デロイト トーマツ、グローバルの調査をもとに分析した「DX時代・COVID-19時代のプライバシー」を発表
日本では50%以上が「自身のデータを使用制限したいが、方法が不明」と回答し、「得られる利益のほうが、データプライバシーの懸念より上回る」と考えているのは25%程度
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:永田高士)は、デロイトのテクノロジー・メディア・テレコムインダストリーが全世界23ヶ国・地域、計37,450人、18歳から75歳を対象に実施した「Digital Consumer Trends 2020」をもとに分析した『DX時代・COVID-19時代のプライバシー』を発表しました。
DXの一層の推進を目指して、企業が積極的なデータの利活用を行う中、日本では2020年に個人情報保護法の改正が実施され、個人情報の取扱いに関して消費者への理解促進や企業の透明性向上・説明責任が求められています。
また、各国ではCOVID-19対策としてテクノロジーが活用され、接触履歴や感染の有無等、個人に関わるデータの取扱いに関して、プライバシーの在り方が問われています。COVID-19におけるデータの利用は、今後非常時のプライバシーを考えるうえで重要な前例となります。
『DX時代・COVID-19時代のプライバシー』では、「Digital Consumer Trends 2020」の調査結果を踏まえ、以下の観点から、消費者の意識に焦点を当てて考察しています。
【個人情報の取り扱いに対する利用者の考え】
利用者本人は企業に対し、自身の情報の開示、訂正、利用停止等を求める権利を持っているものの、「オンラインサービスを利用する際に自身のデータについて企業に利用の制限を希望したいが、その方法が分からない」ことについて、「強く同意する」(15%)、「やや同意する」(38%)と回答している。
また、「企業とオンラインでやり取りすることで得られる利益のほうが、データプライバシーの懸念より上回る」については、「強く同意する」「やや同意する」という回答が全体の四分の一(25%)程度にとどまり、企業による個人情報利用について肯定的ではないことがうかがえる。
【利用規約を読まずに同意する頻度】
スマートフォンでモバイルアプリのインストール/ダウンロードやWi-Fiホットスポットへの登録、ソフトウェアアップデートのインストール、小売店またはオンラインサービスへの会員登録(音楽および動画のストリーミングなど)等の際、利用規約を「いつも」「ほとんどいつも」「時々」読むことなく同意する人が全体の過半数(60%~70%程度)になっている。この傾向は変わらず、過去3年間でも回答者の約3分の2が、「いつも」「ほとんど毎回」「時々」利用規約を読まずに同意している。一方、必ず読むとの回答(下記回答で「まったくない」)は、全体の10~14%と僅かで、調査結果からは企業の個人情報の取り扱いについて、消費者の理解を得られている状態ではないことがうかがえる。
【政府による接触者の追跡、行動制限、熱感知カメラの利用についての賛否】
COVID-19の影響を低減する目的で、政府がテクノロジーを活用して接触者の追跡、行動の制限、および体温の測定することについては、各施策について「どちらとも言えない」の回答が一定数あるものの、3割以上の人が「強く賛成する」「やや賛成する」と回答し、「やや反対する」または「強く反対する」の2割前後の回答をやや上回っている。また、年齢によって反応が異なり、45歳以上の人が比較的寛容な見方を示し、特に「熱感知カメラで症状のある患者を特定し、ソーシャルディスタンスを強要すること」は、58%が賛成している。
【各国政府による健康データのモニターに関する人々の賛否】
COVID-19のような疾病の大流行を抑制するための政府による個人に関するデータ(例:健康データ、外出先、接触者)のモニタリングについては、その反応が国によって異なっている。「社会およびビジネスに課せられたソーシャルディスタンス(社会的距離)等の制限が早期に解除されるのであれば、たとえ本人の許可がなくても、政府は個人の健康データ(病気の有無、居場所、接触者など)をモニターできるべきである」について、中国では「絶対賛成」「やや賛成」と回答する人は過半数(63%)と大きく特徴が出ている。欧州や日本やオーストラリアでは、賛否が拮抗していたり、または「反対」と考える人が比較的多かったり、微妙な違いも現れている。こうした捉え方の差には、それぞれの国での制度、歴史や慣れといった社会的な背景が関係していると考えられる。
【デロイト トーマツ サイバー合同会社 ディレクター 大場 敏行見解】
DXの進展が著しく、新たなデータ利活用の事例が登場する中、単に規制を遵守するだけでは消費者の信頼を得ることが難しくなっている。透明性や分かり易さを追求して、きめ細かい対応を行うことにより、消費者との信頼関係を築くことがビジネスに好循環を生み出すために重要になる。またそうした対応の実現にあたって、データを横断的・統一的に取り扱うことのできる仕組み作りが求められ始めている。
