国産ジビエ消費拡大プロジェクト「GO GO GIBIER!」 7月から首都圏でスタート
一般社団法人日本ジビエ振興協会(本部:長野県茅野市、代表理事:藤木 徳彦、以下「日本ジビエ振興協会」)、は、国産ジビエ認証を取得した全国14の食肉処理施設※1のご協力のもと、2021年7月より国産ジビエ消費拡大プロジェクト「GO GO GIBIER!(ゴーゴー・ジビエ)」を展開いたします。本プロジェクトは、国産ジビエの継続的な消費拡大を目指すもので、第一弾として東日本旅客鉄道株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:深澤 祐二、以下「JR東日本」)、第二弾として株式会社ロッテリア(本社:東京都新宿区、代表取締役:那須 誠司、以下「ロッテリア」)を迎えてスタートし、今後、参画する事業者を募集していきます。
※1 祖谷の地美栄(徳島県三好市)、信州富士見高原ファーム(長野県諏訪郡富士見町)、西米良村ジビエ処理加工施設(宮崎県西米良村)、TAG-KNIGHT(大分県国東市)、宇佐ジビエファクトリー(大分県宇佐市)、わかさ29工房(鳥取県八頭郡若桜町)、ゆすはらジビエの里(高知県高岡郡梼原町)、清流ジビエフードサービス(岐阜県揖斐郡大野町)、株式会社サロベツベニソン(北海道天塩郡豊富町)、北海道シュヴルイユ浦臼工場(浦臼町ジビエ処理加工センター)(北海道樺戸郡浦臼町)、屋久島ジビエ加工センター(鹿児島県熊毛郡屋久島町)、丹波山村ジビエ肉処理加工施設(山梨県北都留郡丹波山村)、オーガニックブリッジ(千葉県木更津市)、地美恵の郷みまさか(岡山県美作市)※認証取得順に掲載
【 背景と目的 】
野生鳥獣による農作物の食害、森林被害の緩和や、輸送障害の発生防止、農林業の支援、そして捕獲したシカ、イノシシの生命を無駄にしないといった目的で、ジビエの振興が各地で進められています。また、ジビエの振興は、食肉処理施設における雇用の創出や、地域経済活性化など副次的効果もあることから取り組みが拡大してきており、SDGs(Sustainable Development Goals)の観点における「サステナブルフード」としての認知も高まってきています。
一方で、2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行により、主な消費先であった外食産業が停滞したため、国産ジビエの消費量は急激に減少しています。
そこで、国産ジビエを広く知っていただき消費を拡大するとともに、国産ジビエを継続的に食べられる環境をつくるため、本プロジェクトを実施いたします。
※「GO GO GIBIER!」のロゴについては、農林水産省から国産ジビエ認証(登録第6101927号)の類似商標としての許諾を受けています。
【 概 要 】
本プロジェクトは日本ジビエ振興協会が立ち上げたもので、一年を通してジビエを食べられる環境を、外食産業事業者の皆様とつくることを目的にしています。複数の事業者様にご参画いただき、国産ジビエの提供店舗のリレーをつないでいきます。
JR東日本では、グループ全体で取り組む「地域再発見プロジェクト」の一環として、2021年7月15日より(株)JR東日本クロスステーションが「国産ジビエフェア」を開催し、国産ジビエを使ったメニューの提供を開始します。
ロッテリアは、今秋より国産ジビエを使ったメニューの提供を開始する予定です。
3者、14施設協働でスタートしますが、日本ジビエ振興協会は、さらに全国の事業者、飲食店に参画を呼び掛け、「コレクティブインパクト」を目指します。
<JR東日本(JR東日本クロスステーション)>
①飲食メニュー
[期 間]2021年7月15日~9月30日 ※なくなり次第終了
[店 舗]首都圏の『ベッカーズ』全11店舗、『R・ベッカーズ』2店舗、東京駅『THE BEAT DINER』
[メニュー]ベッカーズ、R・ベッカーズ「国産ジビエ 鹿肉バーガー」単品 740円/セット 1,070円(税込)
THE BEAT DINER「ジビエバーガー」単品 1,520円/セット 1,740円(税込)
②物販メニュー
[期 間]2021年7月20日~8月9日
[店 舗]首都圏のコンビニエンスストア『NewDays』
※一部店舗で取り扱いがない場合があります。
[販売商品]「真田カルパス」(国産・鹿肉を使用) 259円(税込/予定)
※ 詳細はJR東日本クロスステーションのリリースをご覧ください。
<ロッテリア>
[開 始 日]今秋を予定
[店 舗]ロッテリア店舗を予定
[メニュー]ジビエ(鹿肉)を使ったバーガーを予定
※ 詳細は今後発表されるロッテリアのリリースをご覧ください。
【特設ページ】 「GO GO GIBIER!」プロジェクトサイト http://gibier.or.jp/gogogibier/
【別紙】
【 国産ジビエ認証について 】
