高知の海を未来へ!お笑いコンビ「ツーライス」が小学校で出前授業を実施 海洋問題から高知の海の生態まで楽しく学ぶ【ツーライスと高知の海を学ぼう!】 を開催しました!
2025年10月17日(金) 【高知県 土佐市立宇佐小学校】
一般社団法人海と日本プロジェクト in 高知は今年度、小学生を対象とした海洋学習の学校キャラバン「ツーライスと海を学ぼう!」を行っています。10月17日(金)に高知県土佐市立宇佐小学校で4回目を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要
高知の豊かな海が今、ごみの増加や生態系の変化といった問題に直面しています。毎年10カ所以上の海岸で清掃活動を行ってきたツーライス。この現状を子どもたちに知ってもらい、自分たちの生活と海との繋がりを実感してもらうため、お笑いコンビ「ツーライス」が県内の小学校を訪れる出前授業を実施。このイベントでは、お笑いコンビのツーライスと、山岸拓 気象予報士、高知大学の伊谷行 教授が講師として登壇し、深刻化する海洋ごみ問題や地球温暖化が海に与える影響について、座学と体験などを通して子どもたちと共に考えました。

日時 |
2025年10月17日(金)9時30分~12時20分 |
会場 |
高知県 土佐市立宇佐小学校 |
参加人数 |
小学5年生 11人 |
協力団体 |
高知大学 |
ツーライスによる「海洋ごみのお話」
まず、ツーライスのヤスさんと大ちゃんが、深刻化する「海洋ごみ問題」について解説しました。海洋ごみの中で最も多いのはプラスチックで、ごみの8割は私たちが暮らす町で発生し、川を経て海に流れ着いたものです。
プラスチックは海で分解されず、漁網に絡まるアザラシやビニール袋を間違って食べるウミガメなど、海の生き物に深刻な影響を与えています。
ツーライス独自の「高知の海に多いゴミランキング」では、1位:漁具、2位:ペットボトル、3位:缶などがあげられ、高知の地域性が出た結果になりました。現状として、年間800万トンものごみが海に流れ込んでいて、このままでは2050年には海にいる魚の量よりもプラスチックごみの量が多くなると予測されるなど、深刻な未来が伝えられました。
ごみは必ずごみ箱に入れることの重要性が訴えられ、子どもたちは身近な問題として意識するきっかけとなりました。

山岸気象予報士による「地球温暖化と海の関係」
続いて、テレビ高知のお天気お兄さんとしても活躍する山岸拓 気象予報士は、地球温暖化の原因と、それが海に与える影響について解説しました。地球温暖化の主な原因は、化石燃料の燃焼や森林破壊、家畜のゲップなどによる二酸化炭素などの温室効果ガスの増加です。
この温暖化は海に様々な影響を与えています。まず、海水温の上昇により、魚のエサであるプランクトンが減少し、魚の生息地が変わることで、漁獲量や魚種が減る可能性があります。次に、海水の膨張と南極などの氷の融解によって海面が上昇し、砂浜の消失や台風・大雨時の水害リスクが高まります。さらに、人が排出する二酸化炭素の約3割が海に溶け込むことで海の酸性化が進み、貝殻の成長が妨げられたり溶けてしまう影響が出ます。
地球温暖化をどのように食い止めたらいいのか、子どもたちみんなで考えました。

座学の後、炭酸キーパーとアルコールを使った「ペットボトルで雲を作る実験」が行われました。ポンプで空気を圧縮し気圧と温度を上昇させた後、キャップを一気に開けることで、断熱膨張による急激な温度降下が起こり、アルコール蒸気(と水蒸気)が凝結して白い雲が発生する仕組みを学びました。

高知大学 伊谷行教授による海山川のつながりと干潟の生きものについて
高知大学の伊谷行 教授は、海、山、川の生態系のつながりや、干潟の重要性、そこに住む生き物について講義を行いました。
川と海の境目である河口には、淡水と海水が混ざり合った水があり、「汽水」と呼ばれます。子どもたちは実際に川の水と河口の水、海の水の塩分を比べてみました。
河口の水は潮の満ち引きに合わせて塩分が変化します。河口は海と川の両方の特徴を持つ独特な環境なのです。川の生き物(魚類や甲殻類)の中には、子ども時代に海で過ごし、河口を通って川に戻ってきます。アユやテナガエビ、モクズガニなどで、河口の環境が悪いと川に上がっていけません。
潮が引いた時に現れる「干潟」(砂や泥の浜辺)には川から流れてきた栄養が豊富に含まれています。干潟は多くの生物が生息する場であるだけでなく、生物の活動を通じて川の水をきれいにする重要な役割を持っています。しかし、現在埋め立てなどにより干潟は減少傾向にあり、生息する生物に絶滅危惧種が多く含まれていることが懸念されています。
河口が健全であることは、川と海のどちらの健康にとっても非常に重要です。海の近くで生活している子どもたちは、改めて川の大切さも感じたようです。

校舎の周りでのごみ拾い
座学の後、ツーライス、山岸気象予報士、伊谷教授と生徒が一緒に校舎の周りをごみ拾いしました 。子どもたちは夢中になって道に落ちているごみを拾い、缶や瓶、ペットボトルやお菓子の袋、たばこの吸い殻など、ポイ捨てのごみが多く見つかりました。ごみ拾いの後、集めたごみの分析を行い、その中にあったごみが、やがて海に流れ出て海洋ごみとなり、環境を壊していくという現実について改めて考えました。
子どもたちは、ごみを捨てないこと、そしてごみを捨てる人がいなくなることが海を綺麗にすることにつながることを意識しました。

参加した子どもの声
授業の最後には、講師から「今日お勉強したことを、ぜひ周りの人にも広めてください」というメッセージが送られました。子どもたちは、節電や節水などを行い、地球温暖化を食い止めたい、ごみをポイ捨てしないなどの感想が上がっていました。

<団体概要>
団体名称:(一社)海と日本プロジェクトin高知
URL :https://kochi.uminohi.jp/
活動内容:「海と日本プロジェクトin高知県」では、「黒潮の海」を次世代に継承していくため、こども達が地元の海に触れ、海への親しみを育てる活動を行っています。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
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