COVID-19対策においては、感染者や接触者等のプライバシーに配慮しつつ感染拡大を防ぐためには、どのようなデータをどのように利活用するかが鍵となっている。またその際の政府・行政機関等のアプローチや人々の捉え方には、国によって違いが生じている。COVID-19対策でのデータ利活用のユースケースは、今後の非常時のプライバシーを考える上で重要な前例になるはずである。5Gによって、データの流通量は今後さらに増大し、データ利活用とプライバシーは、今後よりグローバルな規模で取り組む課題になっていくであろう。
また、各国ではCOVID-19対策としてテクノロジーが活用され、接触履歴や感染の有無等、個人に関わるデータの取扱いに関して、プライバシーの在り方が問われています。COVID-19におけるデータの利用は、今後非常時のプライバシーを考えるうえで重要な前例となります。
『DX時代・COVID-19時代のプライバシー』では、「Digital Consumer Trends 2020」の調査結果を踏まえ、以下の観点から、消費者の意識に焦点を当てて考察しています。
- 企業の個人情報の取扱いに関して利用者は何を感じているか
- 利用者に対する、個人情報の取扱いについての説明、権利への対応の在り方
- COVID-19のような有事の事態におけるプライバシーをどのように考えるか
【個人情報の取り扱いに対する利用者の考え】
利用者本人は企業に対し、自身の情報の開示、訂正、利用停止等を求める権利を持っているものの、「オンラインサービスを利用する際に自身のデータについて企業に利用の制限を希望したいが、その方法が分からない」ことについて、「強く同意する」(15%)、「やや同意する」(38%)と回答している。
また、「企業とオンラインでやり取りすることで得られる利益のほうが、データプライバシーの懸念より上回る」については、「強く同意する」「やや同意する」という回答が全体の四分の一(25%)程度にとどまり、企業による個人情報利用について肯定的ではないことがうかがえる。
【利用規約を読まずに同意する頻度】
スマートフォンでモバイルアプリのインストール/ダウンロードやWi-Fiホットスポットへの登録、ソフトウェアアップデートのインストール、小売店またはオンラインサービスへの会員登録(音楽および動画のストリーミングなど)等の際、利用規約を「いつも」「ほとんどいつも」「時々」読むことなく同意する人が全体の過半数(60%~70%程度)になっている。この傾向は変わらず、過去3年間でも回答者の約3分の2が、「いつも」「ほとんど毎回」「時々」利用規約を読まずに同意している。一方、必ず読むとの回答(下記回答で「まったくない」)は、全体の10~14%と僅かで、調査結果からは企業の個人情報の取り扱いについて、消費者の理解を得られている状態ではないことがうかがえる。
【政府による接触者の追跡、行動制限、熱感知カメラの利用についての賛否】
COVID-19の影響を低減する目的で、政府がテクノロジーを活用して接触者の追跡、行動の制限、および体温の測定することについては、各施策について「どちらとも言えない」の回答が一定数あるものの、3割以上の人が「強く賛成する」「やや賛成する」と回答し、「やや反対する」または「強く反対する」の2割前後の回答をやや上回っている。また、年齢によって反応が異なり、45歳以上の人が比較的寛容な見方を示し、特に「熱感知カメラで症状のある患者を特定し、ソーシャルディスタンスを強要すること」は、58%が賛成している。
【各国政府による健康データのモニターに関する人々の賛否】
COVID-19のような疾病の大流行を抑制するための政府による個人に関するデータ(例:健康データ、外出先、接触者)のモニタリングについては、その反応が国によって異なっている。「社会およびビジネスに課せられたソーシャルディスタンス(社会的距離)等の制限が早期に解除されるのであれば、たとえ本人の許可がなくても、政府は個人の健康データ(病気の有無、居場所、接触者など)をモニターできるべきである」について、中国では「絶対賛成」「やや賛成」と回答する人は過半数(63%)と大きく特徴が出ている。欧州や日本やオーストラリアでは、賛否が拮抗していたり、または「反対」と考える人が比較的多かったり、微妙な違いも現れている。こうした捉え方の差には、それぞれの国での制度、歴史や慣れといった社会的な背景が関係していると考えられる。
【デロイト トーマツ サイバー合同会社 ディレクター 大場 敏行見解】
DXの進展が著しく、新たなデータ利活用の事例が登場する中、単に規制を遵守するだけでは消費者の信頼を得ることが難しくなっている。透明性や分かり易さを追求して、きめ細かい対応を行うことにより、消費者との信頼関係を築くことがビジネスに好循環を生み出すために重要になる。またそうした対応の実現にあたって、データを横断的・統一的に取り扱うことのできる仕組み作りが求められ始めている。
COVID-19対策においては、感染者や接触者等のプライバシーに配慮しつつ感染拡大を防ぐためには、どのようなデータをどのように利活用するかが鍵となっている。またその際の政府・行政機関等のアプローチや人々の捉え方には、国によって違いが生じている。COVID-19対策でのデータ利活用のユースケースは、今後の非常時のプライバシーを考える上で重要な前例になるはずである。5Gによって、データの流通量は今後さらに増大し、データ利活用とプライバシーは、今後よりグローバルな規模で取り組む課題になっていくであろう。
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