農林水産省は、衛生的で安心安全なジビエの提供する制度として、2018年に「国産ジビエ認証制度」をスタートさせました。現在、全国で25施設が認証を取得しています。日本ジビエ振興協会は認証機関に登録されており、これまでに18施設を認証しています(令和3年7月現在)。今回メニューで使用するのは、日本ジビエ振興協会が認証した施設からご提供いただくジビエとなります。
※日本ジビエ振興協会が認証したものは、特別な認証マークを使用することができます。
【 国産ジビエ センター構想 】
日本ジビエ振興協会は、認定した処理施設をネットワーク化し、流通の便宜を図るとともに、一般に食材として人気の低いカタ・スネ肉などを効率的に活用するなど、ジビエ流通の課題を解決していくための体制を整備しました。
※信州富士見高原ファームにカタ・スネ肉を集約し、スケールメリットを創出
※運搬では一部貨客混載を利用し、コストカットを図る
ジビエは生産量が少ないため、流通コストが高くなりがちです。また、ロースやモモなどの人気は高いものの、カタ・スネ肉などの利用が進まないことから歩留まりが悪く、結果としてジビエの高価格化にもつながっています。
センター構想は、処理の一部と流通を一元化することでスケールメリットを出し、人気部位以外の利用率を高め、ジビエの価格を安定させ消費量を拡大することを目指しています。
【 今後の展開 】
日本ジビエ振興協会は、今後も国産ジビエの継続的な提供、消費体制の構築を目指し、都市部から参加事業者の拡大を図ります。並行し、自衛隊などの公共機関や自治体などの公共団体での提供や、企業給食への拡大も目指します。引き続き外食産業、流通事業者、加工事業者、企業給食事業者等、さまざまな事業者の参画を呼びかけてまいります。
【参考資料1】ジビエとは
ジビエとは狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉(フランス語)で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化です。その昔フランスなどでは、ジビエを使った料理は自分の領地で狩猟ができるような、上流階級の貴族の口にしか入らないほど貴重なものでした。そこでは、動物の尊い生命を奪う代わりに全ての部位を余すことなく料理に使い、生命に感謝を捧げようという精神が流れています。
かつて日本では、鳥獣被害対策で捕獲した獣は埋設処理されるのが一般的でしたが、これを「山野の恵み」として、生命を無駄にすることなく活用することが国産ジビエの狙いです。有害鳥獣捕獲は通年で行われており、猟期(11月15日~2月15日 ※一部地域で3月15日まで)以外でも捕獲されることから、「田植え鹿」「夏鹿」といった、冬期以外のジビエの食味を楽しむことができるようになってきました。
また、ジビエは、食を通して自然との共生、地域との繋がりを感じるインターフェイスとしての機能もあり、SDGsなどに取り組む企業からの注目度も高まっています。
栄養面でも非常に優れており、特に鹿肉は脂肪分が少なく、低カロリーでタンパク質が豊富なため、アスリートや格闘家の皆様からも注目されるようになっています。また、ビタミンや亜鉛、鉄分などの栄養素も豊富で、体力を養いたい高齢者や、美容と健康を保ちたい女性の方にも向いています。
【参考資料2】鳥獣被害とジビエの利用率
野生鳥獣による農作物への被害は、平成30年度で158億円、その7割をシカ、イノシシが占めています。近年、徐々にその額は減少傾向ありますが、中山間地での被害は深刻であることに変わりはありません。
《鳥獣被害の総額》
《捕獲頭数》
猟友会などの各地の事業者が、依頼を受けて有害鳥獣捕獲を行っています。皆様のご尽力により、捕獲頭数は年々上昇しており、被害額減少の原動力となっています。
その一方で、捕獲されたシカ・イノシシの利用率は低く、シカが14%、イノシシが5%程度にとどまっています。ジビエの消費量拡大は、利用率を高めることにつながります。利用率が高まれば、生命が無駄に捨てられることなく、地域と都市部、人と自然がつながる循環型経済の創出にもつながります。
【参考資料3】「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」について
農林水産省では、2020年度の猟期から「捕獲数20万頭上積み」を目標にした、「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」を実施しています。全国で捕獲強化エリアを設定し、 捕獲活動や、自治体・猟友会による体制整備等の活動に対して予算補助を行っています。今回の国産ジビエ消費拡大プロジェクトも、本キャンペーンの動きと連動して展開しているものです。
(図は、シカの捕獲強化エリアを図示したもの。農林水産省のHPより)
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