国内唯一の高血圧症治療薬です。高血圧と併発しやすい慢性腎臓病も同時にコントロールでき、猫オーナーさんと猫の絆を維持しながら長期にわたる健康な生活の実現に寄与できることを大変誇りに思います。今後、猫の高血圧症の認知度向上や血圧測定の普及にも務め、獣医師さんおよび猫オーナーさんをご支援してまいります」とコメントしています。
製品の概要
【販売名】
セミントラ®10㎎/mL 経口液猫
【有効成分および含量】
テルミサルタン 10mg/mL
【効能または効果】
猫:慢性腎臓病(慢性腎不全)における尿蛋白の漏出抑制。全身性高血圧症の治療。
【用法及び用量】
慢性腎臓病(慢性腎不全)における尿蛋白の漏出抑制:本剤を1日1回、体重1 kg当たりテルミサルタンとして1.0 mg(製剤として0.1 mL/kg)を 、専用の計量シリンジ(mL目盛り)を用いて直接経口投与する。必要な場合には少量(小さじ程度 )の食餌に混ぜて投与する。
全身性高血圧症の治療:本剤を1日1回、体重1 kg当たりテルミサルタンとして2.0 mg(製剤として0.2mL/kg)を、専用の計量シリンジ(mL目盛り)を用いて直接経口投与する。必要な場合には少量(小さじ程度)の食餌に混ぜて投与する。治療により、収縮期血圧が適切に管理できている場合には、0.5 mg/kgずつ減量することができる。また、治療の過程で必要に応じて再度2.0 mg/kgまで増量することができる。
※1 Taylor SS, et al. ISFM Consensus Guidelines on the Diagnosis and Management of Hypertension in Cats. J Feline Med Surg. 2017 Mar;19(3):288-303.
※2 Easy to Give Award by International Cat Care, 4 mg/mL in 2013, 10 mg/mL in 2018 https://icatcare.org/about/our-awards/easy-to-give-awards/
※3 Sparkes AH, et al. ISFM Consensus Guidelines on the Diagnosis and Management of Feline Chronic Kidney Disease. J Feline Med Surg. 2016 Mar;18(3):219-39.
※4 Acierno MJ, et al. ACVIM consensus statement: guidelines for the identification, evaluation, and management of systemic hypertension in dogs and cats. J Vet Intern Med. 2018 Nov;32(6):1803-1822.
※5 Stiles J, et al. J Am Anim Hosp Assoc. 1994 30(6): 564-572.
※6 Littman MP. J Vet Intern Med. 1994 Mar-Apr;8(2):79-86.
※7 ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン「猫オーナーさん認知度調査」(2021年実施)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/press-release/20220511_01
ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルスについて
ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルスは、動物の疾患の予測、予防、そして治療において、ファースト・イン・クラスのイノベーションをもたらす医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。世界150ヵ国以上において、獣医師、ペットオーナー、畜産家、そして政府当局に対し、幅広い革新的な製品ポートフォリオとサービスを提供し、コンパニオンアニマルと産業動物の健康と幸福の向上に寄与しています。
私たちはアニマルヘルス業界のグローバルリーダーとして、株式を公開しないベーリンガーインゲルハイムの独立した企業形態により、長期的視野を維持しています。
動物と人の命は、深く複雑に結びついており、動物が健康であれば、人間も健康でいられると信じています。アニマルヘルス事業とヒト用医療用医薬品事業におけるシナジーにより、イノベーションを通じて価値を提供し、動物と人の健康と幸福に寄与すべく邁進しています。
ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルスの詳細:
https://www.boehringer-ingelheim.com/animal-health/about-animal-health-business-unit
(ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/biahj
(ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン)
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、今日そして次世代にわたり、暮らしを変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的視野を維持しています。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、52,000人以上の社員が世界130ヵ国以上の市場で事業を展開しています。
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)
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