保育士バンク！総研が日本放課後学会で「小学校入学後の放課後の過ごし方」に関する調査結果を発表～保育所等および家庭における準備の実態と課題が明らかに～

保育業界に特化した調査・研究を行う機関「保育士バンク！総研」を運営する株式会社ネクストビート（本社：東京都渋谷区、代表取締役：三原誠司）は、2025年5月24日・25日に開催された日本放課後学会第2回研究大会にて、「未就学児における『小学校入学後の放課後の過ごし方』への準備 ― 保育所等および家庭における準備の実態と課題 ―」に関する研究結果を発表いたしましたので、その概要をお知らせいたします。

【本調査のポイント】

• 保育所等では小学校入学に向けた準備が行われているものの、「放課後」に関して園児が知る機会は少ない。

• 保育所と小学校の連携は約8割の施設で実施されているが、学童保育との連携は1割程度にとどまる。

• 保護者は子どもの「放課後を安全に過ごせるか」に大きな不安を抱いている。

調査の背景

小学校入学は子どもたちにとって大きな転換期であり、近年保育所等では小学校との連携強化が進んでいます。しかし、「放課後」への準備は不十分ではないかという課題意識がありました。実際に、小学生の保護者からは放課後の過ごし方に関する困りごとが多く聞かれるため、保育士バンク！総研は、未就学児やその保護者、保育所等がどのような準備をしているか調査を実施しました。

調査結果

保育所等へのアンケート結果

保育所等の年長クラスでは、小学校入学を見据えた様々な取り組みが実施されていますが、「学校生活」や「学習」への適応が中心であることが明らかになりました 。9割を超える施設が就学前教育を実施しており、特にひらがな・数字といった基礎学習や、小学校の環境に慣れるための訪問や交流が積極的に取り入れられています 。

しかし、「小学校の放課後」について園児が知る機会は少ないことが分かりました。

（1）小学校入学を見据えて年長クラスで実施していること

■具体的な取り組み事例

また、保育所等と小学校の連携は約8割の施設で実施されている一方、学童保育との連携は、わずか1割程度の実施にとどまっています。同一法人内で保育施設と学童保育を運営しているケースでは交流がみられるものの、多くの保育施設では学童保育とは情報連携も取りづらいのが現状です。

（2） 保育施設と小学校との連携

（3）保育施設と学童保育との連携

保護者へのアンケート結果

小学生の保護者へのアンケート結果からは、放課後に関する不安は、特に共働きなどで保護者の帰宅が遅い家庭で顕著に高いことが明らかになりました。子どもが「安全に過ごせるか」に対する不安が大きく、下校時の安全性への懸念も同様に強いことがうかがえます。

（1）小学校入学前後に不安だったこと（複数回答）

　

各家庭において、下校練習を繰り返し実施したり、お子様が危険を理解できるよう説明を工夫したりと、放課後を安全に過ごすための練習を行っています。また、学童保育の手配、携帯電話やGPSの購入、鍵の開閉練習といった準備も求められます。一方で、「子どもだけの留守番は不安」などと感じながらも、有効な手段・方法を準備できていない家庭もあるとみられます。

（2）小学校入学前後に準備したこと 

（3）小学校1年時の不安

アンケートからは、「放課後を安全に過ごせるか」を心配する保護者の多く、また、そのために事前に準備すべきことが多くあることが分かりました。

総合考察

未就学児時は、常に大人の保護下にあった子どもたちにとって、小学校入学後の「放課後」は、未知の世界です。そのような大きな環境の変化であるにもかかわらず、子どもたちが放課後について事前に知る・慣れる機会は、多くないことが分かりました。また、保護者の方々にとっては、子どもの「安心・安全」が確保されるのか不安が大きく、どのように対策すれば良いのか試行錯誤しながら準備している現状が明らかになりました。

小学校入学直後の子どもたちが、放課後を居心地よく・安全に過ごせるように、未就学児のうちに親子で「放課後」について知る機会を増やす取り組みが必要と考えられます。また、保育所と学童保育の連携を増やすための施策の一つとして、保育所と学童保育の人材交流等の取り組みも有効なのではないでしょうか。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
【調査概要】
調査対象者：小学校以上の子供を持つ保護者、保育所等（保育所、認定こども園、幼稚園等）
調査期間：2025年5月9日〜5月17日
調査方法：インターネット調査
回答件数：212件
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

【データの引用について】
本調査結果データを一部引用・二次利用等される場合は、「保育士バンク！総研」と表記の上、リンクのご協力をお願いいたします。
リンク先：https://www.nextbeat.co.jp/news/20037

その他ご不明点や調査に関する詳細は、下記よりお問い合わせください。
＜お問合せ先＞
株式会社ネクストビート　広報担当
メールアドレス：[e-mail]

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

■保育士バンク！総研について

「保育士バンク！総研」は、保育業界に特化した調査・研究機関です。少子高齢化が進む中、変わりゆく保育労働市場を見通し、課題に向き合い、解決に寄り添うことで、保育業界に貢献することを目的として設立いたしました。保育領域における複数の事業展開で培ってきた業界知見やノウハウをもとに、最新テーマの研究や調査を実施し、保育に携わるすべての方にとって有益な情報の発信につとめています。

https://soken.hoikushibank.com/

■保育士バンク！プラットフォームについて

日本は、ITの先進国である一方で、保育の現場はアナログな部分も多く、今日も保育施設で働く人たちは、十分に園児と向き合えていません。「保育士バンク！」は、全国160万人の保育者が保育に専念できる安心をご提供します。採用、業務改善・職員の定着、集客活動、経営。これまで業界があきらめていた諸問題を、テクノロジーの力で解決していきます。

※サービス紹介サイト：https://www.nextbeat.co.jp/services/lifeevent/hoikushibank

■株式会社ネクストビートについて
「人口減少社会において必要とされるインターネット事業を創造し、ニッポンを元気にする」という理念を掲げ、2013年に創業しました。人口減少に伴い多方面に広がる社会課題に対し、テクノロジーの力を駆使し、ライフイベント領域・地方創生領域・グローバル領域において国内外に13事業を展開しています。

コーポレートサイト：https://www.nextbeat.co.jp 
リクルートサイト     ：https://www.nextbeat.co.jp/recruit