IBMとChiefの調査により、女性の活躍について楽観論が高まる一方、中間管理職層における女性の割合の低さが明らかに
女性のリーダーとしての地位向上をビジネス上の優先事項に含める企業は多くないが、持続的な進展のための計画は存在する
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、ジェンダーに関する最新の調査レポートの日本語版、「なぜ男女平等の認識は現実と乖離するのか:その真相と対策」( https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/women-leadership-2023-japan-report )を発表しました。本調査は、IBMのシンクタンクであるIBM Institute for Business Value (IBV)が、世界の約2万人の女性エグゼクティブのネットワークであるChiefと協力し、日本を含む12カ国、10業種の2,500社を対象として実施しました。
本調査では、経営層および取締役の女性の割合(現在どちらも12%)、またジュニア・プロフェッショナルにおける女性の割合(現在40%)が、それぞれ過去最高レベルにまで増加したことが明らかになりました。しかし、中間層における女性の割合はパンデミックで落ち込んだ水準からまだ回復しておらず、例えば執行役員は14%(2019年は18%)、事業部長は16%(2019年は19%)となっています。トップ層の女性の割合は増加したにもかかわらず、中間層の女性の割合が低迷していることによって、将来的にジェンダー平等が停滞することが危惧されます。
さらに、女性リーダーの数を増やすことを、ビジネス上の正式な最優先事項としていると回答した割合は、2021年の25%から2倍近く増加したものの、現時点でも全体の半分以下の45%でした。
本調査結果の主なポイントは以下の通りです。
Chiefの共同創業者兼最高ブランド責任者のリンジー・キャプラン氏(Lindsay Kaplan)は、次のように述べています。「経営幹部や取締役会レベルにおける女性の割合にわずかな向上が見られることは喜ばしいことですが、こうした高いポジションに繋がるパイプラインを埋めるためには、企業の努力が不可欠です。ほぼすべての役職において、女性の割合は著しく低くなっています。企業が政策、投資、そして女性をサポートする文化を通じて、組織全体のジェンダー・ダイバーシティーを優先することで、全社員に平等がもたらされ、より強く、よりレジリエントなビジネスが実現するでしょう」
またIBMコンサルティングのシニア・バイス・プレジデント兼チーフ・オペレーティング・オフィサー (COO)であるケリー・チャンブリス(Kelly Chambliss)は、次のように述べています。「平等と包括性の実現は組織の競争力に繋がりますが、多くの企業は、そのように行動していません。企業は急速に変化する世界で成功するために、女性、そして歴史的に少数派のすべてのグループの昇進を加速させ、構造的障壁や無意識の偏見に挑戦するための行動を取らなければなりません」
これら知見や調査結果から収集した先進的な企業の取り組みに基づき、持続的な進歩に向けた具体的な対策ステップを以下のように提示しています。
調査方法
IBM Institute for Business Value と ChiefがOxford Economicsと協力して、12カ国、10業界の組織から2,500人のエグゼクティブ、マネージャー、プロフェッショナル(女性と男性が同数)を対象に実施しました。これは、縦断的な分析をするために、同じ役職レベル、業界、地域を対象に、2021年と2019年にIBMが実施した調査に続くものです。本調査の全内容は、以下のURLよりご覧いただけます。
https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/women-leadership-2023-japan-report
IBM Institute for Business Valueについて
IBM Institute for Business Value(IBV)は、IBMのソート・リーダーシップ・シンクタンクとして、ビジネス・リーダーの意思決定を支援するため、世界の調査とパフォーマンス・データ、業界の専門家や学者の専門知識に裏付けられた戦略的洞察を提供しています。詳しくは、https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja をご覧ください。
Chiefについて
Chiefは、女性のリーダーシップを強化し、影響力を拡大し、他の人を巻き込む道を切り開くことを目的とした、女性エグゼクティブのためのプライベート・ネットワークです。2019年にキャロリン・チルダース氏(Carolyn Childers)とリンジー・キャプラン氏(Lindsay Kaplan)によって設立されたChiefのミッションは、より多くの女性をトップに押し上げ、その地位を維持することです。Chiefは米ビジネス誌『Fast Company』の「Most Innovative Companies(最も革新的な企業)」に選出されており、2万人の女性シニア・エグゼクティブが参加しています。詳しくは、chief.comをご覧ください。
当報道資料は、2023年3月1日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳の一部をもとにしています。原文は以下のURLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2023-03-01-IBM-and-Chief-Study-Finds-Women-in-Leadership-Pipeline-has-Hollowed-Out-in-the-Middle
本調査では、経営層および取締役の女性の割合(現在どちらも12%)、またジュニア・プロフェッショナルにおける女性の割合(現在40%)が、それぞれ過去最高レベルにまで増加したことが明らかになりました。しかし、中間層における女性の割合はパンデミックで落ち込んだ水準からまだ回復しておらず、例えば執行役員は14%(2019年は18%)、事業部長は16%(2019年は19%)となっています。トップ層の女性の割合は増加したにもかかわらず、中間層の女性の割合が低迷していることによって、将来的にジェンダー平等が停滞することが危惧されます。
