【慶應義塾】放線菌が生み出す熱ショック代謝物(HSM)の発見
-細胞膜を安定化し高温でも生育を可能にする新機能を解明-
慶應義塾大学理工学部生命情報学科の齋藤駿専任講師、荒井緑教授、修士課程2年の奥村薫里香(研究当時)、富山県立大学工学部生物工学科の深谷圭介講師、占部大介教授らの研究グループは、放線菌の高温培養により生産が活性化される代謝物、熱ショック代謝物(HSM)として、streptolactam Dを発見し、高温ストレスから放線菌を保護することで耐熱性を獲得する、二次代謝物の新たな機能性を発見しました。
放線菌が生産する二次代謝物の多くは、長きにわたり菌自身の生育にとっては必ずしも必要なものではないと考えられてきました。今回HSMとして発見したstreptolactam Dは、生産菌の細胞膜に挿入され、高温で不安定となった細胞膜を安定化することで、高温での生育を促進していることが示唆されました。今後HSMの作用メカニズムの解明は、天然物の生理的意義の解明および医薬やエネルギー分野等への応用が期待されます。本研究の成果は、2025年4月28日に、米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」で公開されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2025/5/14/250514-1.pdf
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