リスキリング支援サービス『学びのコーチ』企業におけるリスキリング施策の実態調査 (2023年12月版)
~大企業の半数以上が2024年度もリスキリング施策を検討~
今回は、企業における2024年度のリスキリング施策の方針も新たに聴取しましたので調査結果をお知らせします。
※本調査でいうリスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。
■調査サマリー
✓リスキリング実施率は40.9%と、前回9月調査の49.1%よりも減少するも、引き続き4割以上を維持
✓前回に引き続きリスキリングの取り組みに成果を実感している企業は70%以上となった
✓リスキリングの取り組みの対象者は中堅~管理職層が重要視されている
✓2024年度では、半数以上の大企業がリスキリング施策を実施予定
▶今回の調査結果は、公式サイトでもダウンロードいただけます。
https://www.manabicoach.jp/useful/202312report
■参考データ
・リスキリング施策の実施率(企業規模別)
・リスキリング施策において重視するスキル(全体推移)
・2024年度のリスキリング施策における実施予定(全体結果)
■前回 リスキリングに関する定点調査 第3弾(2023年9月版)
https://persol-innovation.co.jp/news/2023/0921-8/
■調査結果
✓リスキリング実施率は40.9%と、前回9月調査の49.1%よりも減少するも、引き続き4割以上を維持
所属企業において、「直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか︖」と尋ねたところ、「実施した」と回答した方は、前回の49.1%に比べ8.2pt減少し、今回は40.9%に留まりました。
企業規模別の回答を見ると、大企業に勤めている方の「実施した」との回答が、今回は57.3%(前回64.3%)に対し、中小/スタートアップ企業に勤めている方の「実施した」が今回は34.6%となり(前回40.5%)リスキリング施策は、引き続き大企業が先行して取り組んでいる実態が伺えます。
✓重視するスキルは前回に引き続き「データ活用」がトップ
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「どのスキルを習得することを重視していますか︖」と尋ねたところ、1位は「データ活用(35.5%)」、2位は「リーダーシップ(32.4%)」、3位は「AI活用(ChatGPT等)(31.5%)」となりました。過去の調査に比べ「リーダーシップ」がランキング上位に入り、社内の取り組みを進めていくためにもリーダーシップが必要と改めて認識されたのではないかと考えられます。
企業規模別の回答を見ると、大企業に勤めている方では1位は「データ活用(43.4%)」、2位は「AI活用(ChatGPT等)(41.1%)」3位は「リーダーシップ(40.3%)」、に対し、中小/スタートアップ企業に勤めている方では1位は「データ活用(28.5%)」、2位は「リーダーシップ(24.6%)」、3位「セキュリティ(20.8%)」となりました。大企業では引き続きAI活用に積極的であることが読み取れます。
✓リスキリングの取り組みに成果を実感している企業は70%以上、前回調査と同水準
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「どのように評価されていますか?」と尋ねたところ、「大きな成果が実感できた」との回答が、今回は16.4%(前回28.7%)という結果でした。また、「成果を実感できた」との回答が、今回は56.9%(前回52.1%)となり、リスキリング施策の成果を感じている企業は前回調査に引き続き、全体で70%以上となりましたが、「どちらともいえない」「あまり成果が出ていない」との回答も増加しているため、企業によっては安定した成果を得られていないことが分かります。
✓リスキリングの実施期間は「1カ月以上3カ月未満(29.4%)」、「3カ月以上6カ月未満(25.2%)」
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「どの程度の期間で実施されましたか?」と尋ねたところ、1位は「1カ月以上3カ月未満(29.4%)」、2位は「3カ月以上6カ月未満(25.2%)」、3位は「6カ月以上1年未満(16.8%)」となりました。1カ月未満の短期での取り組みは少なく、半年以内の実施が多いことが分かります。
また、所属企業が取り組むリスキリング施策において、「どのステップ(図参照)にありますか?」と尋ねたところ「ベーススキルの習得(40.8%)」のステップが最も多く、次いで「DXリテラシーの習得(24.4%)」のステップとなりました。現時点ではベーススキルのボトムアップと専門知識に注力している企業が多いことが伺えます。
✓リスキリングの取り組みの対象となる方は「一般(ミドル/シニア)がトップ