さらに、女性リーダーの数を増やすことを、ビジネス上の正式な最優先事項としていると回答した割合は、2021年の25%から2倍近く増加したものの、現時点でも全体の半分以下の45%でした。
本調査結果の主なポイントは以下の通りです。
- 楽観論は高まっているが、現実を反映していない。2019年には、自社が属する業界のリーダー職に就ける均等な機会が女性に提供されるようになる(ジェンダー・パリティーの実現)までに54年かかると考えられていたが、2023年にはわずか10年で実現すると考えられるようになっている。しかし現実は、調査データに基づく現在の変化率では、ジェンダー・パリティーの実現はまだ数十年先である
- 構造的障壁や無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)が、依然として女性の活躍を阻んでいる。2021年以降、女性向けのキャリア開発計画、ダイバーシティー・トレーニング、女性ネットワーキング・グループの設立を実施する組織が増加。しかし、偏見は依然として残っている。例えば、「子供を扶養している女性は、子供を扶養していない女性と同じくらい仕事に熱心か」という質問に対して、回答者の大多数は「そう思う」と答えているが、男性管理職は約40%しか同意していない
- リーダーシップに求められる属性も、性別によって異なる。男性には主に創造性と誠実さを備えた、結果重視の人物であること、女性には戦略的で大胆であると同時に人間関係重視の人物であることを期待する傾向がある
- パンデミックによって、職場の女性は不平等な影響を受け続けている。回答者は、女性が直面する最も深刻な混乱として、パンデミックが甚大かつ持続的な犠牲を女性にもたらしていることを認識している
Chiefの共同創業者兼最高ブランド責任者のリンジー・キャプラン氏(Lindsay Kaplan)は、次のように述べています。「経営幹部や取締役会レベルにおける女性の割合にわずかな向上が見られることは喜ばしいことですが、こうした高いポジションに繋がるパイプラインを埋めるためには、企業の努力が不可欠です。ほぼすべての役職において、女性の割合は著しく低くなっています。企業が政策、投資、そして女性をサポートする文化を通じて、組織全体のジェンダー・ダイバーシティーを優先することで、全社員に平等がもたらされ、より強く、よりレジリエントなビジネスが実現するでしょう」
またIBMコンサルティングのシニア・バイス・プレジデント兼チーフ・オペレーティング・オフィサー (COO)であるケリー・チャンブリス(Kelly Chambliss)は、次のように述べています。「平等と包括性の実現は組織の競争力に繋がりますが、多くの企業は、そのように行動していません。企業は急速に変化する世界で成功するために、女性、そして歴史的に少数派のすべてのグループの昇進を加速させ、構造的障壁や無意識の偏見に挑戦するための行動を取らなければなりません」
これら知見や調査結果から収集した先進的な企業の取り組みに基づき、持続的な進歩に向けた具体的な対策ステップを以下のように提示しています。
- 優秀な人財に有効なトップの役職をデザインする。例えば、採用基準を性別にとらわれない中核的な要件に限定する
- 女性のリーダーシップの向上をビジネス成果という言葉で捉え直す。例えば、男女間の不均衡を是正することで得られる具体的な経済的利益を定量化する
- 組織の行動計画に具体的な指示や対策を盛り込むことで、戦略を具体化する。例えば、女性の地位向上に関する測定可能な目標を設定する
- 中間層を含めたリーダーシップのパイプライン全体でジェンダー平等を推進することを目的とした行動計画を実施する。例えば、意識向上トレーニング、ロールプレイやリバース・メンタリングなどの体験学習によって偏見を解消する
調査方法
IBM Institute for Business Value と ChiefがOxford Economicsと協力して、12カ国、10業界の組織から2,500人のエグゼクティブ、マネージャー、プロフェッショナル(女性と男性が同数)を対象に実施しました。これは、縦断的な分析をするために、同じ役職レベル、業界、地域を対象に、2021年と2019年にIBMが実施した調査に続くものです。本調査の全内容は、以下のURLよりご覧いただけます。
https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/women-leadership-2023-japan-report
IBM Institute for Business Valueについて
IBM Institute for Business Value(IBV)は、IBMのソート・リーダーシップ・シンクタンクとして、ビジネス・リーダーの意思決定を支援するため、世界の調査とパフォーマンス・データ、業界の専門家や学者の専門知識に裏付けられた戦略的洞察を提供しています。詳しくは、https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja をご覧ください。
Chiefについて
Chiefは、女性のリーダーシップを強化し、影響力を拡大し、他の人を巻き込む道を切り開くことを目的とした、女性エグゼクティブのためのプライベート・ネットワークです。2019年にキャロリン・チルダース氏(Carolyn Childers)とリンジー・キャプラン氏(Lindsay Kaplan)によって設立されたChiefのミッションは、より多くの女性をトップに押し上げ、その地位を維持することです。Chiefは米ビジネス誌『Fast Company』の「Most Innovative Companies(最も革新的な企業)」に選出されており、2万人の女性シニア・エグゼクティブが参加しています。詳しくは、chief.comをご覧ください。
当報道資料は、2023年3月1日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳の一部をもとにしています。原文は以下のURLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2023-03-01-IBM-and-Chief-Study-Finds-Women-in-Leadership-Pipeline-has-Hollowed-Out-in-the-Middle
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