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「対象となる方は、主にどのような階層ですか?」と尋ねたところ、1位は「一般(ミドル/シニア)(56.2%)」、2位は「管理職(52.0%)」、3位は「一般(ミドル/シニア以外)(27.8%)」となりました。業務の中心にいる中堅層や、現場をまとめる管理職層のリスキリングが重要視されていることが分かります。 ※ここでは40歳以上を「ミドル/シニア」としています。
✓2024年度では、半数以上の大企業がリスキリング施策を実施予定
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「2024年度にリスキリングの取り組みを行っていく予定はありますか?」と尋ねたところ、2024年度も引き続き43.8%の企業がリスキリング施策を実施する計画がある、もしくは実施する意向があることが分かりました。
企業規模別の回答を見ると、大企業に勤めている方の「実施する計画がある」との回答が37.8%、「実施する意向がある」との回答が21.8%となり、大企業の半数以上はリスキリング施策を実施する計画があるもしくは実施する意向があり、2024年度も大企業が先行して取り組んでいく実態が伺えます。
所属企業において「リスキリング施策の計画にあたり、注目(参考に)している業界はありますか?」と尋ねたところ、1位は「建設・土木・工業(28.8%)」、2位は「電子部品・デバイス・電子回路製造業(26.0%)」、3位は「情報サービス業(17.4%)」となりました。
■まとめ
パーソルイノベーション『学びのコーチ』事業責任者/Founder
柿内 秀賢(かきうち・ひでよし)
2023年最後のリスキリング調査レポートから3つのトピックスを取り上げます。
1つ目は、管理職層にリスキリングを実施している回答者が52%にのぼること、
2つ目は、AI・データ活用がスキルランキングで1位2位を占めていること、
3つ目は、2024年は全体の4割・大企業の6割がリスキリングを実施する方向であることです。
2023年は生成AIを企業で活用されるようになりました。2024年はCopilot等の利用しやすいツールの普及により、一層テクノロジ活用が進むと見込まれています。
今回の調査結果では管理職層に求めるリーダーシップの期待も高まっていることが明らかになりました。
より豊かな社会の実現に向けてテクノロジを上手に使いこなし、導いてくれるビジネスパーソンへの期待が高まっています。
皆さまにとって2024年が、新たなスキルを身につけ一層活躍される一年となりますことを祈念いたします。
■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象:全国の企業にお勤めの方
調査期間:2023年11月17日(金)~2023年11月21日(火)
対象人数:660
企業属性:※大企業︓従業員数が300人以上の企業
※中小企業とスタートアップ︓従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業。大企業の子会社やグループ会社は含まれない。
※ 製造業:電子部品・デバイス・電子回路製造業、情報通信機械器具製造業、電気機械器具製造業(上記に含まれないもの)、その他製造業
※通信情報サービス:通信業、情報サービス業、その他の情報通信業
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『学びのコーチ』は、総合人材サービスを提供するパーソルグループのノウハウを活かし、リスキリング※1に強みを持つデジタル人材育成サービスです。リスキリングの支援者数は累計1,500名※2を突破し、需要の高まるデジタル人材育成において「何を学ぶか」「どう学ぶか」に課題を持つ企業に「各社のニーズに合わせた柔軟なカリキュラム設計」「コーチによる学習伴走」を通じてサービスを提供しています。
※1 「リスキリング(Re-Skilling)」とは、個人においては「市場ニーズに適合するため、保有している専門性に新しい取り組みにも順応できるスキルを意図的に獲得し、自身の専門性を太く、変化に対応できるようにすること」、企業においては「従業員が社内で新たな業務に就けるようにするための再教育のこと」を言う。大学等に入り直す「リカレント教育」に対して仕事を続けながら継続して学び続けることを指す。
※2 2023年10月末時点
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パーソルイノベーション株式会社は、パーソルグループの次世代の柱となる事業創造を目的として、2019年4月に事業を開始しました。リスキリング支援サービス『学びのコーチ』や、新規事業創出プログラム「Drit(ドリット)」から創出された、コミック教材を活用した研修サービス『コミックラーニング』、副業マッチングサービス『lotsful(ロッツフル)』などを運営するとともに、新たな事業開発や、デジタルトランスフォーメーションを推進、パーソルグループのイノベーションを加速していきます。
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人と組織にかかわる多様な事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
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